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まるで理想の恋人!?サムの魅力を深掘りする!映画『ロード・オブ・ザ・リング』

 あなたが好きな、映画『ロード・オブ・ザ・リング』のキャラクターは誰ですか?やっぱり主人公のフロド?クールで頼りになるアラゴルン?イケメンでかっこいいレゴラス?それとも、みんなを導くガンダルフ?…とそれぞれあると思います。

 しかし、わたしは、サム!勇者サムワイズが特に大好きです。(もちろん、他のキャラクターも大好き。)今回は、サムについて、語っていこうと思います。


サムってどんな人?


 まずは、基本のおさらいをしよう。サムは、ホビット庄に住むホビットで、本名サムワイズ・ギャムジー。フロドの袋小路屋敷の庭師をしている。フロドとは、主人と庭師の関係であり、なおかつ一緒にお酒を飲むくらい仲のいい友人である。フロドとガンダルフの会話を、好奇心から盗み聞きし、フロドと共に旅立つこととなる。そして、物語の最後まで、ほとんどをフロドと共に行動するキャラクターである。


サムの魅力①:料理上手


 サムの魅力としてまず挙げられるのが、料理上手なこと。え、まずそこ?(笑)という気もしないではないが、まあいいでしょう。サムは、フロドと一緒に旅立つことになり、たくさんの荷物を持ってホビット庄を出発します。この『旅の仲間』の序盤で注目したいのは、サムの荷物の多さ。フロドはリュックサックにマントを挟んでいるだけ。これに対し、サムはリュックサックに、マント、毛布のようなもの、それからお鍋やフライパンといった大量の調理器具をぶら下げているのです。これも、きっとすべておいしいご飯を食べるため。

 自分のためもあるかもしれないけど、旅の途中でもフロドにおいしいご飯を食べて欲しい、と思っていたんじゃないかなあ、なんて思う。トマトを焼いたり、ソーセージを焼いたり、キャンプ飯のようなご飯はお手の物。

さらに『二つの塔』では、ウサギのシチューを作っているんです。ジャガイモがあればなあ…なんて言っているが、ウサギを捌いて煮込んでいるだけで十分すごくないか?庭師らしく、香草のようなものも入れているし、きっと素朴な味でおいしいんだろうなあ。

 厳しい旅の中でも、食事という楽しみを忘れないのが素晴らしい。食事を楽しむシーンで言うと、『二つの塔』では、食べ飽きたであろうレンバスを、異国の食べ物にしては悪くないと言ってサクサクと食べている。これには、フロドがおもわず微笑んでしまうのも納得。


サムの魅力②:開花する勇敢さ


 サムは、物語が進むにつれて、どんどんと勇敢になっていくのである。その姿は、とても魅力的だ。『旅の仲間』の序盤を思い出してほしい。サムは、想いを寄せるロージーに対して、横目でチラリと見るだけで、アタックする勇気はないのである。また、フロドと旅立つ時も、見知らぬ土地に踏み出す前に、立ち止まってしまっている。
 それが、『王の帰還』では、敵に囚われたフロドを、たった一人で敵地へ踏み込み、オークをなぎ倒し、取り戻すのである。ものすごいギャップ!どうしてここまで、勇敢になれたのか。それはすべてフロドのため。そして、”命を懸けて戦うに足る尊いもの”のため。(サムの言葉を借りました。)何かのために勇敢になれるって、素晴らしいことだよね。

 もう一つ思うのは、さまざまな危機的状況に直面して勇敢に成長した、という部分もあると思うが、元来サムは勇敢だったんじゃないかなと。ホビット庄では発揮する機会が無かっただけかもしれない。その証拠に、『旅の仲間』で、最初の敵(に見えた)アラゴルンに対して、ピピン、メリーと共に立ち向かうシーンでは、サムが先頭に立っているのである。
 その後、サムが立ち向かったものというと、黒の乗手、トロル、オーク、ゴラム、ファラミア、シェロブ、とたくさんある。すべて、フロドを守るためである。フロドは、サムなしでは使命を全うできなかっただろう。

 特に注目したいのは、フロドに「家に帰れ。」と言われた後、思い直して再び立ち上がってからのサムである。この一件以降、サムは格段に勇敢さを増し、フロドを丸ごと担ぎ上げるほどタフになるのだ。一度は折れてしまった気持ちを持ち直し、あそこで再び立ち上がったのは、やはりフロドのため。その姿が、とっても胸を打つんだなあ。


サムの魅力③:芯の通ったポジティブさ


 常にハイテンション!前向いて行こうぜ、フロド!イエーイ!…という意味のポジティブではありません。(笑)先ほども触れましたが、『二つの塔』の終盤でサムは、“この世には、命を懸けて戦うに足る、尊いものがある”と信じているんです。
 これって、現代風に言い換えると、”世の中には、人生をかけてやるに足る素晴らしいものがある”ってことなんじゃないでしょうか。そうやって、言い切れるって、すごく根本的なポジティブさや強さを感じます。

 わたしたちって、うまくいかないことがあると世間や時代のせいにしてしまう部分が、多かれ少なかれあると思うんです。でも、そうじゃないんだ。世の中には、素晴らしいものがいっぱいあるんだ、とサムは教えてくれます。それが”何”とは具体的に言わないところが、また素敵なんです。だって、それって、人それぞれで違うから。

 自分にとっての、尊いものってなんだろう~と考えさせてくれます。サムにとっては、フロドを始めとする仲間だったり、自然が豊かなホビット庄だったりするのでしょうね。サム、素敵!

 また、サムは、暗黒時代が終わり、明るい時代が来ることも信じています。そして、そのために、自分たちが前に進まなければいけないと言っています。先ほどお伝えした、”尊いもの”のために、諦めず進み続けるんだ!というメッセージですね。なんか、すごく勇気が湧いてきませんか?ここのシーン、本当に大好きなんです。
 つらい状況の中でも、それを乗り越えた明るい未来を信じられるって、大切なことだと思うんです。どんなにつらくっても、必ず夜は明ける。わたしも、何度この言葉に助けられたことでしょう。サム、ありがとう。


サムの魅力④:優しい、誠実、献身的


 さあ、ついにきました。サムの優しさのコーナー(?)。サムと言えば、優しくて、献身的!ですよね。物語を通して、終始フロドを献身的に支え続けるんです。荷物持ちや料理といった身の回りの世話から、メンタルサポート、さらに敵からの救出まで、なんでもこなします。ここまでくると、愛を感じます。でも、ここでわたしが強調したいのは、ただ優しいってことではありません。

 様々な面で献身的なサムですが、決してフロドの役目を奪わないんです。これが、すごい。あ、フロドの役目というのは、指輪を運んで、火山に捨てるコトです。だって、考えてみてください。自分の大好きで大切な人が、重荷に苦しんでいる。じゃあ、自分が代わってあげたい、代わりに指輪を捨ててあげたい…となっても不思議ではないですよね。
 でも、サムは、違います。最後の最後まで、指輪を捨てるのはフロドの役目、として見守るんです。フロドが、立ち上がれなくなった時も、同じです。「もう火口は目の前だから、指輪、俺が捨ててきてあげるよ!貸して!」とはなりません。フロドが、指輪の魔力と戦いながら、指輪を火山に捨てようとするところをただ見守るんです。

 これって、なかなか出来ないですよね。つい、手を出したくなっちゃうと思います。他人の使命を奪わない。これも、優しさだと思います。(一時的に指輪を預かろうとしたり、フロドが敵に囚われた時に指輪を持っていたことはあります。)


おわりに

 サムの魅力⑤…と続けたい気持ちもありますが、だいぶ長くなってきましたので、この辺りで終わりにしようと思います。ここまで読んでくださったあなたには、しっかりサムの魅力が伝わったのでは⁉と、嬉しくてソワソワします。こうやってみると、サムって理想の恋人みたいですよね。(笑)

 サムも、他のキャラクターも、魅力でいっぱいです!これからも、映画『ロード・オブ・ザ・リング』のことについて、あふれる好きを書いていきたいと思います。

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