思考型の恋愛はなぜ共感されるか バチェロレッテ3ラスト感想
そういえばバチェロレッテ3の8話〜ラストまでの感想をまだ書いてなかった。個人的には、最後にいくにつれて絞られたメンバーの中で恋愛が盛り上がるのを勝手に予想してたんだけど、なかなかそうはならなかったね。
坂口さんラストはおそらく多くの人にとって予想通りだったと思うし、俺も同意見だった。何度も書いたけど彼はメンバーの中でも成熟してるな〜と見ていて思ってて(成熟度でいうとやっぱ梅谷さん、あと1話で落ちたオヤイヅさんも頼もしいタイプ)、なんていうか自分がこうしたい、という意思と、一方で置かれた状況での役割を自覚した上で動けるバランス感覚がうまい人たちだったなーと思う。
俺の周り(主に仕事仲間)の間では、もっぱらくっしーが人気だったけどね、最後まで。ただくっしーは、南国・バリ!のあの環境でもなかなか防衛本能が緩まないというか、左脳型思考によって自分のハートの感覚を掴むまでにどうしても時間がかかってしまって、ああいう結果に繋がったんだろうなと思った。
ただ、周りの友達が言うには、あの立ち上がりの遅さがいいとか、自分の気持ちに鈍感なのが可愛いとか、だからこそ嘘つけない感じがたまらんとか、そんな意見が多いんだけど。
まあそれって要するに理系萌えみたいな感じなんだろうな。割とエンジニアにも多いよね。普段から数式とか記号を相手に仕事をしてる人の無機質な感じに、だんだん感情の起伏が蘇ってくるのが、見てみて愛おしくなる感覚、というか。ひろゆきが嫁に振り回されてるの見ると、なんかほっとする、みたいなアレ。
よく男も40代近くなるとなかなか簡単にときめかなくなると言うけど、そういう一見無感情な人に火がついていく感じを、見守りたいみたいな感じ?
ただ、ラストでやっと火がついた彼が、その後のスタジオトークの中ではすっかりいつもの理数系モードみたいに戻っちゃってて、そこにやっぱり日常が見える感じがしたよね。エビデンス優先の世界を生きてる人特有の、思考型の感じ。
そう言う、思考型の人の恋愛のもどかしさみたいなのは、「可愛い」と言うより、要するに共感できる人が多いんだと思った。
くっしーの思考型は、現代人の恋愛のスタンダードに最も近いものがあるんだろうね。
最後まで自分を貫いた亜樹さんに乾杯
亜樹さんは、最後まで自分のモードとペースを崩さない感じが、あっぱれだったよね。これはバチェロレッテ1の萌子さんにも共通することだけど、彼女らはどっか番組の構造や日本人の恋愛観そのものに、「で?」的な一石を投じてる感じが強かったかな。
彼女の恋愛スタイルは、おそらく今日の日本における恋愛メソッド(モテるにはこう!みたいな)からは大きくかけ離れてて、どっちかっていうと男を立てるタイプの女性から見れば、ヤキモキするシーンも多かったんじゃないだろうか。違う違う、そうじゃない!みたいな。
まあ、そもそも亜樹さんはそう言う考え方そのものに対して、一石を投じた観はあるよね。そして、あの手の番組に応募するタイプの男性からすると、やっぱりあそこまで一本気の女性には、なかなかときめかないのもさもありなん、という。
例えばバチェラーシリーズの女性陣とバチェロレッテシリーズの男性陣が合コンでもしたら、あっさりカップル成立すると思うんだよね。なぜなら「選ばれる側」として戦うって、その時点で自分なりのモテ理論みたいなものに自信があるわけで。
で、やっぱ「モテようとする」行為自体が、実は受け身の発想だから。相手を引き込もうとする、相手の気を引く、という行為は、一見攻めの受け身と言うかね。
つまり攻めの受け身に心得のある人は、やっぱり同じような人と恋愛しやすいと思うんだよな。恋愛をそれなりに俯瞰して楽しめるタイプっつーか。
一方で、亜樹さんにはそういう、攻めの受け身みたいな発想があんまりないんだろうな、とみててつくづく思った。そして、本来「選ぶ側」のバチェロレッテはそれでOKなんだけど、あのメンバーと恋愛成立するためには、亜樹さん側が多少受け身になる必要はあったのかなとは思う。
ただ彼女はそれをしなかった。そこがあっぱれだったし、結果として視聴者に対し、
「あなたがやってるその攻めの受け身って、本当に自分の本心からそうしたいこと? それが本当に、あなたにとって納得のいくスタイル?」
と言う強烈なメッセージを放つ結果になったよなあと思った。
男も問われてるよね。なんていうか、人生そのものに対する、しなやかな強さを。
以上です。好き勝手書かせてもらいました。読んでくれてありがとう。
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