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俺の前世は、おじいちゃん(2)


おはよう。スピリチュアルネイティブのタケルです。今朝はちょっと寒い。近所の桜は2分くらい、咲いてたけど。

さて、前回の話↓の続きから。より詳細が知りたい方は、初投稿記事からどうぞ(話が繋がってるので)。


10年前くらいから、次々に前世の記憶が開いていった俺は、あるとき、母方の祖父が自分の前世だったことに気がついた。

あれは2年前の夏至の日だ。俺は朝から胸が妙に痛むのを感じて、リビングでぼうっとしてた。ちょうどその頃、俺はなぜだか、母の旧姓を継ぎたい、ということをいつも考えていた。

俺の今の苗字は、父方の姓。なんだが、なぜだか数日前から、母の旧姓を誰も継いでないことが気になり始めていた。母は二人姉妹で、そのどちらも嫁に入った上に、祖母は二人目の夫の苗字を、離婚後の今も名乗っていた。

もはや誰も継ぐことのない、母の旧姓ーー母方の祖父の苗字。俺はわけもなくそのことが気になり始め、どうしたら俺の立場から名前を継げるのかを調べたりしていた。

夏至の朝も、ちょうどそのことを考えていた。で、考えれば考えるほど、いつも以上に胸が痛むことに気がついた。俺は胸に手を当てて、目を閉じた。ごく、自然に。すると、泣き出したいような感情が溢れ、その感情をじっくり味わううちに、感情の根っこにあるものに触れた。

そこにあったのは、おばあちゃんへの大きな愛おしさ。そしてそれは、俺個人が感じている範囲を超えた、莫大な感情だった。同時に、申し訳なさも出てきた。身がちぎれるような後悔と、痛み。俺には身に覚えがないのに、まるで俺の中から溢れてくる、別人格の感情。

俺の中にあったもう一つの人格。それが、母方のおじいちゃんだった。

実はこの祖父、祖母との結婚後、ある日突然、新しく女を作って蒸発してしまったらしい。今の時代なら(当時でも)誰もが石礫を投げたくなるような悪いやつ、って感じなのに、なぜだか祖母はいつも、祖父のことを愛おしそうに語っていた。

俺は前にも書いたが、免許をとってからはいつも祖母をドライブデートに誘っていた。その時、祖母はいつも必ず祖父の思い出話を聞かせてくれた。祖父がどれだけいい男だったかを、うっとりした眼差しで語るんだ。

俺には到底、理解できなかった。祖母が、自分を捨てた祖父を恨むよりもずっと、今もこうして愛していることが。まあ、祖母の二番目の旦那は警察のお世話になるようなアレな人だったこともあって、初婚だった祖父の思い出がより美化されていたのかもしれないが。

にしたって、祖父は女を作ってよそに逃げた人。子供心に「ひでえな」と思っていた彼が、まさか俺の前世だったなんて。だけど、溢れ出した感情の原因が「祖父」なら、色々と辻褄が合う。なんせ俺は、子供の頃からとにかくばあちゃんが大好きで、彼女のことを「可愛らしくてたまらない」と思い続けていたから。

こうして俺は、自分がおじいちゃんだったと思い出したとき、同時に、なぜ他に女を作って、祖母を捨て、ある日突然蒸発したかを思い出したんだ。

それは、とても情けない話ではあるんだけど、祖父にもまた、致し方ない理由があったのだと理解できるきっかけにもなった。そして俺は、祖母に電話をして、当時のことを詫びることを決意する。


続きます。またよかったら読んでください。


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