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ステントを選べなかった理由

去年と今年で結局冠動脈に4か所狭窄が見つかったわけだけれど、ステントかバイパスか大いに迷った。
実は母が同じ狭心症で、父が糖尿病。私は不名誉なサラブレッドだった。母の体には何本もステントが入っている事を知っていた。
実家に帰っている時に何度か胸痛を起こしてしまっているので、母も薄々事態に気付いていたと思う。

ステントの場合
メリット→カテーテルで手術可能、二泊三日の入院、費用も安価、手首と鼠径部からカテーテル入れるので傷も痛みも殆ど残らない。
デメリット→一生ものではない。10年くらいが目安。また他の所に狭窄が見つかれば新たなステントを入れる必要あり(いたちごっこになる)。ステント(機械弁)を人体に入れるため血栓が出来たら命取り。ほぼ一生血をさらさらにする薬を飲まないといけない。この薬(ワーファリン)が妊婦禁忌、胎児に奇形が出る恐れあり。

バイパスの場合
メリット→10年と言わず長持ちする。血をさらさらにする薬は一旦飲まないといけないが、安定すれば妊娠出産時に一時的に断薬可能。
デメリット→開胸手術。胸の真ん中に縦に20センチの傷跡。最低でも2週間以上の入院が必要。胸骨を割るので骨折と同じ、元の生活に戻るのに2-3ヶ月かかる。手術費は高額。

この2つを天秤にかけて、私には凍結してある受精卵を移植して今度こそ妊娠出産にこぎつけたい、という思いからバイパス手術を選んだ。
ステントにして奇形の子供になってしまったら一生悔やむし自分を許せなくなりそうで、また母と同じようにいたちごっこになる可能性が高いと思ったから。
もしこれがあと10年遅くて子供を持つ事を諦めていたら話は変わっていたと思う。