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徒手療法家のためのファシア考察

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ファシアについて徒手療法家が知っておくべき情報を随時更新していきます。またファシアに限らず徒手療法に関する事柄も随時追加していきます。
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#マッサージ

私は強揉み戦争には参加しませんw

先日、縁があって元有名プロスポーツ選手のマッサージをしました。今回はその時に思ったことを綴っていきます。 その方とは過去に数回会ったりしたことがある仲で、これから日本でやっていくにあたって私のマッサージを受けてもらい感想などを聞きたかったので、とてもお忙しい中わざわざ来てくれました。 ところでみなさんは「スポーツマッサージ」と聞いて何を連想しますか? おそらく同業者(鍼灸マッサージ師)であれば、スポーツ外傷の治療、もしくはコンディショニングのためのマッサージと言うかと思

あけましておめでとうございます。

ブログ読者の皆様、あけましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いします、というか本来なら前回のブログで最後のブログ予定でしたが、12月1日に日本に本帰国し、その後いろいろと思ったことがあるので自分自身への忘備録的にブログでシェアすることにしました。まあ興味のある人だけお付き合いください。 今、日本の某所で活動していこうとマンション探しから始めているのですがこれが意外と苦戦していて、やはり海外で20年以上も働いていて日本で収入がなかった、今現在は無職という状況からなか

(多分)最後のブログになります。

ブログ読者の方々、これまでありがとうございました。2013年頃にグーグルブログで始めた「ファシア考察」ブログもアメブロ、FC2ブログを経てこのnote.comに移り全部で約10年、よくここまで続けられたものだと自分で感心しております(笑)。この度、21年半住んだイギリスを離れ日本に帰国することにしました。しかし日本に帰国してまだこの仕事を続けられるかは全くの不明で他の仕事につく可能性も無きにしも非ずなので、これでこのブログは一旦終了とさせていただきます。もしまだ鍼灸あマ指師と

痛みについて勉強しなおす(25)---股関節の治療について勉強してみた②---

で、ここからMehmet Gem氏の「Simplified the Hip」コース(リンク)の自分自身のためのノートのシェアになりますが、始める前にひとつ。 いつも勉強させてもらっている「Better Clinician Project」ででも、各項目(例えば膝痛、足首捻挫、非特異性腰痛)の説明の時、必ず →解剖学 →具体的な症状・サイン →prevalence(有病率、どんな人に起こりやすいか) →検査方法 →どんな治療法が勧められるか →具体的なリハ(エクササイズ)

痛みについて勉強しなおす(25)---股関節の治療について勉強してみた①---

いつも勉強させてもらっている「Better Clinician Project」で以前、股関節の回にゲスト出演されていたMehmet Gem氏の「Simplified the Hip」(股関節を簡略化する)コースを受講してみました。Mehmet Gem氏は自身を「the Hip physio」(股関節の理学療法士)と名乗り、SNSでも股関節のマネジメントについて頻繁にシェアしておられる人です。今年の11月にもう一度ライブ配信があるようなので、このブログを読んで興味が出た人がい

痛みについて勉強しなおす(21)---Prognosis(予後)を再認識する---

最近はこのブログの更新が滞りがちですが、あいも変わらず暇な時間を見つけてはBen CormacとAdam Meakinsの「Better clinician project」(リンク)を見て勉強したり、painscience.comの記事を読んだり、physio networkのブログやダイジェスト(リンク)を読んだりしています。 それらはすべてエビデンスベースの治療やアセスメントの情報なのですが、それらで勉強していくうちに、私はずっとPrognosis(予後)について見過

痛みについて勉強しなおす(20)---揉み返しについて考える(今後もっと更新予定)---

マッサージを受けた後によく(時々?)おこる「揉み返し」という現象。あれは一体何が原因で起こるのでしょうか? 私が鍼灸学生の頃、揉み返し=下手くそがマッサージすると起こる、と諸先輩方達から言われたし、7−8年ぐらい前まではずっとそう思っていました。 また揉み返しを「好転反応」と捉えるマッサージ系手技の流派もあるのを知っています。 まずはそもそも論として、揉み返しを私なりに定義すると 「マッサージ(のような手技)を受けた直後から翌日に起こる 体の痛みやだるさ)」 として

痛みについて勉強しなおす(18)---小ネタ集(5)---

あまり評判のよろしくない(アクセス数が伸びない)小ネタ集ですが(笑)、あともう少しで終わるので自分のためのノート的にででも最後までやりきります。今回はPFPSの続きで、もう一つ最後に腸脛靭帯炎も一緒にしようと思いましたが1万字を超えてしまったので、アイシングについて紹介します。 アイシングについては私も誤解をしてた部分があったのでちょっと反省しました。例えば 「炎症は体の必要な機能だ!アイシングで炎症を止めてしまうことは治癒過程を遅らせるからアイシングはやめておいたほうが

痛みについて勉強しなおす(0) ---患者さんも治療家も知っていなきゃいけない事!---

「痛みについて勉強しなおす」シリーズでは痛みがどのようにして起こるかということをいろいろな本や論文を元に書いてきました。 たしかにそれらは非常に重要な事柄であることは確かなのですが、それと共に、そしてそれ以前に、我々治療家が普段患者さんの前で指摘すべき事であるのに今まで私もあまり意識していなく、積極的にアドバイスしてこなかった事柄があります。それは本来ならば”当たり前すぎる事柄”であるはずなので、今回は「痛みについて勉強しなおす」シリーズのゼロ(0)として書いていきます。

痛みについて勉強しなおす(15)---小ネタ集(2)---

今回も引き続き、私が去年からずっと勉強させていただいているpainscience.comからのブログやe-bookからの小ネタ集です。私自身はこうやって一度読んだものをまとめて、後日もう一度目を通すと改めて「あ~、なるほど!」と思うのですが、一度も元の文章を読んだことのない人にはあまり響かないのでしょうか?前回も今回もすごい情報満載だと思うのですが・・・。 ところでこの記事を書いている最中に「徒手療法批判への検証」(最近言われ始めた世界の理学療法界での徒手療法批判への批判)

痛みについて勉強しなおす(14)---小ネタ集(1)---

もしかしたらこのブログの値段設定が高すぎて、まだ購入してはいないけど気にはなっている人がいるとしたら、ぶっちゃけますと(笑)、このブログを購入してくださった方々は全部で30人ちょっとです。しかもそのほとんどはこのnote.comに移行して有料化した直後の方々なので、おそらくそれまで無料で公開していた内容へのご祝儀的な投げ銭だったと思います。多分アクセス数、記事へのスキボタンの押され方から想像すると、現在の「アクティブな読者」(このブログを今でも熟読しているであろう読者)は3〜

最近は・・・

ブログ読者の方々、お久しぶりです。 ロンドンでは4月12日からマッサージ業などのいわゆる濃厚接触業の再開が認められ、私もありがたいことにバタバタしております。 これまでのブログでちらほら書いてきたように、「徒手療法家にとって臨床で重要なファシアに関する事柄」はこれまでに網羅してきたつもりなので、新たなブログネタは今の所ないです。どちらかというと、ここ2年くらいは臨床上「もっと大きな目」で見るようなブログの内容になっていて、未だに「ファシア!ファシア!」「筋膜がー!筋膜がー

SBMを勉強してみた Part 11(完) ー私が思ったこと、感じたことー

過去10回にわたって紹介した「SBM(science-based medicine)について」のレクチャーは、私がエビデンスベースで鍼灸マッサージ、骨格筋痛について考えるようになってからの多くの疑問に答えてくれました。そしてますます「エビデンスと科学に基づいたマッサージ」の普及(「マッサージを見直そうキャンペーン)」に励みたいとも思いました。とはいえ、あいも変わらず「◯◯が治る」といって鍼を打ったり、筋硬結を”緩めたり”、関節を矯正していると”主張している”人達を私は否定はし

SBMを勉強してみた Part 10 メディアと政治とSBM

SBMについてのレクチャーは今回の10回目で最後になります。今回はメディアと政治とインチキ医学(科学)の関わりについてです。科学と医学とは何か?というのは今までのレクチャーでわかったような気になりましたが、今回挙げられた具体例なんかを改めて聞くと(知ると)、いかに我々は普段からメディアや政治家にインチキ医学を刷り込まれてきたかがわかると思います。そしてメディア(の記者達)や政治家達が、いかに科学を知らないかもわかると思います。 内容自体はアメリカでの代替療法への規制強化を訴