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香川県さぬき市でのアスパラガスづくり

栽培している品種

【メリーワシントン】(2021年冬に植えつけ、2023年冬に株分け・植え替え)

…露地栽培に向くといわれる品種。

2023年12月7日

基本情報

ヨーロッパを中心に野生種が見られ、紀元前後には栽培されていたアスパラガス。日本での本格的な栽培は明治期に北海道で始まった。
姿からは見分けにくいが、雌雄異株で、雌株は茎が太く種をつける。雄株は茎が細いが多収穫できる。最近では全雄系品種も育成されている。
冷涼な気候で育ち、冬の低温で休眠した後、萌芽する。栄養を貯蔵する太い根があり、根が蓄えた養分を使って若茎が生長する。定植後2~3年は収穫せずに根を十分な養分を蓄えさせるのがポイント。その後は10年ほども収穫できる多年生の野菜。
新陳代謝と疲労回復を促すアスパラギン酸はアスパラガスから発見されたアミノ酸の一種。ビタミン類もバランスよく含む。ビタミンCの吸収を高めて毛細血管を強化するルチンなども注目される成分。
ゆでるだけでなく、天ぷらや炒め物、グリル焼きも美味。

栽培のポイント

・キジカクシ科クサスギカズラ属
・一度植えると10年くらい収穫できるが、有機や自然栽培では育てるのが難しい野菜のひとつ。
・植えつけ翌年の2年目までは株を生長させ、3年目の春から収穫をはじめる。

肥料について

無肥料だと栽培が難しい。有機栽培で育てるなら、元肥を入れて、春から秋まで月1回ほど追肥する。堆肥場の跡や横で育てると成功しやすい。

条間と株間

夏には茎を伸ばして繁茂。負けずに育つのはミニトマト

長年収穫するので株間は1m以上とる。茎葉が日を求めて高く繁茂するため、混植には負けずに育つミニトマトか、葉の下で柔らかく育つニラ、パセリ、ミツバ、秋植えでは春先に育つニンニクが向く。日陰を嫌うナスやトウモロコシは、隣の畝ではアスパラの日陰になり、日照不足で育たない。

種まき(4月上旬~下旬頃)

ポットで育苗して植えつける

ポットに育苗土に入れ、3~4粒ずつまき、暖かい場所で育苗する。

発芽までは15~20日かかる。ただし30℃以上の高温は好まず、発芽後の生育適温は15~20℃なので、高温になり過ぎないように注意。水やりは土の表面が乾いてからたっぷりと。アスパラガスは根のところどころにある膨らんだ部分に水を蓄えるため、乾燥への適応力が高い。

最終的に生育がよい1株を残して間引きする。元の茎が太いものがよい。

植えつけ・管理作業(茎葉が茂る前に支柱仕立て)

草丈10cmの頃、株間40cmで畑に植えつける。生長してきたら支柱を立て、ヒモなどを張って、株が倒れないように守る。

2~3年ものの購入根株の定植

種苗店には数年育てて根を掘り上げたアスパラ苗も売られている。ポット苗よりも高価だが早く収穫でき、翌年~翌々年から獲れる。多少高価でも根が太く多い大苗の方が太い茎をたくさん収穫できておすすめ。定植では燻炭などを混ぜた畑土を山型に盛った上に根株を置き、根の先は深く、頂部は浅くなるように覆土、鎮圧する。

定植後は株が草に埋まらないように、株の周囲の草を地際から刈って草マルチする。茎が伸びて葉が茂ってきたら、茎が倒れないように支柱を立ててひもで固定する。定植後2~3年目までは収穫せずに茂らせ、根に養分がしっかりたまるようにのびのび育てる。4年目以降も収穫後は同様に世話をする。

2022/05/03細くて写真が撮れないアスパラガス
2022/07/02草マルチ
2022/07/23たまに支柱に誘引する

毎年、茂った葉が晩秋に黄色く枯れ始めたら、枯れ上がる前に刈り、30cmほどの長さに刻み、その場に敷いて草マルチにする。同時に米ぬかや籾殻燻炭などを補うと、春先の生育に役立つうえ、病気の予防にもなる。
冬は畝の下で根が休眠している。食害するネズミの侵入を防ぐには、畝のところどころに支柱を立てておく。

2023年11月14日
2024年3月13日:植え替えから初めての芽
2024年3月29日:植え替えに成功した模様

収穫(3年目から収穫スタート)

2年目までは株を生長させるために収穫はせず、3年目から収穫開始。5~6月が収穫期。午前中に根元から切って収穫する。

収穫期間中は2週間に1度ほどのペースで周囲の草を地際から刈り敷いて草マルチに。茎を切らないように注意する。
草マルチしたら、その上に米ぬかを、株の周囲に一握りぐるりと敷いて補う。翌年の根を育てるとともに、病気予防にもなる。

2024年4月16日:収穫

追肥する場合

植えつけ後、秋まで月1回ほど追肥して株を生長させるとよい。2年目以降は、春から秋まで同様に追肥する。

病害虫対策

ジュウシホシクビナガハムシがつくので、見つけたら捕殺する。

2024年

2024年4月2日:20cmくらいで収穫していく
2024年5月2日:草刈り、草マルチ、米ぬかをふる
2024年5月7日
2024年5月15日:今シーズンの収穫終了。草刈り、草マルチをして米ぬかをまく

植えかえについて

10年ほど収穫したら、掘り起こして2~3つに株分けして植えかえると、また収穫できる。

株の植え替え(2023年11月。作付け計画変更のため)

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