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香川県さぬき市でのジャガイモづくり

栽培する品種

【シンシア】(2024年に種いもを1kg購入)

しっとりしていて煮崩れしにくい。肉じゃがやカレーなどに。

2024年2月14日

【キタアカリ】(2024年に種いもを1kg¥310×2袋購入)

ほくほく系で煮崩れしやすい。粉吹き芋や大学イモなどに。

2024年2月14日

2023年12月7日

成功のコツ

小さめの種イモを切り分けずに植えつける

アンデスの高山地帯、砂漠のような場所で生まれたジャガイモは本来、乾燥した弱酸性のやせ地を好む。品種改良の進んだ現代のジャガイモも、やせ地で育つ野生の力を引き出す栽培がコツ。
種イモはS玉を選び、日に当てて緑化させたのち芽の弱い頂部を除く。小さく切り分けずに大き目を植える。少肥で育てるジャガイモは、根を伸ばし葉を広げ始めるまで初期生育に種イモの養分を使うため、小さく分けるとうまく育たない。
種イモの養分に頼らず、施肥して畑の肥料への依存度を高めると、病虫害の発生につながる。肥料分は少なく、種イモの大きさは1個は60~80g、特にやせた畑では80~100gで植える。

2024年3月9日

種イモの大きさについて参考

植えつけ時期は、必ずサクラの花が咲いてから。ジャガイモは28℃以上で枯れるため、生育期間を稼いで収量を上げようと早植えする人も多いが、発芽後の遅霜で枯れるリスクは高い。被害の後にも再び発芽するが、生育は遅れてしまう。
種イモは浅植えして土寄せで土を盛ったほうが畝が乾燥し、イモの太りもよい。6月に蕾をつけたら土寄せを止め、草マルチで地温を下げる。

病気にかかったジャガイモの治療方法はない

一度ジャガイモで病気を出すと、連作障害も出やすくなり、ほかのナス科の野菜も病気にかかりやすくなる。病気や虫害を出さない工夫を重ねるのが大切。春に生ゴミ由来の未熟堆肥の使用は厳禁。
土のpHが高いと「そうか病」にかかりやすいので注意。毎年石灰をまいている畑では、土がpH以上でアルカリ化しているケースがある。ジャガイモは弱酸性のやせた土で最も育てやすく、肌がきれいになる。石灰は不要。

発芽後に霜注意報が出たら葉まで土寄せ

ジャガイモの発芽後、天気予報で霜注意報が出たり、翌朝に3℃以下の最低気温が予想されるなら、何もしないと芽が枯れる心配がある。しっかり土寄せしてすべての葉や茎が隠れるまで土をかけ、霜焼けを防ぐ。葉を埋めてしまっても大丈夫。株が生長して、すぐ地上に頭を出す。

栽培のポイント

・ナス科ナス属
・無施肥では芽かきの必要はないことが多い。
・除草をかねて中耕と土寄せをすると、イモがたくさんできる。

肥料について

無肥料でも育つ。有機栽培では、植えつけ時にイモとイモの間に腐葉土や堆肥をひとつかみ施すとよい。

種イモの準備(3月中旬)

Sサイズを日に当て太陽のパワーを蓄える

一般には、ウイルス感染のない専用の種イモを購入して植えつける。自然菜園で無肥料で元気に育てたジャガイモは翌年の種イモにもできる。60~80gのSサイズの種イモが最適。大きくても80~120gのMサイズまで。病気になっていないものを選ぶ。栄養たっぷりで育った大きいイモは自然菜園に不向き。中が空洞のものは避ける。よい種イモはサイズが小さめで、イモがよく締まり、芽が出ていない。店頭に出たら早めに買っておく。大きくぶよぶよして芽が出ているもの、黒変したり中が空洞のイモは避ける。

種イモは1週間ほど日光に当てて緑化を。植えつけ前に種イモを鍛えて病気に強くする。すでに発芽を始めた種イモは、日に当てると芽の生長が抑えられエネルギーをため込み、植えつけ後の生育も揃いやすい。まんべんなく日が当たるようによく晴れた日中に広げる。5℃以下で痛むので、夜は室内で段ボール保存か、毛布などをかけて保温する。

種イモの準備(植えつけの前日)

イモは地下茎の先端が肥大したもの。芽は地下茎の先端側、イモの頂部から多く出るが、頂部側の芽は弱い。植えつけ前に切り落とす。残した下側からは発芽が促進されて太い芽だけが出てくる。芽数は少なくなり、その後の芽かきはほとんど必要ない。少しへこんで芽がたくさん出ている頂部を切り捨てる。

Mサイズまでは頭を落とすだけで切り分けず、120g以上は縦半分に切る。1日ほど天日干しして、切り口を乾かす。病気を防ぎ、乾燥に強い種イモになる。乾かしたらすぐに植えつけること。

ポイント

秋植えする場合は休眠があけていないと芽が出にくい。秋は切らずに植えるが、つまようじなどでイモを傷つけると芽が出やすい。傷口が乾いたらすぐに植える。

2024年3月19日:①大きすぎるよ
②頂部(ストロン)を切り落とす
③半分にしよう
④60~80gになったらいい感じ
⑤こういう感じで
⑥切ったあと、乾かす

植えつけ(3月下旬~4月上旬、8月下旬~9月上旬)

植え溝は浅め、芽は下向きに

ソメイヨシノが咲いたら植えつけ。ネギの後なら土寄せと収穫で耕されてイモを植えやすい。植えつけ時に無肥料で畝の中央に深さ10~15cmほどの溝をつけ、一足30cmおきに1つずつ種イモを置く。浅めの植え溝で、その後こまめに土寄せすると草が抑えられ土が乾燥し、根腐れや病気になりにくい。土寄せした斜面に日が当たるので地温も上がり生育早まる。
芽は下向きに、頂部の切り口を上向きに植えつける。細長い形状のイモは横に寝かせる。こうすると育ったイモが地表に出にくく、少ない土寄せの量ですむ。強い芽しか出ないので、芽かきもほとんど必要ない。
種イモの切り口を充分乾燥させておけば、上向きの切り口に病原菌が入る心配はない。
植え溝に種イモを並べたら、上から土をかける。ジャガイモがしっかり隠れればよく、最初は溝が残っているくらいのほうが、後で土寄せしやすい。

2024年3月21日:①うちでは2条で植え付けます
②切った頂部(ストロン)を上に
③2024年は余った太ネギを間に植え付け
④軽く覆土して発芽を促す
⑤植え付けた太ネギの切った葉はウリ科作付け予定の畝にばらまく

植え付け後の様子から

芽が出てきたら土寄せをする。
2024年は、植え付けた直後に数日雨が降ったためか、60~80gの大きさにこだわりすぎて切り口が大きくなってしまったのが原因か、【シンシア】がほぼ芽が出なかった。

温度などに非常に敏感なサクラの開花を目安に植え付けるのは、よい目印になると思う。
が、あんまりカットしないように、植え付け後に雨が続くような予報であれば、日程をずらすことも大切かも。

2024年4月17日

土寄せ・草マルチ(草丈20cmの頃)

5月中は土寄せ、6月はマルチ

植えつけ後1か月ほどで芽が出てくる。芽を下向きに植えると、たいていは種イモ1つから3~4本の芽が育つ。この本数ならM玉が収穫でき、芽かきの必要はない。L玉を求めるなら1か所2本に芽かきを。5本以上出た場合はS玉になるが、求めるイモの大きさに合わせ、芽かきで調節する。

発芽後から週1度ほどのペースで、葉のすぐ下まで土がかぶるよう土寄せを繰り返す。ジャガイモは茎が土中で根に変化したもの。地表に出ると茎になってしまう。土寄せで根に戻るが、こまめな土寄せで茎にせず根を育てると、イモは順調に大きくなる。クワで寄せるだけでなく、手で株元まで山型に盛ると水はけもよくイモがすくすく育つ。

2024年

2024年4月20日
2024年4月25日:土寄せ
2024年5月4日:蕾を確認。これが土寄せ最後か
2024年5月10日:土が足りない
2024年5月11日:開花したので厚く草マルチをする

2022年

2022/04/12芽が出てくる
2022/04/28土寄せ①
2022/05/04土寄せ②
2022/05/08土寄せ③蕾がついた株もちらほら

6月に蕾がついたら根の生育が止まるので土寄せは終了。株元を草マルチで覆い始める。蕾がつくころから草マルチを重ねる。土中の温度が上がりにくくなり、高温に弱いイモの生育期間を怒熊で延ばせるため、イモがよく太り収量がアップする。梅雨時期の泥はねも防ぎ、高温多湿でジャガイモがかかりやすい疾病の予防にも効果がある。

2022/05/17草マルチ

病害虫対策

無施肥ではあまり出ないが、肥料が多いと通称テントウムシダマシ(ニジュウヤホシテントウ)が食害するので、見つけたら捕殺する。

収穫(6月中旬~7月中旬頃、12月上旬~下旬頃)

保存用は葉や茎が完全に枯れてから

2022/07/02収穫

葉の1/3が枯れ始めたら新ジャガをその日に食べる分だけ収穫する。新ジャガは傷みやすく保存に向かない。保存用は葉や茎が完全に枯れてから収穫する。傷んだイモや未熟なイモは土の中で分解され、保存に向く完熟イモだけが残っているから。晴れ間が3日続いた日に、傷つけないように手掘りするのもコツ。
収穫時期は品種によって異なる。草マルチをすると枯れる時期は遅くなり、比較的早生のキタアカリの場合、関東で保存用を掘るのは7月上~中旬以降。葉が完全に枯れるころには傷んだイモが分解し、この部分が陥没する。その下を掘って収穫する。

保存について

掘ったら30分だけ畑に置いて天日干し。それ以上長く日に当てると緑変する。保存は段ボールなどに入れて冷暗所に。発芽までの休眠期間が長い品種なら冬まで置ける。凍(し)みないように越冬させると、糖化が進み、甘味が出ておいしくなる。傷んだイモが土中で分解してから収穫すれば、段ボールに入れて保存しても痛む心配がない。一緒にリンゴを数個入れると発芽が抑えられる。

種イモは、形や肌がよく、病害虫の被害を受けていないものを選ぶ。

過去に栽培していた品種

【レッドムーン】(2023年7月、自家採種3回目)

しっとり系でオールマイティな品種。
晩生であることと、機械で掘りにくいらしいので、あまり出回らない。
でもおいしい。

これまで春夏、秋冬と連続して栽培していました。
2023年度は、春夏にだけ植え付けて、収穫したイモの残りを保存していましたが、しわしわのブヨブヨになってしまったことと、そうか病(表面にクレーターのようなものができる)にかかってしまったので、いったんすべて廃棄することにしました。

2022/07/02収穫
2024年3月9日

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