香川県さぬき市でのトマトづくり
栽培する品種
【ブラックチェリーミニトマト】(2024年にメルカリで種を購入)
1度目の種まきではまったく発芽せず失敗。
メルカリで別の方(愛媛県)から種を購入。
【アロイトマト】(2024年3月、野口種苗で購入、無肥料栽培種子)
…畝の雨よけが強風で吹っ飛んでしまったため、雨よけなし畝で、うまくいかなくてもいいから挑戦してみようと、比較的露地栽培向きだというアロイトマトを育ててみる。
トマトの特徴
育苗期間
45~55日
温度
発芽温度10~35℃の範囲内/最適温度は15~25℃。夜間10~12℃。日中20~25℃の変温、低温でゆっくり発芽させると徒長せずにがっちり育つ。
生育温度は昼24~25℃、夜16~20℃。5℃以下にしない。果菜類の中でももっとも寒さに強い。
成功のコツ
混植で水分と養分を調整し、若苗を植えて育てる
ミニトマトは雨の少ない高山地域の生まれ。高温多湿の日本では雨よけの下で栽培する人が多い。だが、自然菜園では雨よけはせず(のんびりガーデンでは2024年から雨よけを設置)、混植や草マルチの力を借りて育てる。
窒素肥料が多いと樹ばかり茂って実がつきにくい”樹ぼけ”になるうえ、病害虫にも遭いやすい。前作が普通にできた畑なら畝に堆肥などは入れない。初めて野菜を育てるやせた畑のときは、テコ入れをして準備する。
苗はできれば本葉5~6枚で双葉が残り、つぼみが付くか付かないかの時期に、根が白く若々しいものがよい。若苗を植えて根をしっかり張らせるのが一番のポイント。
混植のタイミングも大切。ミニトマトの植えつけと同時にラッカセイを種まきし、ニラを株元に植える。バジルやイタリアンパセリは1週間後に畝を植えつける。
水分は控えめに
ミニトマトは乾燥地域に適応しているため、朝露夜露を葉や茎の産毛から吸収する。高温多湿は徒長や病気の原因になるため、水やりの際はなるべく葉に水がつかないように気をつける(かかった場合は手で払う)。また、鉢上げ後は土の水分を夕方に40~50%になるよう絞る。こうやってやや乾き気味に管理すると、産毛が発達し、太くて節間の詰まった丈夫な苗に育つ。
栽培のポイント
・ナス科トマト属
・無農薬で育てるのが難しい野菜のひとつ。品種選びと丈夫な苗づくりが成功のコツ。
・仕立てはいろいろな方法がある。
肥料について
元肥は入れない。追肥をする場合は一番果の生育以降に。
種まき(3月中旬頃)
温室で冷床栽培するため3月中旬ごろに種まきをする。128穴のセルトレイに、1穴2粒ずつまく。本葉が出た後、双葉が大きく軸が太い芽を選んで1本に間引く。
水やり(発芽~鉢上げまで)
朝、まず水差しで四隅の乾き気味のセルトレイに少し水を足して水分を平均化してから、水分の80%(十分土が湿っているが、下からポタポタ落ちない程度)になるまでジョウロのシャワーで水やりし、葉の水を手で払う。
鉢上げ(本葉が2枚出た頃)
本葉1~2枚で(2枚目が出始めた頃)3.5号(10.5cm)ポリポットに鉢上げ。ミニトマトは茎からも不定根が出るので、寝かせ植えにして土に埋まった茎から不定根を出させ、根を増やす。野生のトマトは実をつけると茎が垂れて地上部につき、そこから不定根を出して地を這うように生育するので、その応用で、ミニトマトの野生を引き出す。
鉢上げ後1~2日は根の成長を促進させるため、温室内の遮光スペースに入れておく。
2024年
2022年
水やり(鉢上げ~定植まで)
基本的には、シャワーではなく水差しを使って一つひとつ土に手かん水し、葉に極力水をかけないようにする。
毎朝、水分80%になるまで土に水やりをする。夕方確認したときに土の水分が40~50%になっているのが目安。水分40~50%の目安は、表面の土が乾いていて、明日水やりしないとしおれそうなくらい。昼間にこれくらい乾燥していしまったときは、追加で少し水やりする。トマトは産毛から夜間の湿気を吸うので、夕方にこれくらい乾いてもそれほど心配いらない。朝、葉に朝露がある場合は水のやりすぎ。
週に1~2回程度、夕方にストチュウ水をジョウロのハス口を上向きにして、葉面散布程度に軽く上からかける。夕立ちの代わりとして、葉に水が当たる経験をさせておくため。葉の上の微生物バランスを調節して病気を予防する目的もある。日中に葉の温度が上がったときのクールダウンの効果もある。葉面散布後は、土の水分量は50%程度になっているのが理想。
鉢ずらし
本葉2~3枚目で1回目、本葉3~4枚目で2回目、本葉5枚目で3回目と、葉と葉が触れ合わないようにこまめに鉢ずらしをする。遅れると日照不足、過湿による徒長の原因になる。
植えつけ(5月上旬頃)
霜が降りる心配がなくなり、十分に地温が温まったころ(藤の花が咲いたころ=香川では4月下旬ごろ)が定植適期。野性味が強く花芽が付きやすく寒さに強い順にミニ→中玉→大玉と定植する。
双葉の付いた本葉5~6枚の若苗で定植するのが理想。小さな蕾がやっと着き始めたくらい。
ポットを外した時の根鉢はあっさりした根の張り具合。ホームセンター等では売っていないので、自分で育苗したからこそできる。若苗定植だと、定植後の活着がよく素直に生長し、畑の環境への適応もよいのがメリット。徒長苗の場合、鉢上げも定植も寝かせ植えにする。
トマトは乾燥と高温を好むので、やや浅植えにする。
①植えつけ前に支柱を立てておく。
傷を痛めないだけでなく、ネズミやモグラの障害物になり、不耕起栽培で多いかれらによる食害を減らせる。
②若苗を選ぶ。
③定植当日、2~3時間、ストチュウ水を底面給水させる。
ポイント
まだ土が冷たい時期なので、深植えすると根の生育が悪くなるため、浅植えが基本。ポットの表土1/3が地上に出るくらいがよい。
2024年
2022年
土寄せ
定植から1週間程度たった後で、双葉が土で覆われるくらい土寄せする。
土に埋まった部分からも不定根が出て、乾燥・長雨どちらにも強い株になる。
不定根を出すのに栄養を使うので、肥料過多でつるぼけ気味の場合は樹勢を落ち着かせる効果、やせ気味の土で樹勢が弱い場合には、樹勢を上げる効果もあるため、どちらの場合もバランスのとれた樹勢になる。
2024年
2022年
草マルチ
葉の先端の下を結ぶ円から外側15cmのドーナツ帯は、トマトの新しい根が生長するエリア。わき芽欠きや収穫と同時にこのエリアの草を刈り、草マルチにすると、トマトの根は一気に勢いを増して伸びていく。追肥の米ぬかもこのエリアに。草を刈り敷き、その上から敷く。
わき芽摘み・整枝(5月中旬頃から)
株が根付いて生長すると出てくるわき芽は、最初は摘まずに伸ばす。わき芽と同時に根が伸びるのがその理由。花が咲いたら晴れた日を選び、わき芽を一気に整理して仕立てると、エネルギーが花に集まって実がつく。
枝数が多いほど根もたくさん出て株は強くなるが、野生に近いミニトマトを除いて、枝が多すぎると実つきが悪くなる。バランスがいいのは2本仕立て。品種改良が進んだ大玉トマトは1本仕立てが良い。
わき芽とは
葉と茎の間から伸びるわき芽。トマトは下から上へと順番に花房をつけ、1つの花房の下に3本のわき芽を出す。わき芽を伸ばすと根も伸びて株の勢いが増すが、実がつきにくくなる。わき芽を上手に摘めば、株の勢いと実つきとのバランスを保てる。
2024年
2022年
仕立て方
トマトもミニトマトも2本仕立てにする。
2022年
花の下のわき芽は1葉残し
花房の下につく3本のわき芽のうち、下側の2本はつけ根から摘むが、花房のすぐ下の葉のつけ根から出てくる強いわき芽は、最初の1葉だけを残してその先を切り取る。こうすると養分が多すぎても暴れにくく、少ないと光合成で補ってくれる。
追肥する場合
トマトは肥料が多いとわき芽がふえて株が生長しすぎるため、わき芽つみの作業が多くなる。追肥する場合は、一番果がピンポン玉大に肥大した頃に1回目。以降、生育を見ながら2週間ごとに追肥を検討する。
摘芯
茎が支柱の先端まで届いたら、花房の上に1葉残し、その先を摘んで摘芯。その後はわき芽を伸ばして、そこから出る実を収穫する。
誘引
株の生長に合わせて、茎を麻ひもなどで支柱に8の字にかけて誘引する。誘引しないと茎が伸びたとき折れてしまう。花房の上側にひもをかけたほうが作業中に花や実を痛めにくい。
トマトの形をよくする花がらつみテクニック
果実の下についている花がら。果実の下についている花がら。気温が高いと自然にとれるが、残っているときはつまんでとる。こうしておくと底の形がきれいになる。
収穫(7月上旬~8月中旬頃)
実をとると株が元気になる
青いうちに収穫して追熟させるより、樹につけたまま赤くしたほうがおいしい。ただしとり遅れると樹が弱る。実をとると根が伸びて株が生長する。樹が暴れるなら遅めに収穫、株が弱ったら実を落とすと回復する。
雨降り後は実が水っぽく味を落とすうえ、実割れも起きやすい。雨の前日にはまだ完熟していない実もとり、追熟させて食べる。また、朝よりも乾燥の進んだ夕方とりのほうがトマトの味が濃い。
根を伸ばすには株の周囲の草を地際から刈り、草マルチする。草マルチは雨の跳ね返りによる病気を防ぎ、土中の湿度や温度の変化を和らげ、高温障害を減らす。
病害虫対策
トマトが茎ごとかれてしまう萎ちょう病。かかった株は見つけしだい片づけて捨てる。連作障害が出やすいといわれている。ナス科はテントウムシダマシがつきやすいので見つけたら捕殺する。
種とり(畑で完熟させる)
トマトは自家受粉。完熟収穫で種とりが簡単。収穫後、常温で3~5日置いて追熟させる。ヘタの部分をカットして皮をむく。種を覆うゼリーごと取り出す。トマトや種を水で濡らさないこと。濡れると発芽してしまうことがある。プラスチック容器などに入れてフタをし、3日間常温に置いて発酵させる。3日後、ザルに種をあげ、水でよく洗う。水に浮く種は捨てて、充実して沈んだ種だけ残す。ザルなどに広げて乾燥させて保存する。
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