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ひな祭り

今日3月3日は雛祭り。
旧暦だと4月上旬で桃の開花の時期だが
明治以降は新暦で祝う地域が多く
桃は咲いていない。

雛祭りはもともと上巳の節句といって
中国では漢代から行われていた。
『後漢書』には

 官民皆な束流の水の上に潔し、
 洗濯祓除と曰う。
 宿き垢痰を去りて大潔を為すなり

と書いてあり(原文はもちろん漢文)、
水で禊をし、洗濯して厄祓いする習俗、
つまりは冬の間汚れた身体と衣類を洗う
衣替えの行事だった。

ちなみに端午の節句も元々は
体を洗う習俗だったと考えられている。
(菖蒲湯はそれに由来する)

冬の間の汚れを禊をして落とし
衣類を洗濯したり、
夏が本格化する前に
(菖蒲湯で)身体を洗うことで
皮膚病や伝染病を予防する意図が
あったと考えられている。

さて中国国内の少数民族、
ミャオ族、トゥチャ族、
リー族、チワン族は
旧暦の3月3日に盛大な活動を行う。

チワン族にとってこの日は
墓参りを兼ねたピクニックの日だ。
(ちなみに15日まで続く)

各家で五色の糯米飯を作り、
鶏肉などの料理とともに墓地へ持参する。
(私はこのm五色の糯米飯を
菱餅の原型ではないか?と考えている。)

墓前に料理を並べて焼香し、
雑草を刈り紙幡を挿す。
墓に向かって三回礼拝した後、
供物を下げて皆でその場で食べる。
各家では門の上方の横木と
家屋の周囲に楓の枝を挿す。
青年男女は対歌(歌垣)を行う。

歌垣(うたがき)とは、
特定の日時に若い男女が集まり、
相互に求愛の求愛を掛け合う
呪的信仰に立つ習俗だ。

現代では主に中国南部から
ベトナムを経て、インドシナ半島の
山岳地帯に分布している他、
フィリピンやインドネシアでも
類似の風習が見られる。
古代日本でも『万葉集』などから、
歌垣が存在感していたことが
うかがい知ることができる。

子供の遊び花一匁(はないちもんめ)は
歌詞の内容は人買いとの交渉の歌、
つまり人身売買の歌と見られているが
元々は歌垣だったのではないかと思う。
似たような歌垣の習俗が
東南アジアにもあるからだ。

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