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私が好きな柚月麻子作品3選

柚月麻子さんは、私が好きな女性作家さんです。と言っても読めていない作品がまだまだありますが…。本屋さんに行くとたくさん作品が並んでますよね!

私が柚月さんの作品で好きなポイントは「女子同士のいろいろが詰まっているところ」「作中に出てくる食べ物がとにかくおいしそうなところ」の二点です。この二点についてちょっと喋ったあと、特に思い入れのある作品を3つ、紹介します。

女子あるある、がすごい

まず一点目「女子同士のいろいろが詰まっているところ」ですが、柚月さんご本人も女子校育ちというのもあってか「女同士」の悪いところも良いところも上手に書かれていて、同じく女子校育ちの私はどの作品にもいちいち共感しながら読んでしまいます。もちろん女子校出身でない女性も、というかどんな女性でも、グッとくる箇所がどこかしらにあると私は信じています。

「女同士って怖いよね」「女同士ってドロドロしてるんでしょ〜」とか言われがちですが、柚月さんはそういう面もしっかり書きつつ、女同士だからこその楽しさや、女同士でないと味わえないような素敵な面というのも書いています。

思わずお腹がすいてくる

次に二点目の「作中に出てくる食べ物がとにかくおいしそうなところ」。柚月さんの作品にはおいしそうな食べ物がたくさん出てきます。私は食べることが大好きな食いしん坊なので、読んでいるだけで涎が出そうになります。

例えばですが白いご飯が出てきたとして、私の乏しい文章力では「白飯が出てきた。」になってしまうところを、柚月さんの場合は炊きたてのホカホカ具合とか、お米のツヤツヤ具合とか、ご飯が出てきた背景とかも含めてとても丁寧に描くのです。文章を読むと、視覚を通して五感にまで訴えてくるような感じです。作品に影響されて、作中の料理を作ったり食べたりすることもよくあります。

以下、私が特に思い入れのある柚月作品を紹介していきます。

おすすめ①ナイルパーチの女子会

現在ドラマが放映中の原作です。(ドラマは未視聴ですが…)私が初めて読んだ柚月作品です。きっかけは昔の職場で、女性の先輩がお昼休みにこの作品を読んでいたことでした。フワフワした雰囲気の可愛らしい先輩が「女の子が女の子にストーカーしちゃうんだよ〜!」と紹介してくれたのが気になって、後日本屋さんに駆け込み購入しました。

「ナイルパーチ」とは主にアフリカに生息する淡水魚で、食用や観賞用として人気が高い一方、外来種としてもともとの生態系を破壊するという凶暴な一面も持つ魚。この作品でも登場し、作品全体に大きく関わる存在です。

個人的に、柚月作品の中ではかなりダークな方だと思います。真梨幸子さんとか湊かなえさんのようなテイストも入ってる気がします。エグい展開や精神的に読むのが結構キツイ描写もあるのですが、ストーリーにグイグイ惹き込まれ、あっという間に読み終えてしまいました。女性のドス黒い部分や醜い部分が容赦なく描かれていますが、読み終えたあとは不思議とスッキリした気分になりました。

おすすめ②ランチのアッコちゃん

アッコちゃんシリーズ。ひとつひとつのエピソードが短めだし、『ナイルパーチの女子会』と比べると明るめでライトな作品なので、初めて柚月作品を読むという方には『あまからカルテット』かコチラをオススメしたいです。

「アッコちゃん」から私が連想したのは『ひみつのアッコちゃん』のような可愛らしい女の子だったので、読んでみて「そっちかーい!」と、いい意味で予想を裏切られました。

それぞれのエピソードで、毎回おいしそうな食べ物が出てきます。食べ物を通して、それからアッコさんとのやりとりを通して、なんだか元気になれるような、少し温かい気持ちになれる作品です。

おすすめ③本屋さんのダイアナ

女の子同士の素敵な友情物語です。こちらは長編小説ですが読みやすく、読み終えたくないくらいでした。それぞれ境遇の異なる女の子同士が出会って、友情を育み、そして成長していく過程が描かれているのですが、苦しさや葛藤やすれ違いなどといった、キラキラした綺麗事だけではないリアルな部分も本当に丁寧に描かれています。私は大人になってから読みましたが、中学生くらいにこの作品に出会っていたかったなあ…なんて思いました。

読み終えたあとは心がじんわり温かくなります。そして、今いる私の数少ない友達を大切にしよう…と思いました。女子同士って尊い!女子、サイコー!わーい!!と思わず言いたくなるような作品です。