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ある元銀行員の話④ よかったこと

こんにちは。noteを始めてから、気付けば記事数が30本を超えていました。スキやコメントをいただける回数もだんだん増えてきて、右上の通知マークに赤い数字が付くたび嬉しくてニヤニヤしてしまいます。調子こいて、リアルの友人とのみ繋がっているSNSにもnoteのリンクを貼ってみたところ、意外に読んでくれている人がいることも最近分かりました。noteではかなりカッコつけて書いているので、実物のポンコツ具合とのギャップも生温かい目でご覧いただけたら嬉しく思います(?)

ご好評の(嘘です)銀行シリーズ、前回は「銀行にいて大変だったこと」について書きました。

今回は反対に、「銀行にいてよかったこと」を書いていきます。ただ、ここで挙げたものはデメリットと表裏一体とも言えます。あくまで私の主観であることを念頭にお読みいただけたら幸いです。

よかったこと①社内ネットワークを築きやすい

銀行は基本的に人事異動が多いところです。個人顧客がメインの支店の場合、特定のお客さんとの癒着を防ぐ目的だと言われています。大なり小なりほぼ毎月、何かしらの異動があります。したがって異動のたびに歓迎会や送別会も頻繁に開催されるので、幹事は結構大変です。

異動のスパンは人によりけりですが、私が見てきた中では最速で1年以内。長いと、5年以上同じ支店にいる人もいました。10年以上異動がない、という人は聞いたことがありません(本部などの場合は例外があると思います)

人の入れ替わりが比較的多いので、極端な話ですが馬が合わない人がいても、長くて数年我慢すればお別れできます。ということは逆に、仲の良い人とも数年で別れることにもなるのですが…。

だけど、同じ支店で良好な関係を築けた人とは、異動後もお世話になったりする場合があります。例えば自分が支店から本社の広報部へ異動になったとして、ある時に営業店の情報が必要になった時に、以前の支店の同僚や上司がいれば聞きやすいので、仕事が比較的スムーズに進みます。私は、市場決済とか遺言系とか、専門的な部署へ異動した元同僚や同期入社の子によく電話して色々教えてもらってました。

よかったこと②女性が多いので…

支店の窓口や事務の担当者は女性がメインです。なので、「女性だから」という理由で仕事をもらえないという事はありませんでした。もちろん、今の時代はそれが当然なのですが…。

中学高校と過ごした女子校時代と少し似た雰囲気を感じました。女性が多いということは当然、女性が中心になって仕事を回さないといけない。媚びたり甘えたり、というのは基本的に通用しないです。私のいた職場でキャリアの長い女性は、体力的にも精神的にも、非常にタフな方が多かったです。

もちろん、ひとくちに女性と言ってもさまざまなタイプの方がいます。とんでもなく気が強い方や、言い方が悪いですが「お局」タイプの方にも出会いました。女性同士、色々気を遣わなければならない場面もありました。

ただ私が出会った中では、比較的ドライな女性が多かったように思います。みんながみんなそうではなくとも、仕事のできる女性は大体サッパリしたタイプの方でした。自分の仕事はキッチリこなしつつ、周りや支店全体にとって良いと思えば、上司にも臆せず意見する。後輩の部下のこともしっかり見ていて、間違っていれば厳しく叱る。私もさんざん失敗して、何度叱られたことか分かりません。

しかしその分、ちゃんと出来た時には評価してくれました。私は入社3年目にして毎日のように叱られ、辞めたい辞めたいと泣きながら働いていました。それでも辞めなかったのは、先輩が私の仕事ぶりを本当によく見てくれていたからだと思います。

といってもたかだか2店舗、計7年半のみ在籍した私の経験上ですが…。たまたま運が良かった、というのもあると思います。

よかったこと③休暇制度、福利厚生がしっかりしている

これは「銀行だから」というより、企業の規模的な話かもしれませんが…全国に支店があって従業員もそれだけ多かったので、制度面は整っていました。これも今は当然ですが、女性が多いこともあり産休や育休は取って当たり前という雰囲気が出来上がっていて、みなさんしっかり取得されてました。職場によっては妊娠の順番とかタイミングとか暗黙のルールが存在する…なんて話も聞きますが、私のところではそういう話を聞いたことがありません。

連続休暇も、私のいた支店では繁忙期を避けつつ調整し合って、全員取ってました。今はコロナで難しいですが、南米とか行くんでなければ海外も余裕で行けます。

中小企業に転職して初めて、大企業の待遇の良さに気付きました。制度はあっても、活用されていなかったり。なんとなく「有休は悪」みたいな空気があったり、女性特有の妊娠出産等に理解の薄い上司もいました。

退職後の今、思うこと

以上、「よかったこと」3つでした。前回の「大変だったこと」に比べると若干内容が薄いような気がして、少々焦っております。個人的によかったことは他にもあるのですが、どうも細かい話がダラダラ続いてしまいそうで…。別記事で改めて書くか、どうにかしようと思います。

銀行は、支店の場合は特に「向き不向き」が人によって分かれると思います。同期入社の子達は外見にも恵まれ、コミュニケーション力の高い子ばかりでした。私は暗かったのでそんな空気に馴染めず、同期の集まりの中では内定者時代から結構浮いていたと思います。そんなワケなのでもちろん、入社後も苦労しました。精神を病んでる人も少なくなかったです。

ひと昔前では安定の就職先と言われていた銀行ですが、最近ではネガティブな意見の方が多いですよね。「銀行 やめとけ」で検索すると、たくさんの経験談が読めます。

もちろん、大変なことだけではありません。素晴らしい先輩にも出会いましたし、何事にも代え難い経験もできたと思います。入社後の配属先や、そこでの人間関係によっても大きく変わってきます。そうなると「運」要素が強くなってきますけど、もし今、銀行を就職先として考えている方がいたら、入る前に出来得る限りの情報を収集しておいた方がいいと思います。ある程度覚悟を決めたうえで入るのと、あまり分からないまま入るのとでは、入ってからの心持ちが変わってくると思うので…。

私のいた頃と今では、色々事情が変わってきていると思います。以前も少し触れましたが、今は事務がどんどん自動化して人の手が要らなくなってきているので、銀行事務だけをやる人は減っていくのだろうと思います。

また、「働き方改革」が声高に叫ばれているのに加え、ネット上でこれだけ銀行のマイナスイメージが浸透しているとなると、人事としても今まで通りの採用方針や企業全体の風土を変えざるを得ないのでは、と思います。そういった変化にも、私自身も注目していきたいです。