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「できない」「間に合わない」を上司に報告した方が良い理由

仕事で、小さなチームを持つようになってからかなり時間が経った。曲がりなりにも管理職として至らない日々を過ごしているが、先日評価フィードバックで(いろいろ至らない部分を指摘されつつも)「チームの心理的安全性は高いと思います」というお褒めの言葉をいただいた。

確かに、僕のチームには他チームのチームでうまくいかなかったり、研修でちょっと成績が良くなかったりした人が回ってくることがある。そういう人も含めて僕はチームメンバーとの最初の面談で2つのことを伝えるようにしている。

1つ目はスケジューリングについて。僕の会社では基本的にメンバー自身が自分のスケジューリングをしている。その方法について、こういうことを意識するといいよ、ということを伝えている(こちらの方法については別の機会にでも)。

2つ目に「リスクについては分かったタイミングで言った方があなたが得をするよ」ということについて。最近は改善されたが1つ目のスケジューリングが個人に依存していたので「遅延やミスはスケジュールを立てたメンバーの責任」というような風潮や、締め切りに間に合わない場合に助けてもらえるわけではなく「どうにかして自分で頑張れ(遅れたら許さない)」という文化があった。とんだブラック企業だ。

管理職にいる人たちはみんなその辺をうまくやってこれた人たちだから、できない人たちに対して「なぜできないのか」「どうやるのかを考えるのも仕事」という突き放し方をする人も多かったように思う。

そんな中では、うまく進まない時や遅れがあります、という報告はどうしてもしづらくなる。そもそも自分の至らなさを報告することは気が滅入るし、やったところで助け舟を出してくれるわけでもないし、締め切りに間に合わないことを叱責されるからだ。

だったら締め切りの直前になってできてませんという報告になって、1回怒られた方がまだいいか…という結論になってしまうのだ。なので、僕はまずメンバーに「早め早めの報告をした方がいかにお得か」ということを説明することにしている。

まず第1に、リスクを事前に報告することで責任の半分を上司に押し付けることができる。締め切り日まで黙っていれば上司はそのリスクに気づけない(可能性が高い)ので、どうすることもできず遅延の責任はメンバーのものになってしまう。

でも、もし1週間前に遅れそうだ、ということを伝えられていればどうだろうか。その時点で上司にも「遅れる可能性がある」という事実が伝わっていたにもかかわらず何も対策を講じなかったら上司にも責任はないだろうか。

第2にその報告を僕がもらったら、リスケするなり、他の人に手伝ってもらうなり、メンバーのタスクを減らしたり、方法を一緒に考えたりすることができる。そして僕だって自分のチーム内で解決できなさそうだったら上司にリスクを報告して、僕の責任もまたその半分を上司に押し付けることができる。

この2つを伝えた上で、実際に「遅れます」という報告を受けたときに、ちゃんとメンバーのフォローをして「この人に報告しても怒られない」「この人に報告したらちゃんと助けてくれる」という体験を得てもらうようにしている。

上司(少なくとも僕)は、メンバーに仕事を終わらせてほしいのではなく、仕事を管理してほしいと思っている。管理すると言うことは、自分で進捗がわかっていて、遅れそうなときに自分から報告できるということで、僕から「あれはどうなっているの?」「こっちはできている?」と聞かなくてもいいことで、あなたも早く僕から何も聞かれないようになってね、と説明する。

もちろん企業ごとの風土や文化、上司の性格もあるので一概にこう、とは言えないが、自分ができていないことを報告しづらい、相談できない、という方は参考にしてもらいたい。

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