見出し画像

10年2月28日 東京マラソン

 18回目のフルは2年振り2度目の東京マラソン(第4回)!46歳。雨のレースとなり残念。疲労も残っていてSUB4ならず。SUB4生涯勝敗は5勝13敗となる。なお、東京マラソンには第1回からすべて申し込んでいるが、この第4回まで抽選は2勝2敗。その後11連敗である(21年4月現在)。

 10km手前、皇居沿いのコースで、10kmレースとコースが左右に分けられる。その頃から感じたのが両足大腿裏の張り。これは明らかに前週・青梅マラソン(30km)の疲労が抜けていないことを表している。今週平日は一度も走れなかった。故に、普段ランニング前後に行うストレッチも行っていない。電子治療器も当ててない・・・「この1週間もっと体をほぐすべきだった」との反省が頭をよぎる。この時点ではどうしようもないが・・・また「2週連続でアップダウンの青梅とフルは厳しかったか」「1週間で疲労が抜けないなんて老化か」と情けない思考が続く。

 10km通過がネットで56分ちょい。冷たい雨で体が冷えているにせよ、確かにタイムも伸びていない。体感では@5’15位のペースなのだが実際は5’30を超えている。最近ではこんなに体感と実態が相違することはないのだが・・・。大腿の張りにより「さらにペースを落とすか?」と思いながらも、友人への今朝のメールを思い出す。「品川駅折返し(15.4km)地点を10:32~40で通過する」と送信した。その友人は2年前には沿道に立ち声援を送ってくれていたのに、私が気がつかなかった。今日は雨だから沿道に立っているかはわからないが、一応通過予定時間をそう伝えてしまった。タイムの根拠は、9:10スタート、スタート地点通過ロスタイムを3’00見て、15.4kmをkm5’08~39のペースで行くということ。そのメールの約束を守るためには、これ以上ペースは落とせない。正直しんどかったがそのまま押す。
 日比谷公園で10kmレースのゴールを脇に見て品川へ進む。しばらくして対向車線をトップランナーが集団でやってくる。「ガンバレ佐藤!」と怒鳴ってやったが、佐藤(中国電力)がその中に居たかは見えなかった。要は適当に声を出しただけ。一方で裸眼の視力が落ちてきたことを感じ「これも老化か?」と哀しい思いをした。
 ま、そんなことにはめげずに、だいたいkm5’30ペースで進む。増上寺の前を通り、東京タワーを横目に進む。15km通過がグロス1:26’53、すなわち10:37ちょい前。折返しまで400mだから3分はかからない。ぎりぎり約束した時間内には通過できそうだ。そこから折返して50m位までは沿道の応援を凝視しながら進んだが、残念ながら友人の姿も声も確認できなかった。後から聞いたら、友人は「指定の時間に沿道まで行ったけど、雨で傘も多く、前列に出られなかった」とのこと。真偽のほどはわからんが、まぁ、しょうがない。

 一応義理は果たしたので、安心してペースを落とす。雨は冷たく降り続く。ここから11’34(/2)、11’35(/2)、5’48とイーブンで進む。20km手前で4時間ペースメーカー(PM)に抜かれた。20kmまでの5kmは28’57。最近のレースペースとしては極めて低調。SUB4のためには終始@5’40、5kmを28’20ペースでクリアする必要があるわけで「早くもこんなところで4hPMに抜かれるのか!」=「SUB4をあきらめなきゃならんのか!」って感じ。でも体は正直でPMには全然付いていけないし、脚も重い。「どこからか歩くことになるだろう」「でもあまり早く歩き出すと飛行機に間に合わないか?」とかマイナス思考だけが頭を占拠する。20kmを通過して、栄養補助剤ザバスピットを補給。銀座に突入。雨なのにすごい応援だ。
 日本橋、茅場町を過ぎてしばらく進み「浅草はまだかな?」などと思っていたら、浅草橋のJRガードが見えた。「そうだよな、浅草に行くならここは通らなきゃな。浅草なんてまだまだ先だ」とちょっとへこむ。なまじ土地勘があるのも低調なときには困る。雨と応援は絶え間なく続く。
 25kmまでもほぼ5’50ペースでこの5kmは29’15。27km過ぎ、ようやく浅草に到着。相変わらずすごい声援。雷門の交差点では大回りして歓声を楽しんだ。28km地点通過、初めてLAPが6’00を超えた。@6’00を越えてからの1km1kmは長いんだよな~。救いは雨が小降りになってきたこと。
 30km通過が2:55’28、この5kmに30’23かかっていた。だからというわけではないが、ザバスピットを再度摂取。
 このあたりで、レインコートの肘に水が溜まっていることに気が付く。汗も含んでいるだろうが、肘がチャプチャプするのは初めての体験だ。うっとおしいので脱ごうとして前ボタンを全開にしたら「寒っ!」。あわててボタンをはめ直した。手がかじかんでいるからはめ直すだけでも大儀なのに・・・結局、脚にまとわりつくようになった裾だけを持ち上げ、左右を結ぶ。前半は裾がまとわりつく様な不快感はなかったのだが、3時間以上も経つと防水効果も薄れてきたということだろうか。
 日本橋、銀座を抜けて、歌舞伎座をしっかり見物。建て替えのため今年が見納めという伝統のある建物。
 それを過ぎたら35km地点。@6’30を超えるペースとなっている。粘ってはいるもののこの5kmを33’19。2年前はここから「あと7kmか!上げよう!」とペースアップしたんだよな。今は昔。このあたりでようやく雨がやんでくれた。
 36km手前の佃大橋。このレース最大の難所と言われているが、2年前は軽くクリアした覚えがある。ゆっくりと突っ込む。確かに今日初めての上りらしい上り。でもあっという間である。ほんの100mちょい。この程度なら他のレースならいくらでもある。今日は風もないし、脚は伸びてないけど伸びてないなりに難なくクリアした。橋の途中、耳に入ってきました「ロッキーのテーマ」!思わずリズムに合わせて拳を突き上げ、スピーカーの持ち主らしき人に感謝の意を表した。青梅の「帰ってこいよ」と東京マラソンの「ロッキーのテーマ」は何故か心に響くな。
 ここからの40kmまでのLAPは6’36~59までかかるようになる。かろうじて7’00には達しないが、やっと前に進んでいる感じ。「前に進まなきゃレースは終わらない。早く運べば早く終わる。」という意識だけで脚を運ぶ。37km位で雲が割れ、春を思わせる日差しが覗いた。
 気が付くと沿道が「黄門様~、黄門様~」「ご隠居~」とやかましい。後ろを振り向くのは大儀なのでしないが、かなり沿道に受けている。私の直後を同じようなペースで走っているのだろう。その主人公に並ばれた。確かに黄門様だわ。黄土色(金か?)の頭巾に、白髪のカツラにヒゲ、和服は紫に黄土色。何より走り方が枯れている。枯れているなりに、声援には応える。当たり前のように左手の印籠を沿道にかざすわけだ。仮装ランナーに抜かれるのは面白いものではないが、これだけ沿道の受けが良いと楽しい。結局最後まで抜きつ抜かれつ。
 38kmの給水では「餡なし人形焼」をいただいた。餡がなければ人形焼きなんてパサパサしたカステラみたいなもんだ。当然むせた。ゲホゲホ。フラフラの体には結構なダメージ。
 日差しが出てから温度が上がってきた。ゴールまで汚いレインコートを着ていくのもおしゃれな私の流儀にあわない。脱ごう。ボタンをはずす。ここからが難題。結わえた裾が、グローブのかじかんだ手ではなかなか解けないのだ!結局ビニールを力任せに伸ばして、首から脱いだ。その瞬間に、沿道の係員の女の子と眼が会った。すぐに手を差し伸べてくれた。「ありがとう。助かるよ」とちゃんと礼を言ってレインコートを手渡した。感謝感謝。
40km通過が4:02’49。この5kmは34’02。不本意なタイムであるが、それでも粘っている。ここまで来て、初めて完「走」に自信をもった。

 軽く登っての41kmでは本当にふらふら。ついに@7’00を超えた。それは悔しいけど、もう「最後まで走りきれそうだ」という安堵感の方が強い。ラスト1km。ビッグサイトの脇を走る。黄門様との抜きつ抜かれつの遅速デッドヒートも最終盤。遅速でももう限界。最後のコーナーを右折すると仮設スタンドの観客席。2年前はスパートをかけたその観客席前で、黄門様に置いていかれる。ゴールのDJが「黄門様だ~!」と観衆を煽っている。一方で私はひっそりと進み、人知れずゴール。「着いたぁ」ってたぶんニッコリ笑顔でゲートをくぐったと思う。グロスで4:18’○。ネットは暗算する気が起きない。4:15台であることは確か。ふ~、レース中はずーっと辛かったけど、やっぱりゴールすると気持ちいい。走りきれたことに満足満足である。

 やっと回りを見る余裕ができた。2年前に比してゴールエリアが広い。ふらふらと空きスペースに進みストレッチ。伸びはできたけど前屈ができない。腰がコリ固まっている感じ。それでもゆっくりジンワリと伸ばしていく。続いて肩も伸ばし、一通りいつものストレッチメニューをこなした。全てを投げ出すように座り込みたいが、下はまだ濡れている。もう30分もすれば乾きそうな日差しになっているのが恨めしい。仕方ないから歩き始めようとした瞬間、同じような疲労困憊模様の外人さんと眼が合った。「コングラッチレイション!」とニッコリ笑ってやった。アメリカ人かどうかは知らんけどね。
 歩きながらグローブをはずす。手を見て驚いた。真っ白にふやけている。こんな手の平は初めてだ!
 今年は、完走ポンチョではなくバスタオルをかけてもらう。続いてペットボトルをもらい、完走メダルをかけてもらう。その後は、エアサロンパスをこっそり2本いただき、その代わりではないけど、ミカン、バナナは礼だけ言って通り過ぎる。最近果物は全然食べなくなっちゃった。
 暗いエリアに進み、搬送されてきた荷物を受け取る。「ひぇ!俺の荷物こんなに重かったっけ?」と言ったら係員の女の子に受けた。別に受け狙いではなく本心だったのだが・・・。右肩に担ぎ上げ、更衣室エリアに進む。もらったバスタオルを下に敷いてやっと座り込み、荷物を開ける。冷凍タオルは冷たいはずだが、冷え切った体にはなんとも感じない。ゆっくりゆっくり着替えた。
 着替え終わって、しばし動けない。ぐったり休憩。更衣室エリアには結局40分位いたのではないかな。更衣室エリアを出る際に、新潟JA提供のオニギリがある。明太子をチョイスし、即、いただいた。うまかった~。マジでこの生涯で一番うまいオニギリだった。
 15:00頃かな。バス乗り場に行くと、ちょうど羽田空港行きのバスがきた。時刻表で見ると30分に1本位しかないので運が良い。バスの中から完走報告メールを友人知人に発信し、40分ほどで空港に到着。チェックインしてサロンに入る。1時間ほど寛いで17:25発の飛行機に乗り、18:40着。途中で買い物をして19:30に帰宅。ハードな1泊2日のマラソンツアーでしたわ。

 でもすぐには休めない。帰宅してまずはシャワー。苦闘の汗をやっと流せた。その後の晩餐。懸賞で当たったエビスビールを3本空けました!
 就寝時には両膝にアイシング。最近はレースの後は必ずアイシングをするようになった。先週の青梅はアイシングができなかったら、水曜朝まで痛みを引きずっていたもんね。
 翌月曜、起きたら膝はなんともないけど、左足甲が痛む。原因を考えると締めすぎたかな?ベルトで留めるシューズなのに、今回はウォーミングアップをしなかったのできつく締めすぎていたのだろう。今後も気をつけなくては。

 東京マラソンは本当はもっと楽しみたいところ。仮装をしたいとは思わないが、もっとゆっくり走ってみたい。今日は寒くて、雨合羽を着込んでいたので視界も狭く、1時間も経たないうちに脚がへばって、それ以降難行苦行となったのは至極残念。次回、抽選に当たるのはいつの日か!青梅の前週や翌週でないことを祈ろう。だいたい東京マラソンは日程が毎年変わっているのがおかしい。これだけのビッグなレースになったのだから3月の1週目とか決めればいいんだ。もともと青梅は2月の第3週と決まっていたのに、東京マラソンがふらふらするから青梅もぶれるんだ。石原知事は豪腕強引なんだから、在任中にさっさと定着化させてもらいたい!

 今後の参考までに前日からの振り返り。
 土曜日10:50発の飛行機で上京。当然「先得割引」でゲット。羽田についてビッグサイトにバスで向かう。ここで失敗。羽田で昼食をとればよかった。ビッグサイトでエントリーして各種ブースを冷やかしたけど、前日だからさすがに混んでいた。混んでいたし腹も減るしで小1時間で退散。りんかい線駅前のビルの居酒屋でランチ。大好きなサバ味噌の定食をチョイスしたが、あんなにまずいサバ味噌は初めてだったな。
 りんかい線の帰宅は楽チン。
 夕方のニュースで「南米チリ沖で巨大地震発生」とのこと。ニュースによると日本へ津波が着くのは明日以降とのこと。ま、東京の地であまり気にしてもしょうがないかな。
 木、金と禁酒していたのに、嫁さんが「長男の合格祝いはいつするの?しばらく帰って来られないでしょ?」とのこと。確かに。で、結局、天狗へ。別に飲まなくてもいいのだけど、店に失礼だから(?)、生ビール1杯だけ(当然「大」)飲み干しましたわ。
 当日朝は6:00起床。ご飯を2杯食べて新宿に7:30着。これはもっと早く入るべきだった。あわてて着替えて、大変なのが荷物の整理。搬送してくれるのは所定のビニール袋1つのみ。ギュウギュウ詰めのビニール袋となりました。
 今日は100均レインコート着用。そうそう、初めて試したのがワセリン。パンツのすれる箇所に塗りこんでみたらゴール後も快適でしたわ。
 8:30が荷物預けの締切時間で、そのちょっと前に預けた。その後トイレに並び8:45のスタート集合にはCブロックに入れた。
 8:50頃からDJが煽り始める。3万5千人が呼応する。ただ残念ながら冷たい雨が激しい。レインコートも着ずに雨に打たれて佇んでいるランナーは大丈夫なのだろうか。さぞや体が冷えたことだろう。隣のオッサンはビニールを被りながらもブルブル震えていた。
 9:00石原知事が挨拶。9:05車イスマラソンスタート。で、9:10「プシュン!」という子犬がくしゃみをしたようなチンケな音の後、「ブッシュー」っと花吹雪が発射され、「ドーンドーン」と花火も上がる。3万5千人が地響きを上げ動き出した。

 私は前回と同じCブロック。予想通り、スタートラインを3分弱、2’53で通過。スタートラインまでは歩いていたが、越えた瞬間から走り出した。私たちが結婚式を挙げたヒルトンホテルを右折、損保ジャパンビルを左折、青梅街道に出る。前回は一番右端を走ったので、今回は一番左を走る。歌舞伎町入り口では六大学の応援合戦。ちょうど間近になったときに「陸の王者慶応」というフレーズが聞こえたが、私が通ったときは他校の応援団に変わっていた。
 2km通過は11’52。「えっ?こんなに遅い?なんぼ混んでいるにせよ」と思ったのは、やはり疲労の影響もあったのだろう。体感速度よりはるかに遅かった。5kmまでの3kmは16’32。下りもあって@5’30というのはやはり良くない。7kmくらいだったか?花嫁衣裳が走っている。「お!あれがチェリーさんか?」。ランニングブログのオーナー。抜く際に声をかけた。うわぁ、雨の日にベールはかわいそうだな。なぜか「写真を撮ってもいい?」と聞かれ、断る理由もないので撮ってもらった。走りながらよく撮れるもんだな。私も彼女のブログに登場するのかもね。で、再会を期して、先行させてもらう。だいたい@5’30のペースを刻んでいたら・・・両足大腿裏の張りを感じた次第。冒頭に戻る・・・・・

 この辺りから20km位まで前後していたのが、ミッキー&ミニーのカップルランナー。地力はおそらく私と同じくらいなのだろう。最終的には前に出たのか後ろに下がったのかわからん。
 他に印象に残った仮装をメモしておこう。黄門様、花嫁、ミッキー&ミニーはすでに紹介した。今回、私にとって衝撃だったのは、ずばり剣道姿。袴は短くカットしていたようだが、普通の胴着を着て、防具一式(面、篭手、胴、垂)を正しく装着していた。背中に刺していた竹刀こそ幼児用のオモチャみたいなものであったが、ほぼまともな剣道姿だ。面って重いんだぞ!普通に稽古していたって耐えられなくなることがあるのに、4時間もの単純運動の間に装着し続けるなんて考えられない。しかもこの雨の中、水を吸ってさらに重くなっているはずだ。篭手だって自由は利かない!胴着は堅いから絶対にどこかが擦れているはずだ。とにかく信じられない。給水所で立ち止まっていたが、どうやって給水していたのだろう。
 ほかには、ナンチャッテ女子高生のミニスカートから覗いている脚は男のくせに結構きれいだった。一反木綿の微妙な手の動きは摩訶不思議だった。ナスはあいかわらず受ける。
 ここに上げた仮装連中はだいたい私と同じようなところを走っていた方である。雨の中、皆様、楽しませてくれてありがとう。許せないのは、後ろの方をチンタラ走っている連中。走れる仮装は微笑ましいが、「最初から完走できないようならエントリーするんじゃねえ!」って感じだよ。今回の倍率は8.9倍だとか。ランニングブームはありがたいが、お目当てのレースに出られないのは困る。せめて完走できる実力を付けてからフルにチャレンジしてもらいたいもんだ。

 総じて、走っている最中は苦しかったが、終わってみれば苦労は吹っ飛び、メガマラソンの楽しさは最高だった!ってことでいいかな。
                                以上

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?