見出し画像

07年3月18日 東京荒川市民(現:板橋City)マラソン

 8回目のフルで初のSUB4!!2度目の荒川市民マラソンにて43歳の歓喜!
 なお荒川市民マラソンはいつからか板橋Cityマラソンと改称されている。

 9:00丁度、スピーカーを通した号砲が聞こえる。一度ストップウォッチをスタートさせたが、隊列は全然動かない。そこで「今日はグロスを気にするのは止めよう。スタートまでのロスタイムを引き算するのが面倒だから、ネットだけ計測してサブ4を狙おう。」と決め、ウォッチを止めリセットした。
 荒川河川敷の土手に設営されたコンクリートの階段でゴスペル隊が歌いながらスタートを見送ってくれる。アップテンポでなかなか景気が良くて良い。先頭に立つ太った女性はテレビで見たことあるような気がするが、お近づきになりたいタイプではない。
 スタートラインを越えるまで歩き続け、ラインを越える瞬間にウォッチを押し計時開始。そこから走り始めるが15,000人の大集団ゆえ、なかなか思うように進まない。

 今日の目標は「30kmまでは5km28’00(km5’36)のペース、残り12.195kmを72分(km5’54)で片付けSUB4」というもの。1ヶ月前の青梅30kmは2:32’44。つまりkm5’06ペースで走っているわけで、今日の目標が背伸びしたものとは全然思っていない。それでも過去7回のフルマラソンでは満足に走りきれたことが無い。

 ごったかえしが落ち着く頃、岩渕水門の5km地点。通過タイムは28’00。全く想定通りであるが、スタートの大渋滞があっての想定通りだからペースは若干早いか?
 そのまま走っていると追い風が強いことを感じる。前日調べた予報も北北西の風が常時5m程度とのこと。昨年同様、行きは追い風、帰りは向かい風ということである。昨年のような突風はないと信じたいが、帰りは風との戦いになりそうである。そうなると行きは想定よりちょっと強めに押す必要があるか?
 10kmまでの5kmは27’25。
 15kmまでの5kmも27’22。これで良い。このまま行こう!トップランナーとすれ違う。おお!やはり向かい風が強そうで前傾姿勢がかなり深い。覚悟しておこう。
 20kmまでの5kmは27’00。追い風のお陰かな?

 ここを通過して、ポケットから秘密兵器を取り出した。

 前日昼食は恒例のサイゼリアでスパゲッティのダブルサイズ。カーボローディングはバッチリ。その後、本レースの前日受付に赴いた。受付を済ませ、ナイキのブースを冷やかす。「目標タイムのカリキュレーターを無料で差し上げます」とか言っている。どうやら目標タイムを狙うためのペース配分が記載されたリストバンドのようなものらしい。列に並び、いよいよ順番が回ってきた。「4時間のをお願いします」「すいません、4時間のだけ品切れしてしまいました。あとは15分刻みになります」だと。なにぃ!なんて使えないんだ。折角並んで待ったというのに・・・「じゃ、結構です」、冷たく言い放ってナイキブースを離れた。ま、それだけ「4時間」に拘る市民ランナーが多いという証。皆が私のライバルだ。
 使えないナイキの隣には、明治製菓のスポーツ食品ブランド「ザバス」のブースがあった。店頭のポスターに「完走セット」とある。レース前のエナジーゼリー2個、レース直前直後の粉末アミノ2000クイックショット2個、レース中のグリコーゲンリキッド2個、レース後のアミノゼリーという組み合わせ。レース中のグリコーゲンリキッド2個は「20km、30km地点で摂取せよ」とのこと。大枚1,000円を投じて購入した。で、ポケットに入っていたわけだ。

 秘密兵器グリコーゲンリキッドは初めて食する。袋の口を切り、搾り出して飲んでみた。「ウグェッ!」とマジで吐きそうになった。でも一所懸命堪えた。「何味っていうんだ、これ。栗か??甘ったる~、これだけまずいんだから、ちゃんと効けよ」って感じ。

 中間点21.0975kmの折り返しは1:55’40くらい。「さぁ、これから向かい風だ。後半のハーフを2:04で片付けられるか!」と決意を新たにする。折り返して土手を登る。想像通りの向かい風。前半はブルーの長袖シャツの胸のジップを下げていたが、風の抵抗があるのと、体温の低下を避けるためにジップを上げる。またスタート直後にはずしていたグローブも手にはめた。この辺はレース経験から身についた知恵。気温10度程度だとジワジワと体力を消耗するようだし、給水所はほぼ3kmごとにあるレースなので脱水の心配はない。今回は体温維持を意識した。
 前日調べた予想最高気温は10度と昨年より5度程度低かった。陽射しはあったが、風は強く冷たかったので長袖で正解であった。

 折り返してからヤドカリ作戦。私は平均以上の体格なので、誰の後ろについても上半身に風は受ける。それでも真っ正直に風と戦うよりは、誰かの後ろについていたほうが脚は軽い。自分とほぼ同じペースのランナーを探してひたすらヤドカリ。
 25kmまでの間5kmは28’35。やはり向かい風でペースダウンしているが、28分台なら想定内。ヤドを借りるランナーが次々にばてる中、適宜、次善のランナーを探してヤドカリ。脚の疲労を感じるが、まだパタパタにはなってこない。その頃であったろうか。「あれ?向かい風弱まったじゃん!!昨年ここら辺は地獄だったのに!」と悟る。確かにこの程度の向かい風なら何度となく経験している。よし!ヤドカリを脱皮して、自力で進むこととした。
 30kmまでの5kmは29’01。「それでもペースダウンしてきたか?昨年は次の1kmで6’00を超えたんだよな。」と思いながら計算。ここまで2:47’23、当初計画していた5km28’00ペースだと30kmで2:48になるはず。よって殆ど計画通り。「あと12.195kmを72分か。途中でkm6’00を超えたらその瞬間にSUB4は断念というわけだ」と認識。「そうであっても、まだまだ圏内!」と前に進む。ここから1kmごとのラップは5’38、5’44、11’41(2km)、5’48と思いのほか順調。結局35kmまでの5kmは28’48とペースアップを果たす。「残り7.195kmを43分でOK」とSUB4への手ごたえを感じ始め、向かい風もたいして気にはならない。「まだ7kmある」と思うか「もう7kmしかない」と思うかはレースによって違う。今日は「もう残り7kmか!」と思う余裕があった。
 35km過ぎのシャーベットステーション。本レースで有名な憩いの場所。シャーベット旨いんだよな~・・・「SUB4を達成するがシャーベットを食べ損ねた」と「シャーベットを食べたから4:00をちょっとオーバー」とどっちが悔しいか天秤にかける。考えるまでも無い。今日は食べている時間はない。と、シャーベットを無視して進む・・・・・はずだったが「せっかくだから一口だけ食おう」と意志薄弱の卑しさ丸出し。グレープフルーツシャーベットを取り、軽く1口、スーッと気持ちよく喉を通ったところでシャーベットはお役御免。もったいないが残りは捨てた。「シャーベットも食べたしSUB4も達成したし!」をひたすら目指すこととした。
 シャーベットステーションを通過するとまた土手を登る。36kmまでの1kmラップは6’14。「遂に6’00超えた?!?やばいか?いや、シャーベットと土手の登りのせいだ」と気を取り直して強めに押す。まだ脚は伸びる。で、37kmまでのラップは5’19と上がる。このままロングスパートのつもりで強めに押し続ける。こうなると他とはスピードが違う。バンバン抜きまくる。昨年吹っ飛ばされそうになった岩渕水門を軽快にクリア。土手を一気に下る。ここの1kmは下りもあって5’09と跳ね上がる。残り4.195kmを27分でOK。ここで初めて目標クリアに確信を持った。確信を持つけど同時に脚は伸びなくなってきた。スパートは中断。38kmからは5’31、5’32と若干落ちる。でもまだイーブンペースをキープ。40kmを3:43’56で通過。「あれ?残りを12分程度で行ければグロスでもSUB4じゃないか?」と贅沢な思いが胸をよぎる。邪心を持つとやはり体は正直に反応する。次の1kmに5’52かかり失速を実感。ただ当初目標のネットSUB4は歩かなければもう大丈夫。
 ラスト1kmで本当に失速。相当重くなってきた脚でそれでも一歩一歩進む進む。遠くに見えていた埼京線のガードをくぐる、国道・中山道のガードをくぐる。ゴールゲートが見えてきた。「このレースはゴールの写真を送ってくれるんだ」と思い出し、にっこり笑ってゴールイン!!自己計時は3:56’59!!3分の余裕を持ってゴールした。SUB4の歓喜!!!

 ただコース端にあった公式計時を目の端で捉えると明らかに4:00を経過していたのはちょっと心残りであった。気にしないはずだったとは言え・・・また最後の1.195kmに7’12かかっていた。最後の最後に平地でkm6’00を超えた勘定であるのは詰めが甘かった・・・・でも当初目標のネットSUB4は見事クリア!フルマラソン8度目のチャレンジにして大願成就であった。

 去年はへたり込んだゴールエリアだが今年は余裕。まず立ったまま全身のストレッチ。次に座って脚部のストレッチ。シューズのマジックテープを緩めてチップをはずし係員に返却。そのままスタスタと荷物預かりからザックを回収し、芝生に陣地を確保し着替えることとした。おっと、忘れちゃいけない「完走セット」。過去7回のように30km程度で失速しなかったのは、これのお陰かもしれない。最後のクイックショット(粉末)をアミノゼリーで流し込む。これで完了。

 自宅に戻り、ストレッチというかごろ寝と言うかグダグダしていると、愛娘(小6)、愚息(小3)が相次いで帰宅。今日は嫁さんが会社テニス部同期会に行っているので夕食は3人で食べることになっている。何が食べたいか2人に聞けども特段の要望はない。パパの好みで「天狗でいいか?」異口同音に「うん!」とのこと。ヨッシャ!17:30に家を出る。天狗までの約10分を散歩がてらに歩く。途中愚息とダッシュで競走。まだ勝てる。しかし、フルをゴールして4時間半しか経っていないのにダッシュができる自分が不思議であった。18:00を過ぎると並ぶことも多い天狗であるが、幸いすぐに座れて「天狗ビアブラウン」で祝杯!!ガンガン自らを祝いたいところであるが、中ジョッキ2杯しか飲めなかった。最近は30kmレースの後なら、極々普通の飲み会ができるようになっているが、やはりフルはきついんだな。改めてフルの過酷さを実感した。アルコール摂取可能量で体力消耗が測れるというのはいいことなのか悪いことなのか・・・・。

 夜は23:00に就寝、翌日は有給休暇を取得しているので、子供たちと一緒に起床すればよい。バタンキューと寝たはずであるが、目が覚めたのが3:30。両膝がジンジン痛む。そうか、やはりケアしなきゃダメなのか・・・・夕方のダッシュも余計だったはず・・・結局6:30頃まで痛みにさいなまされながらウトウトする。起床して薬箱を探索すると、有効期限が1年半前に切れているシップが1枚だけあった。なにもないよりマシだろう。半分に切って両膝に当てた。

 今回の勝因はやはり練習量だろう。今年は雪が少なく、コンスタントに練習ができた。
 そして、レース2日前からの禁酒。昨年、田沢湖(9月)、北上(10月)とフルで失速しているが、前夜に結構飲んじゃった・・・なまじ泊まるからいけないんだな。アルコール分解には大量の水分が必要とのことなので、アルコールは避けなきゃダメなんだろう。
 あとはザバスのグリコーゲンリキッドか?あまりヤクには頼りたくないから認めたくないけどな。今度は、主催者が用意してくれている給水および給食だけで勝負をかけてみたい。

 大会HPで速報タイムをチェック。4:00’27とのこと。う~ん、最後の1kmでもう少し粘れば公式タイムでSUB4だったか・・・・。タラレバタラレバ。これ以上贅沢は言うまい。

 振り返ると今回の5kmLAPは以下の通り。イーブンペースで進めたということ。良かった良かった。

05km 28’00 渋滞明けの5kmは想定どおり。追い風にペースアップを決意
10km 27’25 想定通りのペース。
15km 27’22 想定通りのペース。
20km 27’00 追い風に身を任す。15kmを一定ペースで進んだことになる。
25km 28’35 折り返して厳しい逆風にヤドカリ作戦。想定内のタイム。
30km 29’01 引き続きの逆風も途中で弱まった。自力走行開始。
35km 28’48 弱まったとはいえ逆風の中でもマイペースキープ。
40km 27’44 ラストが見えてきて36kmからはロングスパート決行
2.195km 13’01 最後の1kmで失速。詰め甘し!!

 これから夏までは主にハーフ。秋にフルマラソンに再度チャレンジしよう。
                               以上

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?