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【歌詞】「贋作」 足元がぐらつくような 作り事とはあっぱれな

贋作

雨が空から降ってきて 蛇の目の傘を叩きます 
傘には油紙が貼ってあり そんな音がしています

じゃじゃぶりでもなく霧雨でもないから そんな音がしています
さっきからもう半時も ずうっとこうして立っているから

そんな音にも一つ一つ 小さいのやら大きいのやらがあるようで
傘のちょっと破けたところからは 長いのも落ちてきて

目を開けたり閉じたりしては 
ああ そうかいなぁ ああそうかいなぁと
聴いているうち なんやあほらしゅうなってきて
さっさと帰るところです

思えば 幼い頃から
わたくしにはどこか 冷えたところがありました


(台詞)
 一番上のマルはどっちがあいてますか
 上ですか 左ですか
「あてでっか。あては、どないでもよろしおま」
 お君さん わたくしはね 
 どんな時でもそう言うてた
 あんたを時々見習ろうておるのです
 あきませんか いけませんか 
 お君さん 鳳仙花は咲きませんか


身を削らないが 満足なんぞもしていない   
汗をかかないが 手紙なんぞ書けば達筆で

叱られてると寝ませんか 水玉模様は怖いですか   
火の見櫓に昇れませんか 主人公は人ではないか

商人コートを着ているか 花が咲くまで待てるのか   
かもめはそこでは鳴いているか ならばコンビニはどこにもないか

足元がぐらつくような 作り事とはあっぱれな    
夢は わたくしは 本当のことやと思います

何で いうたら見たからです
わたくしが夢の中で 本当に見たことやからです

思えば 幼い頃から わたくしの指の先は冷たくて
別に なんにもあらしません なんにも なくてもよろしおま 
ほうれ 鰯雲 わたくしも 泳いでゆきました 


*

「ステージ9:ウォン・ジクスーと愉快な仲間たち」に収録されています

Won Jiksooさんと一緒に何かしたいと思って作った曲です
2015年6月、CLUB NOONでもデュオで歌いました
あれから歌ってないけど
もう歌わないとか、そういうわけじゃないけど
あれ以上には歌えないと思うから



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