ブラック企業の求人票を読み解く


はじめに

わたしは、かつて某ブラック企業で働いていたことがある。

求人票を見てから採用されるまでの過程で、そのブラックぶりを見抜けられなかったばかりに、ブラック企業に入社してしまった。その結果、一年経たないうちに離職を余儀無くされた。

今になって当時の求人票を見返すと、「一見良さそうなことを言っているが、ブラックさと紙一重だな」と思うポイントや、「これは完全に求職者を騙しにきているな」と思うポイントなどをいくつか挙げることができる。
ブラック企業の犠牲者をひとりでも減らすため、n=1ではあるが、きょうは「ブラック企業の求人票」に潜む罠を7つのポイントから読み解きたい。
(注:身バレを防ぐために、多少のぼやかしや脚色を含んでいます)

ブラック企業の求人票を読み解く

それでは早速、順番に読み解いていく。

1. 「社長との距離が近い」

企業にとってはアピールポイントなのだろうが、企業のトップである社長が近すぎると、性格などが合うか合わないかでかなり左右されるので、要注意である。
入社後、実際に社長は(物理的に)近くにいて、それ自体は別に良いのだが、あまりにもトップダウンすぎることと、しょっちゅう誰かに向けての怒声を聞かされることが特につらかった。

2. 雇用形態:正社員(試用期間:xヶ月)

見出しだけを見ればありがちな表記だが、実際は「試用期間の雇用形態は契約社員」だということを、一度も知らされなかった。契約書にも書かれていないし、このことは入社後数ヶ月が経ち、人事でも何でもない一般社員から聞いて知った。これ、法律的にどうなん?
最初は契約社員なのであれば、事前に伝える必要があると思う。

3. 想定年収レンジが異様に広い

「レンジが異様に広い」というのは、逆に言えば「どう決めるかは完全に向こうの自由」ということ。
ちなみに、わたしは最初こそ希望年収を採用してもらえたものの、次の更新時には、特に理由を言われることなく年収を数十万円減額された。

4. 残業なし(残業0時間)を猛アピール

正社員でそれなりに忙しそうな職種なのに、「残業なし」を猛アピールしているのは罠の可能性がある。
業務時間内にやりきれない業務量を与えられ、定時にオフィスを追い出されるが、それは暗黙の了解で「昼休みにやれ」「家でやれ」ということを意味している。上長も平気で「家でやる」前提で話をしてくる。これでわたしは昼休みも夜も休日も働くことになり、健康を損ねた。
いくら書面上で「残業なし・完全週休二日制・年間休日12x日以上」をうたっていても、実態は違う(ただし企業にとっては書面通りということになっている)ことがあることに注意が必要である。

5. 格付けや受賞歴等のアピールが強い

求人票で、自社の格付けや受賞歴等について意気揚々と語っている。
求職者に対しては他にもっとアピールすることがあるはずだし、今見てみると「いかに外面を良くするか」ということばかり考えているようにしか見えない(偏見だったらすみません)

6. 「スピード感」をアピール

「スピード感があること」自体は良いことだし、「何でもかんでも稟議、稟議」の大企業との差別化を図りたいのだろうが、職種に関係なくかなり無理をさせられる可能性あり。
無理をさせられるので退職者が多く、さらに無理をさせられる。長い目で見れば、無理をさせず退職者を減らした方が良いと素人のわたしは考えるが。

7. 求人票の記載内容と面接での説明に相違点が複数ある

先ほどの「試用期間の雇用形態は契約社員」ということを黙っていることは論外だと思うが、求人票の記載内容と面接等での条件等の説明とで気になる相違点が複数ある場合、警戒した方が良いと思われる。
今振り返れば、面接の時点で見抜けたかもしれないな。もっと警戒して、やめておけばよかった……。

おわりに

以上、ブラック企業の求人票に潜む罠を7つのポイントから読み解いてきた。他にもいろいろツッコミどころはあるが、このくらいにしておく。
求人票を見た時点で見抜ければ、それだけでは難しくても面接で判断できれば、ブラック企業を回避できる可能性は高くなる。あと口コミサイトは絶対に見るべき。
わたしは転職活動をしばらくやるつもりはないが、次に転職活動をする機会があれば、このときの経験を活かして、全力でブラック企業を回避していきたい。

おわり

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