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ファンローカルが「シオヤプロジェクトの勝手にまち探訪 vol.36 西舞子編」に参加してみた記録④

神戸の人気まち歩きイベント「勝手に探訪」の秘密を体感すべく、ファンローカルが体験レポートをお送りします。最後は、ツツイメンバーによる報告です。


「今日も観光地には行きません」企画者の森本アリさんから、そう宣言されて始まった、シオプロの勝手にまち探訪西舞子編。それならどこに行くのか?リピーターの参加者(もさ)達はその期待を共有している。階段をのぼり、くだり、道の下をくぐり、路地をすり抜け、歩いて10分の距離を1時間かけてたっぷりと楽しむのだ。案内人に導かれながら、紆余曲折を経て、しばらく前に通った場所に、別の角度から少し違った景色を伴い、はたと再会したときに、参加者からは感嘆の声が漏れる。これが綿密に設計されたコースどりなのか、長年の勘によるものなのか、いずれにせよシオプロまちあるきの醍醐味の1つだ。

こんなワクワクする階段があれば見逃すはずがなく、一度通り過ぎても必ず通る。

そして、案内人の言うことは皆あまり聞いていない。正確には、参加人数が多いわりに、拡声器などもないので、聞こえないのだ。参加者の列は薄く引き延ばされて、各自が何かを発見したときに、そこに人が集まり、小さな塊で鑑賞会や解釈がゲリラ的に発生する。参加者が能動的にまちを発見していく。

花束みたいなパイロン(三角コーン)を巡り様々な検証が行われた

発見されるものは、ジャンル、大きさ様々。住人の小さな工夫から、地形と人間の意図のせめぎ合いの産物としてのダイナミックな景観、作られた意図を想像することも難しい奇想天外な造形、年数を減ることで自然と人工物の境が曖昧になっている風景などだ。しかしそれはどれも、人がまちを少しずつ、意思と成り行きの積み上げにより、かたちづくってきた(いく)ことを、直に触れて味わうことのような気がする。

恐らく排水口を園芸ラックとして転用した匠の技。発想力と仕上がりの良さに感嘆。
これはもうよく分からないけどとにかくすごいやつ。

お昼休憩があったといはいえ、7時間ひたすら歩き、主催者が嬉々として階段を登って降りる(参加者はもちろん登って降りさせられる)ハードコアなまち歩き。終盤、体力的には辛くなるが、この先にどんなものに出会えるかワクワクしながら完走した。まちを手でなぞって感触を確かめていくような体験をすることで、まちを捉える感覚(センス)が鋭くなっていく気がする。この感覚がクセになり、また、鋭くなった感覚を確かめるために、再びこのイベントに足を運ぶのではないだろうか。

今回のまち歩きで発見した旧ダイエー帝国領土と神戸市の境界


勝手にまち探訪については、こちらのサイトで森本アリさんのインタビューとともに、より詳しく紹介されています。


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