最強で最凶のカード

人間は等しく、生まれた瞬間に配られたカードで
勝負をするしかない。
誰しもが望むカードを引き当てられるはずもなく、
殆どの人間は大して強くもない精一杯のカードを
切り札に、
人生という命懸けのギャンブルに興じる。
安定した幸福を求めるのならば、
相手を見定めるべきだ。
自分でも勝てる相手を選び、勝ち続ける。
割のいいギャンブル。

それが賢明な生き方というものでしょう。
しかしそれは、平凡でありふれた、
退屈な賭け方ともいえるのでしょう。

さて、最近も推し事だけは絶好調。
僕の推しは、にじさんじのVTuber。
ソフィア・ヴァレンタイン。

先日、オンラインショップを眺めていて、
推しの誕生日グッズが8000円なんて
あまりに安すぎる、
なんて脳が判断してしまった所を見るに、
僕もいよいよ本格派のオタクに
足を踏み入れつつあります。

そんな毎日を送る僕ですが、
推し事をしていて思うことがありました。

いつか、ソフィア・ヴァレンタインの小説を
公式で出してみたい。

大好きな彼女の世界を僕の言葉で、世界で、
心で、創ることが出来たら。
考えただけで、高揚が収まらないのです。

しかし、僕は物書きではありますが、
作家ではありません。
僕の文章は金にならないのです。
界隈では、僕のような人材は
掃いて捨てるほど存在して、視界のうちにも
入らない、木っ端に違いないでしょう。

それでも僕は賭けたい。
命を、夢を捨てれば得られたはずの
普遍的な幸福を投げ打ってでも、
僕は世界を書き続けることを辞めたくない。
あまりに割の悪いギャンブルに、
全てを賭けたいのです。

僕の夢は彼女の小説を書く事だけじゃない。
作家になることも、自著を多くの人に
読んでもらうことも、僕の夢のひとつです。

僕の願いは全て叶うでしょう。
遥かな夢や理想に向かって泥だらけで
歩む事こそが、本当の意味で、
今を生きることだと思うのです。

あなたには、夢はありますか?
叶えたい夢や理想はありますか?

もし心当たりがあるのなら、
気が付いているはずです。

あなたの心の奥にある一枚のカードに。

大丈夫。僕達の願いはきっと叶います。
何かを犠牲にしたとしても
夢を叶えようという意志と狂気。

それこそが、僕達の引き当てた、
最強で最凶のジョーカーに違いないのですから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?