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【急成長の裏には「泥臭い失敗」も】スポーツグッズ市場の最前線は予測不能

こんにちは、ファナティクス・ジャパンの広報です。

初投稿となる前回は、代表川名の逆提案から始まった「ファナティクス・ジャパン」の創業経緯や、アメリカの事業をいかに日本にローカライズをしているのかについて触れました。

おかげさまで、順調に成長しているファナティクス・ジャパンですが、
これまでのヒット商品やチャレンジの裏で起きていたエピソード、公には出ていない会社の様子などを探るべく、引き続き代表川名にインタビューを実施しました!


新たな購買体験で、東京ドームで野球のグッズ興行収入の記録を更新


ーー設立後、印象に残っている取り組みや事業はありますか。
思い出深いのは2018年に開催された「日米野球(※)」かな〜。

ファナティクス・ジャパンとしての初の本格的なリテールの取り組みで、東京ドームなど各開催球場に公式店舗を出店しました。
※18年に7試合開催 稲葉監督率いる「侍ジャパン」がMLBオールスターと対戦

日米野球時の店舗の様子

それまで東京ドームでは音楽ライブの物販含めて「対面販売(お客様はカウンター越しに注文)」形式でのグッズ販売を行っていました。
限られた時間で大量の人数を捌くには確かに効率的なのですが、お客様が実際に商品を手にとったり、試着して購入するというような購買体験が提供できない、品揃え(SKU数)も絞り込まないといけないというジレンマがあります。

――そんなジレンマをどのように克服したのですか?
そこで、ファナティクス・ジャパンとしては初めて大型のテントを設営してお客様がお店を回遊する形でお買い物できるようなフォーマットに挑戦することにしました。

対面販売ではなくショップ形態を採用。急遽コーチ参戦が決まった松井秀喜Tシャツも

各種球場関係者のご理解もあってなんとか実現に漕ぎ着けたのですが、結果としては、品揃えを格段に増やせたということもあり、客単価が2.5倍となり、東京ドームの野球のグッズ興行収入としても当時の記録を更新する大成功な取り組みになりました。

予測できない記録でも、ファンの熱狂の瞬間は取りこぼさない体制づくりを

ちなみにその年は、大谷翔平選手がア・リーグで新人王を獲得した年で、ちょうど受賞発表が日米野球開催の時期でした。発表翌日に記念のTシャツをすぐに千葉の工場で生産し、翌日開催されたナゴヤドーム販売に間に合わせるために、社員がハンドキャリーして持ち込みました。

急遽体制を整え、日米野球の翌日には会場内外で「新人王・大谷翔平」最新グッズ発売、2時間で完売

――まさにホットマーケットですね。
生産枚数もかなり攻めた量だったんですが、販売開始から飛ぶように売れて。日米野球というお祭りによるファンの高揚感や、大谷選手が持つスター性が生んだホットマーケットの好例だと思っています。その後のオンラインでの販売にも繋がりました。

ホットマーケット:シーズンの記録や優勝にちなんだグッズ展開

当時はファナティクス・ジャパンが発足して間もないころで、自分たちのビジネスモデルを大きな会場で試す初めての機会でもありました。手探りだった事柄も多くあったけど、われわれのビジネスが日本のファンにも受け入れられると確信できた一つの節目でもあります。

ここまでが日米野球の成功の話。
ここからはちょっとした失敗の思い出になっちゃうけど。。

ベンチャーならではの失敗も

東京ドームからの撤収時、トラック3-4台分くらいの搬出量があったのに対して、手配していたのがトラックわずか1台…。
当時はこうしたイベントのオペレーションもまだ経験不足でそれゆえの失敗でしたね(苦笑)

トラックに乗り切らなかった荷物の一部がこちら…

ーーそれってかなりまずいのでは・・
かなりまずい。気づいたのが試合終了後の23時頃。翌日は別のライブ設営があるので、どうにかして残りの荷物を場外に運び出さなければならない。待っていてもどうしようもないので、都内中のレンタカー会社で軽トラ借りられないか電話したり、現場にいたスタッフ20人ほどでトラック3台分の荷物を東京オフィスや東京ドーム内の別エリアへと運び出しました。

終わるころにはもう夜が明けつつあって、結局「ラクーア」で仮眠をとってからまた朝6時頃に集合して残りの荷物を搬出。その後次の開催球場の広島に向かった懐かしい記憶が・・・。東京ドームの皆様、その節は大変ご迷惑をおかけしました m(_ _)m

ナゴヤドーム最終戦撤収完了後チームの仲間と(2018年11月撮影)

ーー(大谷選手グッズの成功は)社内でもよく耳にする事例だったので、まさかそんなことになっていたなんて意外でした。

そういう意味では、ポップアップストアを出した「ZOZO CHAMPIONSHIP (※)」の件も印象的ですね。
※2019年10月に開催された日本初のPGA TOURトーナメント。ファナティクス・ジャパンがオフィシャルストアを出店

――ここでも何か事件が・・・?
事件といえば事件、かな。ゴルフって毎日長時間での開催じゃないですか。なので店舗に訪れるお客さんもある程度分散される想定で運営体制を組んでいたんです。そんな気持ちで開催初日に臨んだら、朝6時のゲートオープンの段階でお店目掛けて大量のゴルフファンの皆様が走って、あっという間に長蛇の列ができていて・・・。

ゲート開門直後の様子

ーー朝6時に!
朝6時だと当然、当日アルバイトスタッフもまだ全員が到着しきってないから、その場にいる社員総動員で必死に店舗の対応にあたりました。私も言われるがままに列の整理に駆り出されて、「最後尾はこちら」ってあの誘導を必死にやりましたよ。

ゲートオープン直後のストア内の様子
残念ながら代表川名が誘導している写真はありませんでしたが、ZOZOショップの様子

初のPGAツアー日本開催だったということもありますが、やっぱり日本のスポーツファンの熱量ってすごいんですよ!想像以上の熱量というのはやはり記憶に残りますし、やりがいを感じる瞬間でもありますね。

ーー今も(誘導など担当したり・・)?
今でもこうした現場に赴く機会は多くありますし、生産がギリギリになった商品を空港で受け取って、福岡に荷物をハンドキャリーするようなことも先日ありました。さすがに一日中立っていたり徹夜で荷物を運ぶことはなくなりましたが。(笑)

あらゆる経験がファナティクスの業務では生かせられる

ーー現在の事業フェーズは。
実績ゼロのところから、ここまでパートナーを1つ1つ契約、立ち上げをして成長を続けていることには一定の達成感を感じてはいます。ですが、創業時に思い描いた理想を実現するためにはまだまだですし、サービス面でも改善しないといけないことばかりです。

幸い、コロナ禍による動員制限も撤廃が進み、規模縮小が続いていたリテール(実店舗)部門やイベントの取り組みも拡大しています。会社として強化しなければならないところしかないというのが本音ですね。

ーー特に課題だと感じている点は。
急務なのが人材の採用です。関わる事業が多い分、広い範囲で現在人材を募集しています。実店舗の運営、ECサイト運営、マーチャンダイジング、商品のデザイン、生産管理、マーケティング、ライセンス管理、カスタマーサービス、オペレーションなど・・・あらゆる経験が当社では活かせます。

オフィス入り口すぐにある商品の展示ブース

ーー社内の雰囲気やスタッフに共通するものは?
採用時点で何かしらの領域で武器を持つスペシャリストが多いですが、一方で自分の仕事の枠に拘らずに積極的に仕事を取りに行くフットワークの軽い人が活躍しています。また、上記エピソードでも分かる通り、「物」を現場(店舗・倉庫)で扱っているということもあり、日々かなり泥臭いところばかりです。

そんな中でも、非連続的な成長を志向していることもあり、現状維持・既存の延長線上では物事を考えない人、指示を待つのではなく自ら考えてどんどん手を動かしていくマインドセットは大事にしています。

一方で、まだまだ組織としては発展途上なので、個人のスキルや志向を見て新たな役割が生まれていくということも多々ありますね。私が前職のマッキンゼーで学んだことは、時間の使い方の濃度は人のやる気やキャパシティによって大きく差が出ることで、昇進などにあたっても年齢や社歴は一切気にしていません。スタッフ間でフラットな関係を築ける環境作りを心掛けています。

4月にFanaticsのグループ全体で実施されたボランティア活動の日(Global Impact Day)、日本では江ノ島海岸でゴミ拾い。チーム内で業務後に飲みに行ったり、社内ゴルフコンペを定期的に開催したりとオフィシャルでの交流イベントも。

スポーツ観戦の醍醐味は結果が「不確実」であること。MD事業もその時々のスポーツトピックやファン心理の変化に機敏に反応する必要があり、ビジネスモデルそのものが不確実性に対応できるものであることが大事になります。その観点でも、いわゆるベンチャー的なスピード感と瞬発力を求められる局面が多い組織であると言えます。

ーー応募を検討している方にメッセージをお願いします。
パートナー球団・クラブとの密な連携や新球場プロジェクトなど、スポーツに携わる国内企業としてはこれ以上ないエクサイティングな環境を用意できている自負はあります。そしてこれからはMDに限らず、世界No.1のデジタルスポーツプラットフォーム企業として、より幅広い領域でのチャレンジが増えていく予定です。「我こそは」という方はぜひアクションを起こして欲しいです。


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