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作者も参加する、角田光代著「方舟を燃やす」オンライン読書会に参加しました。

角田光代さんの「方舟を燃やす」のオンライン読書会に参加しました。
作者も参加の読書会って、こんな幸せな時間があってもいいんだろうか…。

作者を前に、「こう感じた」「こう思った」と言葉にするのはかなり勇気がいるし、「コイツ全然わかってないな」と思われるコワサも感じましたが、それ以上に、同じ時間を共有できる魅力が勝ってしまい申し込みを。「方舟を燃やす」というタイトルに感じた清々しさや覚悟、この作品を読んで自分のこれからにいかしたいと思ったことを直接伝えられるなんて…。ほんとうに幸せすぎた2時間でした。

この作品を読んでいる間、登場人物それぞれに「正義」があって、だれも悪くないんだけど、だれも幸せになっていない、そんなもどかしさと切なさを感じていました。けれど、すべて読み終わったとき「方舟」を作ることを選んでもよいし、「方舟」に乗ることを選んでもよいし、「方舟」をこわすことだってできる、だけど今のわたしにとっては「方舟」を「燃やす」という潔さがとても響いて、もどかしさや切なさはうすらいでいました。

自分の力では「方舟」をつくって多くの人を救うような力もないし、かといって誰かの力に頼って自分だけが「方舟」に乗り込み助かる生き方もしたくない。かといって、「方舟」をこわしたくらいでは、また未練たらしく修理をしてしまうかもしれない。だったらもう後戻りできないように燃やしてしまおう、そんな潔さを感じて清々しさを感じました。

どんな解釈が正解なのかはわからないけれど、自分の選択がどんな結果に結びついても、それを丸ごと受け止めて、全部幸せにかえてやるっていうそんな覚悟と潔さを感じる読書体験でした。

読書会では、自分では全く気にもとめなかった表現も、参加者のみなさんの感想を聞きながら、あぁ、そういうところにもドラマがあったかと読みが深まったり、角田さんから「舞台裏」を見せてもらったような気持ちになったり…。
今回の読書会の主催さであるCOTOGOTO BOOKSさんって、店舗をもたない本屋さんなんですが、「作家からお預かりした本を大切に読者に届けます」っていうコンセプトがとっても素敵で、こちらのお店のファンに。

好きな作家と同じ時代を生きて、作品について語りあえるなんて、ほんとうに幸せ。

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