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『資本主義の次に来る世界』2023/4/21


ジェイソン・ヒッケル


⁡ジェイソン・ヒッケル (著) 野中 香方子 (翻訳)


 他に今まで紹介した書物が容易であるとは微塵も思いませんが、この本に関して感想を述べる気はさらさらありません。

経験値や知識があまりにも少ない私には、「感想」すら述べることができませんが、ぜひ紹介だけはしておきたいと感じました。

邦題では、「資本主義の次に来る世界」となっていますが、これはこれで、よく考えられた題名だと思います。

原題は、「LESS IS MORE ーHOW DEGROWTH WILL SAVE THE WORLD」となっており、



まだ国内に翻訳紹介される前に、原書を読んで感想を書かれているかたが複数いらっしゃいますが、

敢えて、「LESS IS MORE」は訳されていません。

と、言うのも、「LESS IS MORE」を検索すればたくさん出てくるように、ミニマルライフの精神をあらわす言葉として有名な常套句となっているからです。

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「Less is More(レス・イズ・モア)」とは、20世紀に活躍したドイツ出身の建築家、ミース・ファン・デル・ローエが残した言葉です。 「少ないほうが豊かである」という意味する言葉で、「シンプルなデザインを追求することによって、より美しく豊かな空間が生まれる」という、彼の建築家としての信念を表しています。


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敢えて直訳すれば、「少ないほど豊かになるー脱成長が世界を救う方法」となりますが、下に紹介するお二人の場合には、以下の様に訳されています。

Less is more 脱成長:経済成長を目指さない社会

https://www.a-output.com/less-is-more-degrowth

『LESS IS MORE』- 脱成長は世界を環境破壊から救えるのか?

https://note.com/ireland1/n/n8e0eb549cbd9

上のお二人の感想をご覧にならない場合を想定して、ごく簡単に内容を説明すると、以下のようになります。

・アニミズム ・ミニマルライフ ・資本主義の弊害

前半では、いかに資本主義が多くの問題を抱えながらも、強欲な我々によって、強引に拡大、成長、継続を果たしてきたのかが述べられています。

最終章である第6章の辺りから、アニミズムを中心に述べられていると思います。


私は、著者が、アメリカの心理学者で仏教瞑想の提唱者であるタラ・ブラック(Tara Brach)の著作物から「謝辞」に引用掲載した、仏陀の戒めの物語をご紹介します。

https://en.m.wikipedia.org/wiki/Tara_Brach


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ある夫婦が、
幼い一人息子を連れて砂漠を越える旅をしていた。
食料が乏しくなり、彼らは日に日に飢えていった。
しかし、目的地に辿り着きたいという思いがあまりに強く、
進路を変えることができなかった。
飢餓のあまり我を忘れた夫婦は、生き延びるために子供を殺して食べた。
やがて砂漠の果てに辿り着いたが目的地は魅力を失い、我に返った夫婦は悲しみと後悔で呆然とするばかりだった。

仏陀(Buddha)/タラ・ブラック(Tara Brach)/「資本主義の次に来る世界」謝辞より

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実際に、日本国内では、毎年8万人の行方不明者があり(8割以上は発見)世界中では、親が幼い我が子を数千円で売り払う人身取引(売買)が絶え間なくおこなわれていることを知っていても、

上の物語を読めば、「そんなバカな!」と言いたくなるかも知れません。

永遠の成長を目指して、戦争、征服、植民地、奴隷、環境破壊など、悪の限りを尽くす資本主義経済とは、“我を忘れて”、そんなバカなことを破滅的に継続するものなのかも知れません。