アジア杯
サッカーのアジア杯、日本代表は8強で散った。
今大会で敗れた原因を考えるとき、様々な観点はあるだろうが、私はW杯を見据えた対応によるチームマネジメントの取組がマイナスに働いたものと考える。
W杯において、日本代表はベスト16の壁を越えられずにいる。
16の壁を越える機会は4年に1度しかなく、欧米や南米からも選りすぐりの強豪が集まるため、予選グループを通過するだけでも至難の技だが、日本代表は複数回、それをやってのけている。
これは最早まぐれではない。
それだけの実力があるということだ。
では、なぜ16から先に進めないのか?様々な要因はあるだろうが、ピークの持っていき方(主に選手の疲労度)も一つの要因かと思う。
W杯でも優勝経験のあるチームや上位へ進出するチームは、ターンオーバー制を使うなどし、ピークを決勝トーナメントにもってこようとするのではないか。(もちろん、これにより足元をすくわれることもあるはずだが・・)
今の日本代表がタレント的にも戦術的にも、歴代最強である(あった)ことは言うまでもないと思う。(今回のアジア杯で敗れてしまった以上、序列は下がる「強いチームが勝つのではない、勝ったチームが強いのだ」引用)
ある程度固定された11人に控えの選手を加えて90分間進めるサッカーではなく、試合によって先発を変更し、ベンチに入っている選手も含めた90分間のサッカー、さらには大会全体を見据えたマネジメントができるようになってきた。(つまりは、ワールドクラスのチームを2チーム作れるイメージ)
だが、疲労の蓄積と集中力の低下は必ずしも比例しないこともあるのだと、今回痛感した。
レギュラーとしての地位を意識し自覚することで、集中力が増し、疲労があってもプレーの質や精度が高まるケースもあるのだろう。
そして、代表クラスになると、その差が重要となる局面も多い。
一方でサッカーは、コンタクトも多いため、怪我を含めたリスクとの問題もある。
今大会までの取組や今大会でのチームマネジメントの取組は、親善試合などであれば、機能を発揮していたかもしれないが、本気度が上がるトーナメントを取り入れた「大会」での脆さも露呈したように思う。
新しいステージへ日本代表を引き上げるために、必要な取組ではあったのだろうが、今の日本サッカーの地位とポテンシャルを考えると、アジア杯は優勝しなければならない大会であったと思う。
アジア勢が強くなってきていることもあり、W杯アジア予選も厳しい闘いになるし、今大会で負けへのイメージができてしまったため、この大会で支払った代償は、あまりにも大きい。
だが、支払った代償は大きいものの、W杯16強突破、そしてその先を見据えた挑戦(具体的にはワールドクラスのチームを2チーム作れる戦力と経験、そして、その際に各選手のモチベーションをどう維持向上させるか)は続けてほしいと願う。
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