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「りんご」「アシカ」「磁石」「靴」「炊飯器」

■はじめに

我々が普段活動しているとき、脳は常に理論立てて物事を判断している。

例えば、蝉の声を聴いた時暑さ・時間・時期・なんの蝉なのかを考えるかもしれない。

覚醒している事とはつまり「自己における論理性を保っている状態」と言えるだろう。

ここでは我々の脳内、大脳皮質は常に「無意識のうちに」周囲に起こっている事象を把握し、理解しようと活動している

■「認知シャッフル睡眠法」


この状態を逆手に取った睡眠法が「認知シャッフル睡眠法」である。

カナダのボードウィン博士が提唱しているこの睡眠法は、ある簡単な言葉を思い浮かべ、その文字と紐づけて脈絡の無い単語を考えるといった睡眠法である。

(例):いぬ→(一文字目い)いけ→(一文字目ぬ)ぬれせんべい
 ※いぬが終わったら新しい単語を考える
 ※簡単に思いつく単語を選定し思い浮かばなかったら次の単語に移る

メカニズムはこうだ。

「大脳皮質が理論的な活動をしているうちは、脳が『まだ寝てはいけない』と判断する」
という仕組みに着目し、あえて何の脈絡もないイメージを連想すると大脳皮質の理論的な活動を止め、『眠りのスイッチを入れても OK』と脳が判断するようになるのだ。


■「認知シャッフル睡眠法」の問題点


なお、「日本語での認知シャッフル睡眠法を用いた入眠支援システムの提案」という検証内容の文章を引用すると入眠に必要な単語の特徴として、

以下の要素を具えるいる必要がある。
 ①:意味が理解できる
 ②:映像を浮かべやすい
 ③:ネガティブでない
 ④:直前の単語と類似度が低い

つまり、自分自身で考えてしまうと①~④の要素がクリア出来なくなってしまう為、動画や音声データによる外的な刺激で単語を想起する必要があるのだ。

又、機械的に①~④の要素を選定する事は可能だが、個々人に対してフィットさせる為には機械学習させる必要があるだろう。

同じ「海」でも楽しい南国の映像を思い浮かべる人もいれば、
経験的にツライ状況をイメージする人もいる。

この可能性を排除する為、個々へ機械学習によるカスタマイズがされる
仕組みが求められている。

認知シャッフル睡眠法は,ランダムな単語の映像を数秒おきに思い浮かべる睡眠法である. 日本語で対象の単語を読み上げる動画やアプリも複数存在する.しかし,その単語や読み上げる順序 は,制約こそあっても明確に決まってはいない.また,毎回同じ単語や順序では効果が薄れるといわ れている.本稿では,認知シャッフル睡眠法に基づく単語選出と読み上げを行うことで,入眠支援を 行うシステムを提案する.今後はシステムを用いた入眠を行う実験を通じて,有用性を検証する.

https://www.wiss.org/WISS2022Proceedings/data/2-B07.pdf

以下に動画例を記載する。
【超熟睡】聴くだけで眠りに落ちる"認知シャッフル睡眠法"60分実践動画

我々が認知シャッフラーとなる日も近い。

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