見出し画像

自分の手、好きですか?

私は自分の手が好きではありませんでした。
ずっと、子どもの頃から。
なぜなら甲も手のひらもシワシワ、かさかさだから。

皮膚科に通い始めたのは幼稚園の頃から。もう50年です。
アトピー性皮膚炎と言われて、当時は名前のよくわからない軟膏を
体中にベタベタに塗られ、家でも風呂上りにベタベタ塗ることは必須で。

石鹸で洗ってはだめ。熱い湯に入ることもだめ。
入るならうんとぬるい湯で、身体をごしごしあらってはだめ。
父も、祖父も、かさかさと乾燥した皮膚で、これは遺伝で生まれ持った体質だと言われ続けていたし、自分でも「遺伝なら仕方ない」と幼いながら諦めていたところがありました。手はよくあかぎれができました。しもやけも手伝って、かゆいし痛いし。

手は恥ずかしさのかたまり

思春期、そして20代ともなると、シワシワでかさかさの手はただひたすらコンプレックスで、隠しておきたい、見られたくないものでした。
ましてや冬は指先が乾燥で切れて血が出たりするので、とにかく恥ずかしい。
手相占いでは占い師に、
「しわが多すぎて手相かしわかわからない」と遠慮のないことを言われたし、新卒で入った職場ではなぜかその手が勘違いを生み、
「家で家事をしっかり手伝っている手だね、いいお嫁さんになるよ」と、
さっぱり手伝いなどしていなかったのに、不思議な評価を獲得していたこともありました。

男性と手をつなぐ時などは、どうしようもない恥ずかしさと申し訳なさで、
心ここにあらず。指輪を買ってもらうようなシチュエーションも、うれしいよりも、「あぁ、手が注目されてしまう・・・」という緊張感が先走り‥。

なめらかで、指先へとスーッと細いライン。
指の関節は関節であることの主張がなく、どこまでもスムーズな。
それが女性らしい手だと思って生きてきました。しかし、私の手はまったくその要素がないのです。

夏。それは汗疱の季節

20代後半から30代。結婚し妊娠、出産・・・その頃から、手に汗疱(かんぽう)が出始めるようになりました。決まって初夏から秋までの、暑い時期です。手のひらに小さな水疱ができ、かゆくてかゆくて、かきむしると傷になり、痛くてかゆくてまったく治らず。
強いステロイドのクリームをつけ、気休めにはなっても治ることはありませんでした。クリームのチューブがなくなれば皮膚科へ。
診察では先生に手を見せて、「あぁ、ひどいね。強いの出しておく?」と聞かれ、処方してもらうことの繰り返し。

乳幼児の育児期間は、普段の家事にプラスして水に触れることが多くなるので、それが一因との診断でした。
眠るときにステロイドをつけ、傷になった部分はテープで巻いて塞ぎ、木綿の手袋をはめて、ということもしました。(手袋は寝ている間もかゆいため取ってしまいますが)
冬は冬で、気温が下がり冷たい日が続くと途端に指先が切れます。
指の途中は辛うじて絆創膏で巻くことができますが、先端は、指先専用の絆創膏を駆使するか、なんらか工夫をしなければ塞ぐことができず。
水絆創膏(接着剤のような)は、つけること自体が痛いものでしたが、すぐ剥がれてしまう絆創膏よりはましでした。

ネイルは無縁

ですから、ネイルで可愛く指先を飾るオシャレは私には無縁でした。
いつも爪は短くしておかなければ、ガリガリ、バリバリと指先でなく体中がかゆくてかいてしまうから、すぐに傷がついてしまいます。
爪自体も、なんだかデコボコしていて、ネイルができたとしてもサマにならない形状。爪が弱々しいのも遺伝なのかな、そんなふうに思っていました。

50歳を超えていま、相変わらずネイルはしていませんし、爪も短く切っています。シワシワはあまり変わらないけれど、かさかさは気にならなくなりました。そして、冬は30分に1回はハンドクリームを塗らねば・・・というくらいの乾きっぷりでしたが、この冬は気づいたら少しつけておこうというレベル。指先が切れて痛い!ということも今のところ起こっていません。夏の悩みの汗疱もありませんでした。
なんだか、自分の手がシワシワながら元気な感じがして、最近は己の手をわりと気に入っているくらいです。はて、これはなぜか?

自分の体を栄養レベルから見直す

昨年(2021)の冬と、今年(2022)の冬で、自分の生活の中で見直したものがあります。
それは、熱い風呂に入らないことでもなく、ものすごい量の軟膏をベタベタに塗ることでもありません。あることをきっかけに、体が栄養失調状態だったことに気づき、そこにアプローチすることにしたのです。
体が資本、健康は宝とはよく言われる言葉ですが、
私はこの50年、大いに間違った解釈をしてきたのだ、と気づいたのです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?