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妖怪

突然ですが、この人苦手だな、自分とは合わないなと思った経験ありますか?

と聞いてみたものの、答えは誰しもYESでしょう。
愚問でした。

私も盛大にYES!と答えます。
最近、苦手な人との付き合い方について、おもしろい考え方を発見したのでお話しします。

きっかけは友人の一言ーーー「あいつはヘアキャップ妖怪だよ。」

レストランで働いていた時のこと。
そのレストランでは20代女性から50代男性と、幅広い層が働いています。
私と友人は普段、ホールスタッフとしてサービスを行っているのですが、
営業終盤になると洗い場に送り込まれるのです。
洗い場の仕事は、鬼のように溜まったお皿をせっせと仕分けるという、今にもロボットに取って代わられそうな内容。
必死に仕分けていると、突然白い棒状の物が目の前に垂れ下がりました。
振り返って見てみると、ある先輩男性(以下、A)が広げる前のヘアキャップを差し出しているではありませんか。

「ヘアキャップつけてね。」

Aは軽やかにそう言って、洗い場を立ち去りました。

どうやら髪の毛がお皿に入ることを防ぐため、お客様に見えない場所ではヘアキャップを付けることになっているとのことでした。
その注意を受け、ヘアキャップを着用することにしました。

問題はここから。
Aは次の日もそれ以降も、ことあるごとに「ヘアキャップつけてね」を連呼するようになったのです。
「今からする予定だったの!」と反論する子供をよく見かけますが、
まさにその気持ちになります。
「分かってるし、今からやる前提のことをいちいち言わないでくれ!」
だんだんとAに対して、めんどくさい、苦手なタイプだと思うようになりました。

そこで友人の一言。

「あいつはヘアキャップ妖怪だよ。」


不思議なもので、妖怪だと思えば元々そういうやつだから仕方ないと
あきらめがつくのです。
あきらめがつくと、その人に対する負の感情を長いこと考えなくてよくなります。
むしろ、「ほぅ、新種の妖怪か。変わった種類もいたものだ!」と、
おもしろおかしく見えてくるのです。

この考え方を教えてくれた友人には感謝しています。
いつも子供のように感情むきだしで、素直で、思いやりがあって明るい。
周りにも明るさが伝染していくような、不思議なパワーを持つ友人です。

ありがとう、友人よ。
あなたのおかげで、少し生きやすくなったよ。


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