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独身アラフィフ女がマンション買うまで6:納得

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決めたとはいえ、それでも最後の最後まで悩んだ。
日当たりが悪く、朝から照明が必要になる部屋でいいのだろうか。
敷地外の駐車場だけど後悔しないか。
当初、自分にとって重要なポイントとして考えていた「敷地内駐車場」「日当たり」「収納」のうち、ひとつもクリアしていない物件だ。

でも最後は、私の中に染みついた価値観が、一気に背中を押した。

「幸せじゃない方が幸せ」

マンションを購入するなんて私には過分だという気持ちと、30年も一生懸命働いてきたのだからマンション買ったっていいじゃないかという気持ちを行ったり来たりしながら、その中間点の「マンションを買うけど新築じゃない、すべての条件が完璧じゃない物件」が、欠けているところのある自分には相応しい気がしてしっくりきて、私らしいなと自嘲しながら深く納得できた。
日当たりのいい新築に住んだら「こんな素敵なマンションは自分のような人間にはもったいない…」と考えてしまうであろう自分を容易に想像できる。

私にはこの価値観が根強く存在しているのだと改めて思い知らされる。
こんな考え方から解放されたいと願うくせに、この価値観のおかげで悩みが解決し、スッキリと落としどころを見つけられてホッとしている自分がいる。

この歳で独身で自分だけの決断で買うということは、自分の人生と向き合うことそのものだ。


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