越境していくものづくりのために

 朝井リョウさんの小説「スター」を読んだ。読み終わったのは一月の初めだったが、今になってその時の感想メモが心に刺さっている。
 小説で一番心に残ったセリフが「本当にいいものは越境していく。」というもの。価値観が多様化していき万人受けするものを作るのが難しかったりする中でこのフレーズは勇気づけられるものだと思った。
 じゃあ「本当にいいもの」とは?自分なりに小説から考えた条件は二つある。一つ目は「どんな答えを出すかよりどんな問いを立てるか」。二つ目は「心を込めたもの」。

 最近の自分の作っているものはどうだろうかと振り返ってみた。
 一つ目の条件は満たしていると思う。特にこのブログは構成を考えるときは「なぜ、どうして」を繰り返して考えを掘り下げて結論を出している。しかし結論はひとつにはならないし、深まったままで解決していないものもたくさんある。そういったものは次のブログやほかの活動に再利用される。
 もうひとつ自分の作るもののレベルを上げるとすれば、自分の疑問の解決だけでなく書いた文章や活動を受け取った人が考えるきっかけになるようなものを作ることだ。いかに問いを投げかけるか。
 

 二つ目の条件はまだまだだと思う。「心をこめる」とは何か。これも作品の中から答えを見つけてある。自分が作っているものを受け取る人の顔が思い浮かぶかどうかだと思う。このブログもそうだが部活や研究室活動、愛媛のみかんの販売活動は自分の限界への挑戦といった面が多いと思います。「何のため」は見失わないようにノートに記録をつけ見返すようにしているが、「誰のため」は見失いがちな気がする。
 特に最近やらなきゃいけないことに追われがちなので質を落とさず、高めていけるように「誰のため」を見つけていけるようにしたい。

 ほかにも「スター」からは多様性と価値観について考えさせられました。この二つについてもいつかまとめて文章にしていけたらと思う。

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