私淑する長田弘さんの詩です。はじめて長田さんの作品に触れるきっかけになり、今でも一番好きな詩です。長田弘さんは詩だけではなく、エッセイや絵本など幅広く手掛ける作家で「言葉の魔術師」とも言われる方です。 長田さんの言葉から学ぶことはたくさんありますが、そのなかでも大きなものは二つあります。
一つ目は日常に何より”今”に注目すること。長田さんの文章はいつも何気ない日常の風景から始まります。いつもの風景も深く観察することで見え方が変わり日常が豊かになります。
二つ目は言葉にしていくことです。長田さんの風景描写や感情を掬う言葉はいかに自分が多くのものをただ通り過ぎているかに気づかされます。
観察すること言葉にすること。それぞれを繰り返しているとそれらは独立しておらず一続きであることに気づきます。
観察し言葉にし、言葉を観察しまた言葉にする。関係がないと思われたものがつながり自分のなかに一つの考えが生まれるときは何よりもの歓びです。