【詩】失くした日
歩いてきた時の中で
私は随分いろいろなものを失くしてきたようだ
その分、手にしたものもあるだろう
けれど私は、幼いころに失くした何かを
ずっと探している気がする
私の人生は、その何かを探していたようだ
私の人生は、そのためだけの時間だった
今もまだ見つからない
なにもかも分からない
あったような、なかったような
最近
妙に脳裏に浮かぶ
私があれを失くした日
幼い私が見ていた空
とても静かで
遠くに聞こえるヘリの音
私はその姿を高い空に探していた
その時あれは
私の手からこぼれ落ちてしまったようだ
きっとそう
そんな気がしている
空の高さとヘリの音
それ以外、思い出せない
あの日
私は人生を落としたようだ
だから私は今も歩いているのだろう
あの日、私が落としたものは
いったいどんな色だっただろう
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