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昨年つくった一年ものの完熟梅(谷沢梅)のジャム、完熟梅(城州白)のシロップ煮

梅仕事は塩だけで漬ける梅干し(白干し)やカリカリ梅が好きで、梅シロップや梅酒等の甘い加工にはあまり興味を示さない私だが、例外的に梅ジャムは好きだ。
気付いたきっかけは、昨年京都の「城州白」という非常に香り高い品種の梅で初めて梅ジャムを煮てみたこと。

この時はほぼ完熟に近い状態で3キロ強入手し、大半を梅干しにしたのだが、表面に傷があるもの、熟し過ぎてつぶれかけているものをより分けてジャムとシロップ煮にした。

元々桃のような甘い香りを持つ梅なので、砂糖の量は一般的な梅ジャムと比べてかなり控えた。それでも驚嘆するほど美味しいジャムが煮え、梅ジャムって良いものだな…と幸せな気持ちになった。完熟梅の柔らかな香りは、それだけで人の心をふっと和ませる。ジャムにもそれと似た幸せ効果があるようだ。

そんな完熟梅のジャムを、昨年もう一種類煮た。

こちらは山形の「谷沢梅」という品種。
大粒で甘い香り、味わいも比較的甘い城州白とは対照的に、こちらは強い酸味と爽やかな香りが持ち味の中粒の梅。これもまた、城州白同様どうしても欲しくて手に入れたローカル梅だった。
やはり3キロほど完熟手前で入手。同じように表面に傷やしみの目立つもの、熟し過ぎているものをジャム用に取り分け、こちらも生梅の約半量の砂糖を使ってジャムを煮た。

梅ジャムは、一度茹でこぼして柔らかくなった状態で種を抜き、砂糖を加えてジャムに仕立てるが、この時皮を除くか否かは皮の固さによる。完熟梅の場合、熟により皮が柔らかくなっていることが多いので、途中で煮崩れて果肉と同化するか、気にならない食感になることが多い。谷沢梅もとろけるような食感のジャムに仕上がった。

ヨーグルトゼリーにのせました

また、酸味が強い分ペクチンが多いのか、城州白よりとろみが強め。口に入れると最初は「酸っぱ~い!!」と感じるが、徐々に爽やかな甘さが広がって行く。後口が非常にすっきりとして、癖になる独特の味わいだ。
酸味の強い谷沢梅を煮詰めたジャムなので、その酸味で食べるとシャキッとし、目が覚め頭が冴えて来るような感じもする。甘いものを食べて頭が冴えるというのも不思議な感じだが、それも谷沢梅の味の個性だ。
優しい味の城州白ジャムも良いけれど、酸味好きな私は谷沢梅の個性的な味の方がもしかしたら好きかも。いや、どちらも好きです。

そんな美味しかった谷沢梅ジャムと城州白のシロップ煮、昨年7月につくったものを冷蔵保存していた。現在の様子がこちら。

こちらが谷沢梅ジャム。

もう残りわずか

こちらがシロップ煮。

こちらは割と残ってる、そろそろ使わないと

シロップ煮のつくり方はこちらを参考にさせていただき、やはり砂糖は梅の半量にした。白ワインはやや多め。

かなり甘さを控えてつくったが今でも味は落ちず、ヨーグルトにのせたりジャム代わりにパンにのせたりして食べている。汁に浸った状態で冷蔵保存しているから大丈夫なのかも。
まだ固い青梅のあくを抜き、しっかり甘く煮て香りを閉じ込める甘露煮ももちろん良いが、しっかり熟した完熟梅の場合、甘さを控えた加工でも自然な風味が活きて美味しいと思う。

今年もこれから黄熟~完熟の梅が出回り始める。
梅干し用に買った梅の一部に傷みがもしあったら、より分けてジャムを煮ることを是非おすすめしたい。簡単で美味しいですよ!

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