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カリカリ小梅2024続報〜漬けて5日目時点における漬け上がりとカリカリ度、味の食べ比べ(奈良県産七折小梅その2)

先週水曜日に漬けた約3キロの奈良県から来た小梅ちゃん。

梅酢は翌日から順調にたっぷり上がっていたが、5日目に一部ファスナー袋からこぼれそうになっていたので梅酢が上がり切ったと判断し、この段階での味見を試みる。小梅ならそろそろできあがっているはず。

漬け方は3通り、塩分はいずれも10%で統一してある。

①市販の「梅パリ」を使用、塩揉みはごく軽め
②「梅パリ」不使用、塩の揉みこみを超丁寧に
③ ①と②の併用(「梅パリ」も塩揉み込みもあり)

上から時計回りに①、②、③と並べてみたが、なんとなく②だけ色調が異なる。他の2つはややくすんだ色になっているが、②はやや青みを帯びた新鮮な色を保っているような。

漬けむらがあるかも知れないので、いずれの漬け方も離れた箇所から2粒ずつ取り出し、固さや味について比べつつ食べた。
以下、ざっくりとした感想。

①:見事にカリカリ。塩気も適度で味も美味しい。合格です。
②:ややシナっと感はあるが、食感的には十分。他の2つと比べてやや塩気を強く感じる。
③:こちらも①同様見事にカリカリ。味も美味しいと思う。少量で漬けた①と比べ、場所によってややムラのある感じはするが、おしなべてOKでは。

――という訳で、塩化カルシウム製剤「梅パリ」を用いた①と③の方が塩のみで漬けた場合よりカリカリ度合いが高く、味も美味しく感じるという、ある意味では残念なような、また割り切れるとも言えるような結果に。

つまり、力をこめ、時間をかけて頑張って小梅に塩を揉みこんだり板ずりしたりしなくとも、ある程度まんべんなく塩と「梅パリ」をまぶしてそのまま待てば5日ほどで美味しいカリカリ小梅が失敗なく仕上がるということだ。
(今回は小梅で漬けているので、大きい梅の場合はもう少し日数がかかると思う)

但し、味については好みの個人差は分かれるかも知れない。
私が「美味しい」と感じたのは、これまで食べて来たカリカリ梅の味のイメージに近かったから。それらにはおそらく「梅パリ」的なカルシウム剤が工業的に使用されていただろう。
また、昨年卵の殻を入れてつくったカリカリ梅にもやはり似ているので、この美味しさは塩化ナトリウムにカルシウムを加えた際にもたらされる味なのかも知れない。ミネラル分が豊富な塩をなめた時に感じる甘みや旨味、そういう感じの味だ。
まあ、塩に人工的にカルシウムを加えているから結果的にそういう味になるのかな…

一方、②の「梅パリ」不使用分に塩気を強く感じたのは、「梅パリ」を使わなかった分より塩が強く浸透し、塩味を感じた結果だろう。
塩味は日が経つにつれ少し落ち着いて来ると思うが、梅の固さがどれだけ保てるかも併せ、引き続き経過を観察して行きたい。
カリカリ度合いの保持については、①と③についても併せて引き続き観察して行くつもりだ。

とは言え、現状でざっくり言えば、あの塩の揉み込み作業(けっこうな労力である)なしでこんなにカリカリかつ美味しくなるのなら、私はカリカリ梅は「梅パリ」ありで良いかな…。
もっと言えば、小分けで漬けるとよりまんべんなく「梅パリ」が浸透してむらなくカリカリになるようなので、個人的には

「梅パリ」+小分けで漬ける

が最強かも、と思った。その方が保存もしやすいし。

なお、小梅以外の梅でも「梅パリ」効果を試すべく、直売所で買ってきた青梅約1キロを、別途カリカリ梅に仕込んだ。
これについては別記事で(初めて「鶯宿梅」で仕込んだ!うれしい!)。

カリカリ梅と塩の関係については、公益財団法人塩事業センター海水総合研究所による「塩の種類の違いがカリカリウメの硬度に与える影響」という実験もあり、よりカルシウム含有量の多い塩で作れば理想的なカリカリに近付くのかも知れない。

来年はそういう塩を用いて作ってみるのもひとつかな…。でもカリカリ梅の梅酢ってあまり活用できない(梅と一緒に漬け込んだまま終わる場合も多い)ので、お高い塩を使うのは少々もったいない気もするんですよね。

ともかく、今年はちゃんと美味しくカリカリ小梅をつくれたので個人的には大変満足。やはり事前にしっかり固い小梅を予約したのが最大の成功要因であると思う。
もちろん小梅自体の味も美味しく、爽やかな香りも実に良い。
硬度・味の変化についてはまた随時追記するか、新たな記事でまとめていくつもり。

昨年の私よ、今年はカリカリになったよ!!


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