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一関市で梅を買う〜梅干しの塩分についての現在の考え(岩手県一関市産南高梅その1)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事+2024年5月の追記です。(もともとの更新日付:2023年7月16日)

週末、一関市へ行った。
元々夫が車で秋田へ帰省するのに途中まで便乗させてもらい、私はそれからひとりで岩手を数日旅して戻る予定だった。一泊目に予定していたのが一関で、昼過ぎに近くの直売所へ行って生梅を探したが既に売り切れ(売り場はあったが台は空)。

その後、先へ進む夫を見送りホテルにチェックイン。近くの産直スーパー的店舗で見付けたのがこの梅である。

安い。そして美しい・・・!

青梅と書かれているが、十分熟して良い香りがしている。紅がさしているのは日当たりが良かった証拠。かわいい。
売り場には「おつとめ品」と書かれた更に安い袋もあったが、染みや傷みが目立ったので避け、もっと大粒のものもあったけれどこの中程度の粒の大きさと可愛らしさ、何より価格に惹かれて買ってしまった。だって梅干しにしたらとっても美味しそう!

岩手の梅、できれば江刺梅林の梅も一度手に取り漬けてみたかった。これは一関市産のようだが十分近い。今年私は南高梅を漬けていないので、品種的にもちょうどよかった。

大事に持ち帰り、さっそく塩漬け。色がほんとうにかわいらしい。やっぱり十分熟した梅ちゃんは良いですね。香りは仄かで優しい。

先の投稿にも何度か書いたが、特に暑くなって以降はカビ等のトラブルの起こりやすい低塩に懲りていたため、今回は塩分16%でしっかり漬ける。これなら梅酢の出も良いはず。

とてもスタンダードな梅干しができそうで楽しみ。
良い時期に一関へ行けてよかったなあ。

<2024年5月の追記>
「低塩に懲りた」のは事実で、持病等で塩分を制限しなければならない状況や、特定の用途で低塩で漬ける必要が出て来たりしない限り、私はおそらく今後塩分10%未満で梅干しを漬けることはないだろうと思っている。
カビ等のトラブルが起きやすい理由もあるけれど、どちらかと言うと、低塩梅干しの味わいに物足りなさを感じるから。

漬け始めた最初の頃は単純に自分の手で梅干しが出来上がって行くのが嬉しくて、どの品種をどの塩分で漬けても美味しく思えた。でもそれは干しあがったばかりのフレッシュさを味わう場合だ。
半年以上保存〜熟成させる場合、塩分10%未満の梅干しはそれ以上美味しくはならない。旨味が増えて行かないと言おうか、梅の成分と塩がより一体化して生まれる梅干しならではのまろやかさや深みのある味わいには至らず、ドライフルーツみたいな感じのままだ。冷蔵保存しないとカビの恐れもあるので、新しいうちに風味を楽しむのが低塩梅干しの美味しい味わい方だと思う。塩分が低い分、おつまみのように気軽に食べられるメリットもある。

一方で、15%程度で漬けたものは干しあがってから1ヶ月、半年とより美味しくなって行く。塩と梅がなじむことで、漬けたての頃にはなかった旨味や味の深み、奥行きが生まれる。基本的に何年でも常温保存できるので、食べ切れなかった場合も安心。
ただその場合、やはり塩の品質は気になる。使用量が多い分、 できれば天日塩に近い良い塩を選びたいところだが、天日塩はとかく値が張る。例えば梅干しを3キロ漬けるならだいたい500gは使う訳で、梅よりも塩がはるかに高額になる場合も出て来る。
塩の価格は幅広い。日常的に梅干しや漬物を楽しむなら、手頃な価格の精製塩に頼るのも悪くはないと思う。私は2023年は塩に無頓着だったので、普段料理に使っている粗塩(ドンキの「鳴門の塩」)を殆どの梅に使用した。2024年は、一部は少しだけ良い塩を使ってみるつもり。これもいろいろ試して自分なりの最適解を見つけたいと思っている。

なお、塩分を何パーセントにするかは、梅の固さや粒の大きさで判断するのが妥当だと思う。
この時は直径3.5cm程度の南高梅を16%で漬けたが、今考える目安はだいたいこんな感じ。

小梅(直径2cm未満):10%
中粒(直径2cm強〜3.5cm程度):12〜15%
大粒(それ以上):15〜18%(20%以上でももちろんOK)
※いずれも「生梅の重量に対する塩の重量」です。(食塩相当量を計算した量ではありません)

ごはんに合って料理にも使えて長期保存できる、酸っぱくてしょっぱい梅干しらしい美味しさ。ちょっとずつ箸でちぎって食べるようなしょっぱくて美味しい梅干しならやはり、きちんと塩をきかせるのがおすすめです。

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