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「甘い漬け方」が合う梅品種もあるのかも知れない~2年目の節田梅で甘味を使った漬け方に挑戦・節田梅の銘菓「茜姫」お取り寄せ(2024節田梅その1)

昨年の梅シーズン終盤に取り寄せ、迷わずスタンダードな梅干しにした山形のジャンボ梅・節田梅。

今年も何とか購入することができ、テニスボールみたいな丸くてかわいい梅たちを目の前にして、迷った。

昨年は購入分をすべて梅干しにしたが、節田梅は梅菓子にも利用されている。東根市の「茜姫」という銘菓がそれだ。近年では節田梅の収穫量が減っているため南高梅でもつくられ始めているが、元々は完熟節田梅の砂糖漬として開発されたお菓子だそう。

これは是非食べてみたい、と思ったのと同時に、それなら節田梅は甘く漬けても美味しいのだろうか?と興味がわいた。

そんな訳で「茜姫」とその主材料のりんご酢をはじめ、壽屋寿香蔵さんから気になる商品をお取り寄せ。

山形と言えばやっぱりお漬物

こちらが茜姫。
ぽってりとかわいらしい梅菓子だ。真ん丸な形も美しい。梅は砂糖を加えると縮むので、その点でも大きくて真ん丸な節田梅が向いている。
とは言えこの大きな節田梅を形を崩さず加工するのは難しい。しかも商品としてまとまった量なら尚のことだ。開発時には相当な苦労があっただろう。
工場で茜姫が作られる様子の動画を観たが、梅を洗う工程以降は極力人の手や機械が梅の実に直接触れぬよう、数粒ずつ袋に入れた状態で熱した漬け汁を注いで加工されていた。だがその後も商品としての選別や封入工程があるし、輸送に耐え得る状態にするまでにはかなりの試行錯誤があったことが想像される。そう考えると非常に贅沢なお菓子だ。

そんなとっておきの一品、いただきます。

美人ですねえ

食べてみると、私の舌にはものすごく甘い。舌が痺れるほどの強烈な甘さだ。皿にとった時にはりんご酢の爽やかな香りを感じるので、想定以上の甘さに少々戸惑う。そうか、「甘露煮」「シロップ煮」ではなく「砂糖漬」ですものね。
美味しいのだが、ここまで甘くしなくてもなあ…というのが個人的には正直な感想。もうちょっと甘さ控えめな方が梅の味もよくわかるのにな…とは思う。口直しにお茶や塩気のものが欲しくなる甘さで、山形ならお茶とお漬物がセットだろう。

とは言え、人気があるのは十分理解できる。
舌触りがとろっとなめらかで年齢を問わず食べやすく、梅の酸味が苦手な方でも美味しくいただけるだろう。
それに山形の舌は甘いのだ。むかし山形の親戚から漬物や季節の惣菜が送られて来ると、どれも甘くて幼い私は目を白黒させた、それほど甘い味付けを好む食文化なので(私の実家は違ったが秋田も相当甘い。両県とも砂糖をたっぷり使うのが好きなのだ)うわあ甘い、と思うと同時に深く納得してもいた。これは山形の人が好む味である。
何より美しい。贈答品やおもてなしにもぴったりの一品で喜ばれるだろう。

そのまま食べるより、私は少し冷凍させて半解凍くらいで食べるのが好き。夫のお弁当の口直しに、冷凍したのをひと粒入れたりもしている。梅ゼリーや梅大福、梅どら焼き等に使ってもきっと美味しいだろう。後で梅ゼリーにしてみようかな。かき氷にも合いそう。
ごちそうさまでした。

さて、今回届いた節田梅は、上の興味から3通りに分けて加工した。

まずは計測。
やはり今年の梅も大きい。大きいもので直径6cm弱、重さは55~60g超。小さめのでも5cm程度はある。

これを熟の程度やサイズから3つに分け、最も大粒なものは上の「茜姫」にならい、りんご酢と氷砂糖で漬け込んでみた。但しそこまで甘くしなくても…と思うので、りんご酢は梅全体が浸る量、その1週間後に氷砂糖を150g(梅の55%)加えた。

現在はもっと濃い色でたぷたぷになっています
1週間後

残りの2つは、より熟している右側ははちみつとりんご酢を使った低塩梅干し(10%)、やや青い方は塩分15%で塩漬けし、後から揉み紫蘇を加えた紫蘇梅干し。

どちらも丸くてかわいい

数日前に紫蘇を加えた。

一緒に紫蘇漬けしたのは豊後梅。追って投稿します

なお、節田梅は皮がやや柔らかく、大きくて重いので梅干しにすると途中で皮が破れやすい(破れたのもそれはそれで美味しい)。今年も既に数粒皮破れを確認している。梅干しにする場合は、もっと青梅に近い状態で漬け始めると綺麗に漬かると思う。

今年は節田梅も相当不作だったようで、メルカリでも殆ど名前を見ず、この1kgを手に入れるので精一杯だった。来年以降、また買える機会があればいろいろと試してみたい。

続報はまた天日干しぐらいのタイミングで。

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