山形産の杏系ジャンボ梅、豊後梅と節田梅の天日干しとしそ漬け及びその後(山形産節田梅・豊後梅その2・完成編)
※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事と(旧日付:2023年8月24日)2024年6月現在の後記です。
今週はずっと天候が不安定で、朝晴れていても一度は雨が降り、湿度も高く天日干しに適した天候とは言えなかった。
今朝になってようやく爽やかな空気を感じたので、残りの二大品種のひとつ、豊後梅を干し始めた。
天日干しを始める際は通常朝5時前後、遅くとも6時前には外に出すことにしている。6時半には外が暑くなるからで、できるだけ涼しいうちから干し始め、取り込む際も室温と外気温の差がなるべく少ない早朝か日没後にしている。
今朝は少し出遅れ、5時半過ぎに目覚めてなんとか6時前には出した…までは良かったが、7時前になんと通り雨が!
台所にいた私は慌てて現場へ走り、軒下に梅を移動させたが、網からは雨粒が滴り、シートには少々水がたまっていた。アウトだ…。仕方ない。可能な範囲で水滴をぬぐい、ホワイトリカーで消毒して今日はこのまま乾かし、夜に一旦梅酢に戻し入れることにする。そしてまた明日の早朝から気持ちよく干そう。
この豊後梅は今年最後に塩漬けした。節田梅と共に山形から届き、十分熟していた節田を先に漬け、豊後は数日追熟させてから仕込んだ。追熟したからか梅酢の出が少々鈍く、途中カビや皮破れもあったため、節田よりもこちらを先に干すことに。
そして迎えた天日干し初日に雨に遭うという、なんともトラブル続きの豊後梅。ごめんよ私が不注意だった…。でも思い入れは強いのだ。
私のハンドルネームは、ご推察通りこの杏系巨大梅や、桃に似た甘い香りを持つ梅(城州白や南高梅等)を含むすべてのかわいい梅たちを思ってつけた。
豊後梅には憧れに似た気持ちがあり、手にできた時はうれしさと同時に「やっと手に入った…」という安堵感があった。
豊後梅は北海道から九州まで広く栽培される最もポピュラーな品種のひとつだが、豊後梅を漬けている方のネット記事や動画を拝見すると、他品種とは少し違った傾向がみられた。
というのは、あくまで私の私見だが、梅干しや梅漬けを漬ける方の品種選びは、大別するとだいたい以下3タイプに分かれる。
①最も入手しやすい和歌山県産南高梅(ブランドでもあるから安心)
②手に入りやすい地元産
③その他(特定の好きな品種がある方や、複数品種を漬ける梅好きな方等)
この③に該当する方が、「豊後梅の味や香りが好きだから」とこだわって(選んだり取り寄せたりして)漬けているケースが、私が見た中では多いように感じ、それ故に興味を抱いた。
どこで採れた豊後を買うかは少し迷った。青森のイメージが強かったが、豊後梅は全国各地で栽培されており、メルカリにも幅広い地域から出品される。
結果的に今回は山形の方から購入したが、節田も豊後も大変良い状態。両者が混ざらないようきちんと分けて明記くださり、こうしたやり方一つでも人柄は出るなあ…と、今年メルカリで梅を買って何度も感じたことをまた感じた。
さて、二日半ほど干した豊後梅を取り込み、白干しとしそ漬けに分けた。
生梅約1.5kg⇒770g(51%)と完成重量はやや少なめ。皮破れの影響だろう。でもふっくらとして美味しそう。
雨に濡れた分は夜に一度梅酢に戻し、濡れなかった部分(網の下段)はそのまま干し続けた。しそ漬けがどんな味に仕上がるか楽しみ。梅酢戻しもしたので梅酢もやや少なめだが、きっとフルーティで美味しいだろう。使うのが楽しみみ。
節田梅も豊後の少し後から干し始め、ほぼ同時に干し終えた。
こちらはカビはなかったが、いくらか皮破れがあったためやはり完成重量は50%を切った。でも大変美しい仕上がりで満足。
≪2024年6月の後記≫
その後豊後梅のしそ漬けは綺麗に着色し、現在こんな感じに熟成している。
節田梅。
「せつないほど酸っぱ」くなく、たいへんまろやかに熟成中。酸っぱい梅干しが苦手な方でも大丈夫かも知れない。このまろみは甘みとの相性が良さそうに思える。次ははちみつ入りや、一部はジャムかシロップ煮も検討しようかな?
そうそう、特筆しておきたいのは、節田梅の梅酢はたいへん美味!すっきりとクリアで、料理に使うと梅風味が勝ち過ぎず、ほのかな酸味やまろみが出て便利。ちぎった梅干しと共にポテトサラダに入れたり、ドレッシングに大活躍。薄味の煮物やお米を炊く際、酢飯にも良い。
豊後梅(白干し)。
この3つの中では最も好みの味。最初に酸味がきゅんと来て、それが口の中で爽やかな甘みに変わって行く。梅酢戻しをしたせいもあるのかも。梅酢は節田より濃厚で、加熱調理に向いていた。豚肉に特にぴったり。
豊後梅のしそ漬け。
後からしそ漬けをしたためか、しその味が立ちすぎているような。でもおにぎりにはこれが一番美味しい。しそ漬け上手になりたいな…。
種を並べるとこんな感じ(左が節田、右が豊後)。実と種の大きさは比例し、しそ漬けは種まで真っ赤だ。梅干し界、深遠だなあ…。
なお、途中だった豊後&節田の記事の続きを書いたのは、なんと!今年も同じ方から節田梅を購入できたから。
今年はやはり数が少なく、出品されるとほぼ瞬殺で豊後は買えず、節田だけなんとか入手できて嬉しい。節田はほんとうに希少なので…。
そんな訳で、今日この後節田梅が届く。
とっても楽しみ!
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