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不思議な種なし梅「千光梅」の砂糖漬け入り梅酒ケーキと酔っぱらいそうな梅酒ゼリー

先日、実家の父から自家製の梅酒が届いた。4、5年前に漬けたものと、昨年漬けたものが1本ずつ。各々大きなボトル入りである。

梅酒は嫌いではないのだが、父の漬ける梅酒はアルコール度数が高く、味もたいそう濃くて甘いので、一度にたくさん飲むことはできない。本来私より強いはずの夫も梅酒は飲むと動悸がすると言って手をつけず、我が家には同様に送られた更に古いヴィンテージの梅酒がまだ何本も眠っている。はてどうしたものか…。

思案の結果、梅酒ゼリーと梅酒ケーキをつくってみることにした。

◆梅酒ゼリー

以前梅のシロップ煮でゼリーをつくった時と同様に、その梅も入れて寒天で固めてみた。

今回の分量は以下の通り。
もう少し緩くても良さそうなので、水は300ccで良かったかも。或いは梅酒を少し薄めて使っても良かったかも知れない。私の手持ちの梅酒の場合、このままだと酔っぱらいそうな濃さです。

・棒寒天:1/2本(4.5g)
・水:250cc⇒小鍋に入れ、棒寒天をちぎって入れてふやかす
・梅酒:250cc

寒天をちぎって水に入れてふやかし、すっかり溶けるまで加熱して煮立った状態を2分ほどキープしてから(※でないと完全に煮溶けず、固まらない)火を止めて梅酒を加えてよく混ぜ、型に流し入れる。寒天は冷やさなくても固まるので、火を止めたら早めに型に流した方がよい。

雑に流したので梅の粒に偏りが…。

◆梅酒ケーキ

ケーキ生地の水分がやや足りなかったようで、2日にわたって結構な量の梅酒をしみこませたものの期待したほどしっとりしていない。
味は美味しいです。

今回の分量は以下の通り。

・薄力粉:100g
・ベーキングパウダー:小さじ1/2
・卵:1個(※2個でよかったと思う)
・無塩バター:90g
・砂糖(粗糖を使用):40g
・ドライフルーツ:計65g+フルーツにまぶす小麦粉大さじ1(焼成中に生地に沈みこむのを防ぐため)

室温~レンジで柔らかくしたバターに砂糖を加えてよくすり混ぜ、こちらも室温に戻した溶き卵を少しずつ入れて混ぜ、ふるった粉類とドライフルーツを混ぜて型に流し、180℃に予熱したオーブンで40分。

焼きあがって型から外した後、梅酒大さじ5程度をケーキにしみ込ませるようにまんべんなく塗り、ぴったりラップで包んで寝かせて翌日もう1度大さじ3程度しみ込ませ、さらに一晩経ったのが上の写真。パサッとはしていないが、もっとしっとりさせたかったな…。

焼き込んだドライフルーツは、今回はクコの実20g(※あらかじめ梅酒に浸ければよかった)と刻んだ千光梅の話梅45g程度。

「千光梅」とさらっと書いたが、これは今年漬けた中でも最も問題児の、使途に非常に手を焼いている困った梅である。
「不思議な種なし梅」という触れ込みで買ったこの梅は、確かに種がなく丸ごと食べることができるが、実に含まれる水分量が少なく、肉質もやや変わっているため、普通の作り方で梅干しや梅漬けを漬けると困惑することになる。
何故なら実の表面をびっしりと覆う細かな毛が大変多く、少々洗った程度では取り除けないため「毛むくじゃら」で食べづらい梅干しができてしまうのだ。
毛が普通〜に喉に引っ掛かります。

「梅干し」の概念を容易にはみ出す千光梅

その顛末は以下の過去記事に書きました。とほほ。

今回ケーキに使ったのは、梅干しではなく中国式の砂糖漬けにした「話梅」の方。
千光梅の話梅は、なぜか梅と言うよりまるでナッツのようなカリッとした食感に仕上がった。種を抜かずに食べられるのは、この点では幸いしている。

齧るとこんな感じ

味も悪くはないものの、そのままつまんで日常的に食べるには味が濃く、他に似たもののない不思議な食べ物なので使途に困っていた。
焼き菓子にナッツのように刻んで入れてみれば違和感なく行けるのでは?と試しに混ぜ込んでみたところ、なかなか良い感じ。これは有りだ。

良かった、あの千光梅の美味しい用途が見つかった!!うれしい!!

レーズンみたいなのがクコの実、ピスタチオみたいなのが千光梅

梅酒とこの千光梅を美味しく使い切るために、この秋冬は梅酒ケーキやフルーツ入り焼き菓子をいろいろ焼くことになるかも。
スパイスをいろいろ入れてパンデピス、或いはシュトーレンみたいな感じを目指しても良いかも知れない。

ちなみに、梅酒ケーキは食べたら酔っぱらうほどしっとりたっぷり梅酒がしみこんだケーキを目指すべく、さらに梅酒漬けを繰り返している。ある洋菓子店のシュトーレンづくりの様子を拝見したところ、溶かしバターのプールにケーキをどっぷり漬け込む作業を繰り返していたため、梅酒もそれくらいしないと駄目かなと…。

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