見出し画像

大粒で酸っぱ〜い!クエン酸はレモン並、だから美味しい杉田梅、とうとう来る…!梅干しと炊飯器で甘露煮、杉田梅ひと粒ゼリー(小田原産杉田梅その1)

梅仕事を初めてからどうしても手に入れたいと切望していた品種のひとつ「杉田梅」。実梅の中で最も酸っぱいと言われる希少品種である。一説には含有クエン酸量はレモン並だとか。

こればかりは産地の神奈川県に住む私でも「梅の時期に直売所行けばいいよね」なんて呑気に構えてはいられない。何せ生産量が少ないのだ。直売所で見ること自体が珍しく、メルカリでも一瞬を争う厳しい勝負となる。

それはあまりに不確実なので事前予約が可能なところを探し、何度か梅干しを買った「昇珠園」さんでなんとか予約できた。
こちらの梅干しはしっかりした味で美味しい。昔ながらの、きちんと塩をきかせた酸っぱくてしょっぱい保存のきく梅干しだ。十郎梅も杉田梅もどちらも美味しい。おすすめです。

そして平日の夜に行われたこのネット予約もほぼ瞬殺。杉田梅を手に入れるのがいかに難しいかを改めて実感した。

そんな杉田梅が!ようやく!ようやく先週届いた。嬉しい。ものすごく嬉しい。やっと来てくれたね杉田梅、待っていたよ杉田梅。内心で何人もの私が狂喜乱舞である。

ああ大粒で形も良くてなんて可愛いのだろう、そしてなんて良い香り…!フルーティーでふんわり甘くて、これがあの酸っぱい杉田梅だなんて。熟すとこんなにも甘くなるのね。かわいいなあ。

昇珠園さんでは、梅干し用生梅はぎりぎりまで熟した状態で収穫して送ってくれる。このため他で杉田梅が出回り始める頃より送付時期は1週間〜10日ほど遅めだ。
さらに今年は梅林の杉田梅全体に黒星病が出てしまったそうで、食べる分には害はないが、黒っぽいしみやそばかすが多く、気になる場合は傷のない同量の十郎梅と代替も可能です、と事前にわざわざご連絡頂いた。私としては問題ないのでそのまま送って頂いたが、そうした対応も大変ありがたかった。

いやいや、みな大粒で、とろけるように甘く熟した見事な梅ちゃんばかり。そばかすなんて全然気にならない、むしろ私はこれくらいの方が梅らしくて好き。十分可愛い。

何回かに分けて計量中
丈夫な箱

まずは計量。3キロ入りを買ったところ、全体で3.5キロ強入っていた。やはり多めに入れてくださった…ありがたい。

ひと粒あたりのサイズは、大きいもので直径5.5センチ×40g超。平均的には4〜4.5センチ、30g台前半といったところ。やはり杉田梅は大きい。
そして下の写真のように、下に向かって少々尖り気味で、ハートのような形をしているのも杉田梅の特徴のひとつである。先日たまたま入手できた五郎梅が杉田系というのもこの形からわかる。他の品種ではなかなかない形だ。

とても綺麗な大粒がいくつかあるので、梅ボーイズさんの超完熟梅と同様、一部は炊飯器で甘く煮てひと粒ゼリーにしてみたくなった。
つくり方はこちら。

洗った梅に楊枝で穴をいくつか空け、氷砂糖と一緒に炊飯器の保温モードで6時間
つやつやに煮えた。煮汁はホーロー鍋で少し煮詰める

なお、今回はゼラチンを使ってみた。
ゼリー液は水600mlに砂糖大さじ2、梅の煮汁大さじ3程度。ゼラチンは6.5gほど使った。

寒天は酸を含むと繊維が破壊されて固まりにくくなるが、ゼラチンは温度を守ればきちんと固まる。もうちょっとゆるめでもよかったかな。

そして食べて驚いた。杉田梅、予想以上に美味しい…!ものすごく美味しい。湿度の高いこの時期にぴったりの味だ。

きゅんと酸っぱくて目の覚めるような酸味。だがそれが、強烈な酸味に驚く間に口の中で柔らかな甘みに変わって行く。だから最終的な後口がとても良い。
私はその過程が好きだ。杉田梅の梅干しを食べる度に「美味しいなあ」といつも思う。二段階の美味しさが味わえるようで、何よりとてもすっきりとする。

柔らか〜い完熟梅

度々のたとえで恐縮だが、この美味しさは私の好きな山形銘菓「のし梅」(完熟梅と砂糖を煮詰め、笹の葉の上に寒天で薄く固めた平たいお菓子)とよく似ている。
酸味の強い品種を甘くした時の味わいは、レモンのお菓子と相通ずる魅力だと思う。甘くして初めてわかる魅力、旨味みたいな味わいがあり、これは酸味の少ない品種では出て来ない種類の美味しさのような気がする。

さて、それ以外の分はもちろん梅干しに。
昇珠園さんでは生梅の注文者限定でオプションとしてオーストラリアの原塩を販売している。折角なのでもちろん購入。生梅5キロを塩分18%で漬ける際の量として750g入り。粒がとても大きく、舐めると旨味や甘みも感じる。

昇珠園さんの漬け方にならい、初めて塩分18%で漬ける。昨年初めて梅干しを漬けた頃は8〜10%で漬けていた時期もあったため、塩がかなり多く感じる。本来これが普通なんですよね…。

ファスナー袋Lサイズの限界に挑戦した量(梅酢があがると縮むので今はちょうど)

もうひと袋は「天日海塩」。こちらは細粒なので、梅とのなじみ方が原塩とは全く異なる。

しっとりと吸い付くように梅になじむ
こちらは15%で

どちらも梅酢上がりは順調。完熟+大粒で柔らかく、重石をかけるとつぶれたり破れたりしそうなので、その意味でも比較的しっかりめの塩分で漬けると安心。

杉田梅は今年が初めて&希少なので、しそ漬けせず、白干しで食べ比べてみようと思っている。なにぶん「幻」とも言われるほどの希少種だ。毎年手に入るとは限らないため、いくらかは熟成させたい。

こちらの続報も天日干し、または何かあればそのタイミングで。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?