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おうちで発酵・漬物

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1~2人世帯でも手軽に漬けられる漬物とその活用です。 乳酸発酵の旨味が好きですが、発酵なしで手軽に漬けるさっぱり系も。
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記事一覧

【おうちで発酵】#19 炊飯器の保温モードで(なるべく温度を下げて)醤油麹をつくる~ごぼうのじっくり炒め、青菜炒めに活用

「〇〇麹」に、どうも苦手意識があった。 2010年代に塩麹の一大ブームが訪れて以降米麹を上手に活用される方が増え、麹や発酵がぐっと身近になったが、私はその「塩麹ブーム」に乗れなかった。 「麹」は味噌や醤油の原料で、家庭で使うものとは思っていなかったし、塩麹がなぜ「使うと美味しく」なり「食材を柔らかくしてくれる」のか、得体が知れない感じがして手が出せなかった。風味も当時の私には少々馴染み難く、ある時塩麹の大きな袋をいただいたのに、使い切れず申し訳なく思った。 その後私の忙し

竜峡小梅の甘漬けと塩漬けその後〜砂糖を使った梅漬けにしわが寄る理由(竜峡小梅その2・完成編)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年7月5日) 6月19日に竜峡小梅を漬け始めて半月ほど経ったので、卵の殻を取り除き、ファスナー袋から保存容器へ移すことにした。 漬け材料が異なるため漬け汁の色も違うが、梅の状態も割と違う。 酢と砂糖を加えた方はややしわが寄り、塩だけで漬けた方は元の形よりも却ってふっくらして見える。 だがそれより問題なのは味。 甘漬け(酢・砂糖入)が、なんとも中途半端な味なのだ。甘さも塩気もど

ちょっとだけ薬膳、クコの実と菊芋入り福神漬け

常備している福神漬けがなくなりそうだったので、追加をつくった。 いつもは大根1/4〜1/3本程度をメインの材料とするが、今週は買い物に行けず、手持ちの大根がやや足りなかったので他の野菜を足すことに。 野菜室にはれんこん、にんじん、ごぼうと福神漬けに使えそうな野菜がいくつかあったが(ごぼうは以前何度か入れて美味しかったのだが、漬け汁を吸うのが難点)なんとなく気が向かず、「入れてみようかな」と思ったのは半端に残っていた菊芋。 夫が菊芋の醤油漬けを殊の他気に入り、毎日のように食べ

梅味噌を漬けてみる(1ヶ月後、8ヶ月後の追記あり)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年6月21日) 梅を使った調味料はいろいろあるが、中でも梅味噌に興味があった。 種を漬け込む梅醤油はもとの醤油の味が出来上がりを決めそうな気がするけれど、味噌はよりバリエーションが広そう。 そんな中、きのう梅ボーイズさんのYouTubeチャンネルで梅味噌の作り方が紹介された。 手元の青梅を梅干し用に仕込んだ直後だったので「しまった!!」と思い、梅味噌用の青梅が欲しくなり、さっ

【おうちで発酵・漬物】#18 結球しない白菜、山東菜(べか菜)のにんにく入り発酵漬

ある日近所のスーパーで山東菜がとても安かった。ひと袋なんと98円!まるで直売所価格のよう。 山東菜はその名の通り、中国は山東省から明治期に伝わったアブラナ科の野菜。種類は白菜とほぼ一緒で、結球しないのが特徴。 水分が多く柔らかいので生食にも向くし、白菜同様煮浸しや炒め物、煮物と何にでも使える。結球しないので買う際に重くないのも嬉しい。 こんなに安いのだから2袋買えば良かった、しまったと家に着いてから思ったが、とりあえず買った分を漬物に。山東菜で漬物、以前から試してみたかっ

【おうちで発酵・漬物】#17 夏を迎える前の、日干しきゅうりの軽やかなしば漬け

最近ようやく暖かくなって、みずみずしいきゅうりや生野菜を食べたいと思う日が増えて来た。春ですね。 先週五本入りで買ったきゅうりが二本ほど余り、ふと思いついてしば漬けの時のように切り、ざるにのせて天日干ししてみた。 「ふと思いついた」というのは、私はきゅうりのしば漬けやキューちゃん漬けのように味付けのはっきりした漬物は、皮が縮んでしわが寄り、パリパリした歯ごたえのものが好きだ。 だが、その種の漬物に生のきゅうりを使うと、水分が多すぎるためそうした見た目や食感にはなりにくい

【おうちで発酵・漬物】#16 福島の伝統野菜、濃厚な味が美味しい「かぶれ菜」のオイル蒸しと「信夫冬菜(しのぶふゆな)」で漬物2種(発酵漬けと辛子漬け)

半月ほど前、Bリーグ観戦と観光を兼ねて1泊2日で福島へ車で旅行した。福島市で試合を観て宿泊し、翌日は奥会津の柳津へ。とても楽しかった。 夫は大学時代を福島で過ごしているので友達も多く、今回は出発前に「南福島の直売所がおすすめ」との情報を得ていた。 そんな「なんぷく」もしくは「みなふく」(南福島をどう呼ぶか問題。仲間内でも意見が割れるらしい)の直売所で見つけた福島の伝統野菜。 「かぶれ菜」という菜の花に似た色が濃く柔らかな菜っ葉と、「信夫冬菜(しのぶふゆな)」という小松菜に

【おうちで漬物】#15 皮ごとスライスして漬け込むだけ!あると便利なキクイモの味噌漬け・醤油漬け

「菊芋」ってご存知ですか? 芋と聞くとほくほくした根菜類を思い浮かべるけれど、キクイモの見た目は生姜に似ておおよそ「芋」という感じではない。 全体的に土っぽくごつごつしていて、加熱すると「ねっとり」若しくは「カリほく」食感になる。生だとシャキシャキ。 つまり芋という名で呼ばれても芋ではない。根元の部分を食べるためそう名がついたキク科の植物で、近い野菜はごぼう。 主成分は「イヌリン」という水溶性の食物繊維で、カリウムや葉酸、ミネラルも豊富だそう。そう聞くとなんとなく納得がい

超低塩(4%+りんご酢+はちみつ)で漬けたフルーツ梅を干す(フルーツ梅その3)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年7月7日) 6月5日(約1か月前)に仕込んでいたフルーツ梅を、梅雨の晴れ間を狙って干した。 三日三晩には足りていないが、重量からすると十分乾いているようなので(元の重量の60%弱で表面は乾いている)天日干しは終了とし、試しに1個味見してみた。 ・・・美味しくない。味が足りない。塩気も甘みも大して感じず、何より梅の味が物足りない。 これは塩4%、出てくる梅酢が不足するであろう

カリカリにできなかった小梅たち(信州産小梅)

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年6月10日) 崎陽軒のシウマイ弁当に入っている小梅が好きだ。そのためにわざわざ買って食べるという程でもないが、お弁当にカリカリ梅が入っているとちょっと嬉しい。 あれがもし自分で漬けられるなら好きな時に食べ放題!という訳で、梅仕事が少しだけ身近に感じられ始めた5月末、近所のスーパーで信州産の小梅を見つけて2袋(計1kg)購入。その日のうちに漬けてみた。 それから10日程経って、

【おうちで漬物】#14 塩漬け⇒天日干し(乾燥)⇒赤梅酢にどぼんと漬けるだけ!長期保存可、美味しい自家製紅生姜(梅酢生姜)をつくろう

※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年6月4日) しば漬けを漬けるために買った市販の赤梅酢(しそ梅酢)。梅干しや梅漬けの下漬けを始める際、消毒のためにホワイトリカーを使う方も多いようだが家にはないので梅酢で消毒することにした。 (※後記:その後ホワイトリカーを買い、主に梅仕事時の消毒に使っています) だがさらに私は知った。 赤梅酢があれば紅生姜が自分で漬けられるということを!! なんと素晴らしいことだろう。私は関

四川アーサイ(子持ち高菜、祝蕾)のザーサイ風浅漬け、パコラ(ひよこ豆の粉のフリット)

半月ぶりに直売所へ行くと、ラインナップがすっかり春に変わっていた。 サラダで食べられるみずみずしい野菜や大小色とりどりの柑橘類がずらりと並び、中でも目につくのは3月の短い間しか見られない蕾野菜たち。この時期しか出会えないので、見つけるとつい嬉しくなって買ってしまう。今回は白菜と子持ち高菜を手に取った。 蕾のついた高菜を「子持ち高菜」または「祝蕾」と呼ぶのも初めて知ったし、「四川アーサイ」という名も初めて見た。なんだかザーサイみたいなごつごつしたルックス。食べてみたくて試しに

富山湾「氷見とろ生いわし」その3~憧れの「卯の花寿司」を紅生姜、炒りごま入りで

抜群の鮮度とたっぷりの脂乗り、「氷見とろ生いわし」の3記事め。 いわしが届く前から「これは絶対作ろう!」と思っていた生おからを使ったきずしについてです。 いわしが届く前に読み込んでいた最近の愛読書、「郷土料理とおいしい旅10 新潟・富山・石川・福井」の富山県ページに「いわしの卯の花ずし」が紹介されていた。 いくつかのいわし料理が紹介されているが、中でもこれに興味を持ち、作り方を調べていると全国各地で似たような「卯の花寿司」または「卯の花漬け」が見つかった。 共通しているの

【おうちで発酵】#13 初めて起こした酒粕ヨーグルト酵母でカンパーニュを焼く

ある時、茄子の辛子漬けをつくるために酒粕を買った。 ――わかっていた。酒粕が苦手であることは。私は酒呑みではあるが酒粕の匂いや味がどうも好きになれず、わさび漬けや奈良漬けも苦手だ。たぶん日本酒も元々さほど得意ではないのだろう、他のお酒に比べて量は呑めない。秋田県人なのに。 そんな私でも、自分で漬ければ酒粕を使った漬物も好きになれるかも!とチャレンジしたがやはり駄目で、余った酒粕をなんとか使い切ろうとケーキに入れたりグリルで焼いたりいろいろ試した。 それでもまだ残る酒粕を、い