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【家に何が起こっているか】屋根昇降ハシゴ ヒヤリ! 原因は?

突然ですが、家の「屋根昇降ハシゴ」とは何でしょうか?屋根に登るため、外壁に取り付けられる昇降用のハシゴで、寒冷地の無落雪屋根ではおなじみです。

このハシゴを付けた新築戸建と中古アパートのインスペクション時に出くわした「ヒヤリ」です。どちらも気付かず落下してればこの記事書いてない…。


●昇降用ハシゴ(タラップ)とは?

家の昇降用ハシゴは、2階部分に付けるのが一般的で、1階まで伸ばしてつけません。理由は…「誰でも勝手に登れてしまい、危険だから」です。

過去…施主様で「何故1階まで付けないんだ!手抜きか予算調整の欠陥ではないのか!」というクレームを受けたと…大工さんから聞いたことがあります。ちゃんとした理由があってあえて下まで付けていないのです。

この様に「誤解されがちだが…意図あってこそ」が建築にもあることを知ってほしいですね!

概要説明



●事例1 グラグラして危険なハシゴ

新築戸建での出来事でした。建築トラブルに悩む方の依頼で、工事業者に不信感抱えているから屋根も見てほしいとの要望で、ハシゴを登っていました。

ハシゴ頂部は、人が手をかけて安全に屋根に登りきれるよう、写真のようにアール形状が一般的です。
ちょうどアール部分に手をかけたら…ハシゴがグラグラしヒヤリ! 焦りました〜…

無落雪屋根のハシゴ(タラップ)
グラグラして焦った部分


そ〜っと登りきってハシゴをチェックした所、写真の固定ボルトが緩んでいました。
ハシゴ施工時に締め付けを忘れたようです。

きちんと締め付けされていなかった固定ボルト

30年経験の中で…このようなことは初めてでした。元請会社や設計事務所が最終的に施工チェックする必要がありますね!



●事例2 経年変化で登れないハシゴ

次は…中古アパートで遭遇しました。
鉄製で30年超えたハシゴは、過去にメンテナンス塗装されていました。

登りはじめて2階をすぎ、軒先辺りに来た際
…ヒヤリ!
手をかけるのを躊躇するほどサビてボロボロになっていました。

握ったり足を掛けられない…劣化
反対サイド

壊せないため、残念ながら屋根への到達を控えました。考えごとしながら登っていたら…握って…破損…?!落下しなくてよかった〜

このアパートは外壁もメンテ塗装されていたことより、塗装時、足場があっただろう…

足場があれば、ハシゴを昇降せず塗装できたであろうから、ハシゴが劣化していてもいなくても塗装が可能だったと考えられる。


家の塗装メンテナンスをしようとする際には、

①住む人が塗装業者だけ呼べばいいと思い込まない
②塗装屋さんが外壁やハシゴの劣化を必ず直して
 くれるとは限らない

ので、インスペクターや建築士(経年劣化を知る人)に全体チェックしてもらい、「塗装以外に劣化している箇所が無いか、あればどこか?洗い出すことも必要ですね!


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