人生にバランスを取る。「職業」という器に人生の全てを注ぎ込まないという考え方。

苫米地英人氏の「オーセンティク・コーチング」という本を読んでいます。
苫米地氏の本はかねてより読んでいますが、いくつかの気づきがあったのでメモ的に。

この中に、「バランスホイール」という考え方があります。
ゴールをひとつとするのではなく、細分化した方がよい、とする考え方です。

究極的にはひとつのゴール、ひとつのビジョンが理想的なのかもしれませんが、
そんなにうまく一つのゴールを描いているだけで人生満たされるものではなく、
ともすれば偏りにより支障をきたす恐れがある、ということなのだと思いますが、この考え方は腑に落ちます。

レーダーのように小さな一点に集中するエネルギーというのもあるでしょう。
ただ、私たちは同時に地に足ついた人生を歩まなければいけない。
そこにいたるための日々の人生の時間もまた、人生であり、蔑ろにできないとするのもまた現実。

そういう観点で、バランスというものはとても大切に思います。

典型的なバランスホイールとして、下記のものがあげられています。

  1. 職業(社会への貢献)

  2. 健康

  3. 趣味(自らの熱中すること)

  4. 家族

  5. 生涯教育

  6. ファイナンス

  7. 地域社会への貢献

  8. 世界への貢献

  9. (そのほかとして)精神(スピリチュアル)、国への貢献

ともすれば、仕事に真摯である人ほど、すべてのゴールを「職業」に求めることが多々あるのではないでしょうか。

特に仕事ができる人、できた人ほどその傾向にあると感じます。
起こりがちなこととして、「職業」と「趣味」と「ファイナンス」の統合です。

時を同じくしてかつて仕事で一緒だった同僚、今は友人と飲む機会があり、つくづくそれを実感したことがあります。

彼と一緒に、寝食を犠牲にして、まるで学生時代の部活のように寝ても覚めても仕事に没頭していた時期があります。

二十四時間戦えますかという標語のままに、土日も返上して戦い続けた日々を今も語り草とするのですが、熱量のままに趣味は仕事ですと公言し、プライベートという時間もなく高揚感に満たされていた数年間がありました。

ある意味幸せな時期だったと思います。

そのような時期を経験すると、職業という器に、「職業」「趣味」「生涯教育」「ファイナンス」「地域社会への貢献」「世界への貢献」つまり、「健康」と「家族」を除くすべてをのせて、満たすことを考える傾向がぬけなくなりがちではないかと自戒を込めて感じています。

そのようなことが永続的に続くのか、というと続かないことが多い。
そして、その続かないことに違和感を感じて、なんとかかつての統合的な日々を送りたい、送れない、と苦悩する人もある一定数いるのではないかと思えます。

すなわち、「好きなことを仕事にできていない」「好きなことを仕事にして、プライベート(趣味)と仕事と区別せずに、熱中して、それでもって社会一般的な豊かな暮らしもえたいし、そういう仕事をすべきだが、いまはそうではない」という自責の念を感じている人たち。

そういう人にとってバランスホイールという考え方は、一つのパラダイムシフトでもあり、また救いでもあるのではないでしょうか。

つまり、統合ではなく、分けて考えること。

仕事は趣味ではないし、またファイナンスでもない。
職業で考えるべきことは社会貢献であり、自らのやりたいことは趣味のカテゴリーで追求するべきこと、また金銭的なことは職業の器だけでなく別の器(投資や副業など)で考えてもいい、という発想。

いつか、上にあげたカテゴリーすべてを、一つの生き方として満たすような日々が訪れるビジョンは持っていることは素晴らしいこと、
それを目指しながらも「地に足ついた貴重な日々」として、
バランスホイールの考え方はとても素敵なことだと、感じています。

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