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3匹のやぎのがらがらどん


先日、長男の保育園で発表会があった。

まだ年少という幼い子どもたちが
取り組んだ演目は

3匹のやぎのがらがらどん

だ。

私も幼い頃に読んだことのある絵本。


表紙も薄暗く、
なんとなく恐ろしい雰囲気が漂う。


この絵本を元にする劇をやる、と
決まってから


本屋さんで早速絵本を買ってみた。


お腹を空かせた3匹のヤギ、
名前はみんながらがらどん、というらしい。

簡単にいうと
ヤギが山へ草を食べにでかける、
というストーリーだ。

山に行く道中、橋を渡るのだが

その橋の下には、
恐ろしい怪物、トロルがひそんでいる。

(このトロルの挿絵が本当に恐ろしい)

3匹のヤギは
小さいものから順番に橋を渡っていく。


小さいヤギがトロルに声をかけられると、

次に来るヤギの方が大きいから
そちらを食べて、と
仲間を売って悠々といってしまう。


中くらいのヤギも同様に
次に来るヤギの方が大きいから、と
同様に橋を通り過ぎる。

そしてついにあらわれる1番大きいヤギ。
(このヤギの挿絵も少し怖い)

1番大きいヤギが橋を渡ろうとした時、
トロルもこいつをいただこう、と
意気込むのだが、

大きいヤギの勢いたるや恐ろしい。

この立派なツノでめだまを田楽ざしに、
蹄で骨も肉も粉々してやる!!!

と凄むのだ。

そして、簡単に上記の通りになるトロル。

バラバラになって谷底で落ちていくトロル。


そんなトロルのことは
すっかり頭から消えてしまったように

美味しそうに山の草を食べている
3匹のヤギ、がらがらどんの描写で
物語は終わるのだ。


なんともむごく、
すっきりした気持ちで終わらない絵本。

幼いころも同じ感情を抱いた記憶が
すっと蘇ってきた。

この物語をどのような劇として
年少の子ども達は演じてくれるのか。

我が子の活躍も然り、
単純に劇の内容も楽しみだった。



発表会の当日。
無事に劇が終幕した後、
私は涙を流して感動していた。

絵本と異なる演出は多々あった。


トロルは、大きなヤギの勢いに負けて
簡単に怖気付いてしまう。

怖気付いたトロルに対して、
大きなヤギは
一緒に草を食べてに行こう、と
誘ってあげる。

そして、全員横並びでで出てきて
フィナーレに歌を歌うのだ。

その歌の中に

「はらぺこ と はらぺこ のお話」

というフレーズがあった。

そうか、となった。


ヤギもお腹が空いていただけで、

トロルもお腹が空いていただけ。


ただ、
そんななか繰り広げられただけのお話だ。


トロル怖いな、、
大きいヤギひどいな、、

そんな不穏な感情が一気に吹っ飛んで、


そうかそうか、
みんなお腹が空いてただけなんだ、と
これは自然なことなんだ、と

そんな優しい気持ちに胸がいっぱいになった。


そして、その歌曰く

トロルはどこかに逃げちゃって

3匹のヤギは丸々太って

トロルははらぺこのまんまかな?


と想像いう終わる。

最後までトロルへの優しさが垣間見える。



こういう劇のフォーマットがあるのだろうが、

子ども達がしっかり解釈して

一生懸命演じている姿に心打たれた。


3匹のヤギとトロルに涙した母でした。

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