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出汁の話し

我々が普段作る家庭料理はやはり和食が基本になっていると思いますので、
まず出汁を取るところから始まるのが多いと思います。
まぁ最近は粉末の出汁の素で何でも済ます人も多いと思いますが、
それでも出汁を取るという行為自体そんなに手間のかかるものではありません。
水に昆布と鰹やイリコなど好みの材料を放り込んで沸かせば出来てしまいます。

日本の場合、昆布にしても鰹節にしても、流通する前段階でしっかり手間と時間が掛けられていますので、それが家庭に届いたときには水で短時間煮出すだけで簡単に出汁が取れる様に作られています。
これがフランス料理などの洋食になると、出汁を取るという作業は相当手間のかかる作業になってきます。
ちなみにインスタントの調味料が普及しているせいで「コンソメ」と「ブイヨン」を混同している方がいますが、和食で言うところの出汁(だし)がフレンチではブイヨンです。
コンソメは、ブイヨンをベースに作ったスープの一種です。念のため。
そのブイヨンですが、これを本格的に家庭で作ろうと思ったらかなりの手間と時間が必要です。
香味野菜を切るとことから始まって、出汁のベースに使う鶏ガラや骨などの下処理もする必要があります。
ここにスパイスもお好みでプラスしながら、数時間煮込まないといけません。
更に火加減も重要で、長時間煮込むので火力が強いと出汁が濁ってしまいます。
灰汁を丁寧に引きながら静かに沸騰を維持する程度の火加減を保つ必要があります。
そんな手間をかけるわけですから、和ダシみたいに少量をその都度作るという風にはいきません。そんな事もあって、最近は改めて和食ってすごいなと思うようになりました。
世界中見渡してみても、日本の「出汁」や出汁から生まれた食文化はかなりユニークなのではないでしょうか。

食文化の話しで思い出したのですが、以前こんなエッセイを読んだことがあります。

フランス人の男性と結婚した日本人女性の話です。

まだ新婚でラブラブだった二人は喧嘩などしたことがありません。ある日パリのアパートでフランス人のご主人がステーキを焼いてくれました。日本人女性の方は旦那さんの手伝いをするつもりで焼くのに使ったフライパンをすぐに洗おうとしたそうです。

それを見た旦那さんが烈火のごとく怒りだしました。女性が驚いて理由を聞くと、フライパンに残った脂などの旨味でグレービーソースを作ろうと思ったのに洗ってしまっては作れない。そんな常識もないとはガッカリだと、最初の夫婦げんかに発展し、後にも先にもたった一度きりの離婚の危機がその時だったというお話しでした。

どうやら食の恨みが恐ろしいのは、世界共通の様ですね。


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