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田舎の生活力、都会の生活力

もう離婚してしまいましたが、私にも以前妻がいました。

元妻は、生まれも育ちも大阪の千里ニュータウンという人で、私の様な田舎育ちから見たら生粋の都会人でした。

最初に驚いたのは、鰺とイワシの区別が付かなかった事でしょうかね。魚を丸ごと買ってきて料理をして食べるという習慣のない共働きの家庭で育った人でしたので、魚はほぼ切り身の状態でしか見た事がない様な人でした。

一方田舎の暮らしでは、まずスーパーマーケットなるモノがありません。魚を買いたければ魚屋に行くか、行商の人が売りに来てくれるのを待つのが普通でした。

そういったお店では魚はトロ箱に入ったままで、一尾ずつパックされていませんし、基本的には丸ごと買ってきて家で捌いて食べるのが普通でした。

野菜はどこの家もほぼ自家で作って賄っていました。

そんな二人が結婚して一緒に暮らすようになって、つくづく思った事は、田舎と都会では求められる「生活力」が違うのだなという事でした。

特に子供が生まれてから強くそんな風に思ったのですが、都会では学校ひとつとっても「選択肢」がありますから、常に情報に敏感である必要があります。

公立にするのか私学にするのか、私学ならどこが良いのかなどしっかり考えておかないと後で後悔することになります。

一方田舎ではそうした選択肢はありません。私学が存在しませんので、子供は近くの公立の学校に行くしかありませんから、誰もそんな事で悩む必要はありません。

都会では野菜も魚も、食べるモノは全て買ってくるものですから、まずはお金をしっかり稼いでくる事が大切で、生活力と収入はイコールとして考えます。

ところが田舎では食べるモノを身の回りから調達する事も多いので、山や川に行った際に、どの草が食用になるのかとか、どの時期に川に行けば魚が沢山獲れるのかなどを知っている事がそのまま生活力になります。

お金を稼ぐことも大事な「生活力」ではありますが、都会のように100%がお金といった価値観ではありません。

私は高校を出てからずっと大阪の都会で暮らしていますが、50歳を過ぎてから2年程父を介護するために田舎に戻って暮らしたことがあります。

その時につくづく思ったのですが、私は本当に田舎では役立たずだなという事でした。

田舎の村では月に1〜2回程度「日役」という務めがあります。日曜日に役にあたった人が集まって、村の道路の草刈りをしたり田んぼの獣除けの手入れをしたりといった事をするのですが、ずっと田舎で暮らしている人達は何をするにしても手際がいいですし早いです。

ところが田舎育ちではあるものの、ずっと都会で暮らしてきた私は鎌や鍬を使うのも下手くそですし、どこから手を付けて良いのか見当もつかないといった事が多々ありました。

今、世界は激変しています。都会での便利な暮らしがこのままずっと続くとは思えない様な状況も見て取れます。特に食料について、日本は自給出来ていません。

この先、食糧不足が現実になった時に、生活力があると言えるのは田舎の人なのだろうなと、ふと思った次第です。

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