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【すい臓癌の母とそれに向き合う家族の日記】その37 もういいね。

もういいや。母の苦しそうな叫び声を聞くのは。

もうじゅうぶん頑張った。

家で看取る事って、

美しい事ばかりではなくて、

その人の痛みも苦しみも受け入れなくちゃいけないものなのね。

最後は安らかに、、とはなかなかいかないものなのだな、、、と思い知る。

ただただ、今からは、

少しでも苦しみから解放されますように、、と、

眠れる薬を飲ませるしかない。

いっぱいお話もしたし、笑いあった。

大好きだよと伝えあい、

いっぱい手を握り抱きしめた。

気持ちいい事もいっぱいしたし、

美味しい物もたくさん食べた。

あなたが自分で気づき心の解放して、

満たされた瞬間はとても美しかった。

色んなあなたを見て、

色んな事を学ばせてもらった。

もう思い残す事はない!とあなたは幸せそうにわらっていたし、苦しみもがきながら叫んでもいた。

早く体の痛みや苦しみから自由になれるといいね。

私は手を握り、

頭を撫で、

祈り、

抱きしめてあげる事しかできない。

どうか苦しみから解放されますように。

次の世界では

あなたは自由にやりたい事をやるんだ。と言っていた。

「蝶のようにヒラヒラと自由に飛んで、

お花の甘い蜜を吸ったりしたいな。

黄色いモンシロチョウは私かもしれないから殺さないでね。」

と可愛いあなたはよく言っていた。

うん。

あなたがそう望めば、

叶うのかもしれないね。

愛や優しさや、あたたかいものは、

やっぱり良いものだね。

改めて教えてくれてありがとう。

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