定期的にやってくる第五十反抗期

紙でできた借家がねじねじにねじられて捨てられて
窮地におちいった友達を見限って
やり捨てした女が私に呪詛をかけている
そんなイメージ消えない被害妄想の夜
おばんでやんす
誰も抱きしめてくれないから
自動的に繰り越しされる
咎の類い　今月エレベーター降りる時
延長ボタン押したし　紙屑拾ったし
精肉コーナーの果汁グミ元に戻したし
トイレットペーパー取り替えたし
その分の徳を差し引いても
まだまだ足らないわたしのしでかし
ハリネズミのジレンマなんかそんなもの
ツバつけときゃなおるしオロナイン軟膏塗っときゃそのうち治るし血みどろになっても抱きしめたいあなたを抱きしめたい
流す涙も涸れたなら
その涙を黙殺され
誰にも相手にされなかったとしても
さあ今だ
哀しみよもっと怒れ
あなたがあなたとして生まれてきた
その尊厳を守る為に
絶対にゆずれないものを死守する為に
さあ今だ
哀しみよもっと怒れ
最悪な腫れ物みたいに自分の哀しみを
いつまで哀しみがって泣いてんだ
これからもそうやって生きていくのか
私は嫌だ嫌だ嫌だ
哀しみの箱に鍵かけてエンガチョ
鍵は海に捨てたもう知らない
だからもう泣くな怒れもっと怒れ
オマエのことチラリとも見ずに
ティッシュ配りの誰かみたいに
軽々しくシカトした
あんなに痛いって訴えたのに
そのうち慣れるって半笑いであしらった
もうママのこと殴らないでってお願いしたのにガキのくせに生意気だってボコボコにされた　私の中の少年よ
あなたの中の少女よ
そのいつかの哀しみよもっと怒れ
大人気ないね眉を顰めるそこのおっさん
ツラかせ　油性のマジックでつながり眉毛にしてやんよ
くそめしやがれ