橋迫瑞穂

社会学者(宗教・文化・フェミニズム/ジェンダー)無断転載禁止。場合によっては法的な手段…

橋迫瑞穂

社会学者(宗教・文化・フェミニズム/ジェンダー)無断転載禁止。場合によっては法的な手段をとります。

記事一覧

與那覇潤氏のnoteに関して

みなさま、與那覇潤さま 與那覇さんが私を精神障害者の差別者ということでnote批判されている件についてですが、SNS上で騒ぎにすることを危惧して黙ってきました。 ですが…

橋迫瑞穂
3週間前
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Ejaculate Responsibly: A Whole New Way to Think About Abortion.のメモ

ガブリエル・ブレアー「射精責任」という題名の書籍が、7月下旬に発売されることで話題になっている。以前、ガブリエル・ブレアーがモルモン教徒であることがツイッターに…

橋迫瑞穂
11か月前
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wezzy「日本でも聖職者からの性暴力が表面化。宗教&スピリチュアルと性のおぞましい関係」への批判

性被害において、被害者に問題があった、落ち度があったということはありません。また、そのような判断を公共の場で言い散らかすことは許されません。この文章を載せた山田…

橋迫瑞穂
1年前
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Wezzyの「宗教と性」に関する記事がなぜ問題なのかを説明する前に、まず番組のご紹介。

今日はまず記事の問題に触れる前に、記事で取り上げられたこちらのドキュメンタリーの内容を紹介します。おそらくその方が、問題を指摘しやすいからです。 原題は[UN]Wel…

橋迫瑞穂
1年前
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Wezzy「「性交も体外受精もなく妊娠出産した!」と語る女性を全肯定する医師の仰天説法」に戸惑う。

『セックスレスでもワクワクを求めてどんどん子宮にやってくるふしぎな子どもたち』(ヒカルランド 2018)は拙著「妊娠・出産をめぐるスピリチュアリティ」でも取り上げま…

橋迫瑞穂
1年前
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「かつての「渋谷系」アーティストが発信する反グローバリズム&自然派メッセージ」を深掘りった。

本当はこちらの記事の問題https://wezz-y.com/archives/82958をもっと書くつもりだったのですが、血管キレそうなことばかりなので断念。さきにこちらの記事の問題について…

橋迫瑞穂
1年前
30

Wezzy「性器をケアすれば女性の人生は充実する」という言説は、どこから来たか?」への批判

本日はこちらの記事です。まあ細かい点に間違いがあるというのではなく、根本的に大きく間違えています。というのも、この「膣ケア」を推している原田純なる人物について山…

橋迫瑞穂
1年前
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wezzy「日本でも聖職者からの性暴力が表面化。宗教&スピリチュアルと性のおぞましい関係」間違いメモ

※番組を見て間違いの内容にさらに修正 ①ここ100年でアジアから欧米に流れた「ネオタントラ」」→「ネオタントラ」は欧米が発祥。付記:ホワイト教授も番組内でそういっ…

橋迫瑞穂
1年前
38

wezzy「謎の「イヤシロチ」に迫る」記事について

この記事なのですが、いくつか記述にあいまいな点があり誤解を招きやすい内容になっています。 最も気になるのは、今回取り上げている「ねじねじ」を作った「ガッテン農法…

橋迫瑞穂
1年前
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與那覇潤氏のnoteに関して

みなさま、與那覇潤さま
與那覇さんが私を精神障害者の差別者ということでnote批判されている件についてですが、SNS上で騒ぎにすることを危惧して黙ってきました。
ですが、與那覇さんによるnoteが一部で騒がれているので、私もnoteに書くことにしました。

與那覇潤氏に対しては、言葉遣いの悪い失礼なツイートをしたことを改めてお詫び申し上げます。この点につきましては、DMで数回ほどお伝えしました。申

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Ejaculate Responsibly: A Whole New Way to Think About Abortion.のメモ

Ejaculate Responsibly: A Whole New Way to Think About Abortion.のメモ

ガブリエル・ブレアー「射精責任」という題名の書籍が、7月下旬に発売されることで話題になっている。以前、ガブリエル・ブレアーがモルモン教徒であることがツイッターに流れてきたので、その点を明確にしていない宣伝の仕方はよろしくないのではと意見を述べたところ、「タルい」という担当編集の返信をいただいた。

まあ読まないと何も言えないというのはある程度は正であるので、原著にあたる  Ejaculate Re

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wezzy「日本でも聖職者からの性暴力が表面化。宗教&スピリチュアルと性のおぞましい関係」への批判

性被害において、被害者に問題があった、落ち度があったということはありません。また、そのような判断を公共の場で言い散らかすことは許されません。この文章を載せた山田ノジルさんに憤りを感じると同時に、放置しているwezzy を残念にも思います。

記事の細かい間違いについてはこちら https://note.com/famous_bear75/n/n5dcd8403eefe
記事で取り上げられている番組

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Wezzyの「宗教と性」に関する記事がなぜ問題なのかを説明する前に、まず番組のご紹介。

今日はまず記事の問題に触れる前に、記事で取り上げられたこちらのドキュメンタリーの内容を紹介します。おそらくその方が、問題を指摘しやすいからです。
原題は[UN]Well。非常によくできたドキュメンタリーでした、おすすめです。「真偽を問う」とありますが、いわゆる効果としての「真偽」問うものではありません。番組は現代のタントラを取り巻く光と影、効と罪の両方をフェアに描いています。

冒頭には、メキシコ

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Wezzy「「性交も体外受精もなく妊娠出産した!」と語る女性を全肯定する医師の仰天説法」に戸惑う。

『セックスレスでもワクワクを求めてどんどん子宮にやってくるふしぎな子どもたち』(ヒカルランド 2018)は拙著「妊娠・出産をめぐるスピリチュアリティ」でも取り上げましたが、確かに池川明氏の著書としては極北です。ただそうした主張にもある種の目的が含まれてるわけで、それを理解することが調査の醍醐味だったりするわけなんですよね。

問題は著書の紹介ではなく、最後のまとめです。

「スピリチュアリズム」(

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「かつての「渋谷系」アーティストが発信する反グローバリズム&自然派メッセージ」を深掘りった。

本当はこちらの記事の問題https://wezz-y.com/archives/82958をもっと書くつもりだったのですが、血管キレそうなことばかりなので断念。さきにこちらの記事の問題について指摘します。

記事の趣旨としては大まかに、「渋谷系」アーティストの現在の主張を追ったもの。まあおそらく、「都会派がいきなり自然派に目覚めたトンデモ物件」という趣旨なのだと思います。

しかし面食らうのは、オ

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Wezzy「性器をケアすれば女性の人生は充実する」という言説は、どこから来たか?」への批判

本日はこちらの記事です。まあ細かい点に間違いがあるというのではなく、根本的に大きく間違えています。というのも、この「膣ケア」を推している原田純なる人物について山田ノジルさんは言及していますが。

その前に、「膣ケア」という発想自体は当然のことながら原田純氏の発明でもなんでもなく、そもそも膣という自分の性器を自分で見よう、ケアしよう、という発想自体はウーマン・リブが由来です。当時は性器の疾患(カンジ

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wezzy「日本でも聖職者からの性暴力が表面化。宗教&スピリチュアルと性のおぞましい関係」間違いメモ

※番組を見て間違いの内容にさらに修正

①ここ100年でアジアから欧米に流れた「ネオタントラ」」→「ネオタントラ」は欧米が発祥。付記:ホワイト教授も番組内でそういってます。 

②「(ネオタントラは)日本のスピシーンでもすでに定着化しつつあり」→80年代の宗教ブームからあります。付記:「ネオ」タントラという語彙の由来は、伝統的なタントラと区別する目安に過ぎないので、区別しない人は「ネオタントラ」

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wezzy「謎の「イヤシロチ」に迫る」記事について

この記事なのですが、いくつか記述にあいまいな点があり誤解を招きやすい内容になっています。

最も気になるのは、今回取り上げている「ねじねじ」を作った「ガッテン農法と呼ばれる自然農法を指導している三浦伸章さん」が、MOA(世界救世教)の農業関連の事務局員であることが書かれていないことです。つまり「ねじねじ」が新宗教のコンテンツであり、スピリチュアルコンテンツと括れるかはワンクッション議論が必要でしょ

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