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大河への道と鴨南蛮そば

焼きそばについてくる紅ショウガが苦手だ。

惣菜で買った焼きそばを電子レンジて温める前に、家族の分の焼きそばに紅ショウガを移し替える儀式は、もはや欠かせないものとなっている。

2022年公開、中井貴一さん主演の「大河への道」にも苦手な食べ物を除けて食べるキャラクターがいた。

勘定奉行の手先・神田三郎(西村まさ彦)だ。

本作は現代と江戸時代を交互に描かれており、現代のパートでは、千葉県香取市の市役所に勤める池本(中井貴一)が、地元の観光促進のために大河ドラマの開発を提案する。

しかし、脚本制作の過程で伊能忠敬が地図完成の3年前に亡くなっていたことが判明し、計画は頓挫しそうになる。

一方、1818年文政元年の江戸。伊能忠敬の志を継いだ弟子たちが地図を完成させるため、隠密作戦に乗り出す様子が描かれていく。

伊能忠敬の死を隠しながら、地図を完成させようと奔走する伊能の弟子達と、天文役の高橋景保(中井貴一)の前に立ち塞がる神田三郎。

さてこの三郎、鴨南蛮そばのネギが苦手で箸できれいに横に除けて残す。

同じく伊能忠敬も、以前は蕎麦の出前を頼んだ時にはネギだけ器に残しており、それが最近ではきれいに平らげて返ってくる器を不思議がる蕎麦屋の店主を見て、神田三郎は伊能忠敬は死んでいるのでは?との疑いを深める訳だが、ここで別の疑問が湧き上がる。

そんなに嫌いなら、ネギ抜きで頼めばいいんじゃね?と。

しかし、そこで思い当たったのが、冒頭の焼きそばに付く紅ショウガだ。

紅ショウガを直に頬張ると、その後口の中がショウガの味に占領された感じがして、顔をしかめてしまうが、紅ショウガの風味は好きなのだ。

具体的に言うと紅ショウガを除けた後の焼きそばの赤い部分。

あれが無いとそれはそれで寂しい。

神田三郎がネギ抜きを頼まないのもこれと同じではないだろうか?

すなわちネギは嫌だけど、ネギの風味は欲しいと。

北川景子さん演じるエイが扮するエセ祈祷師と、ネギに振り回されっぱなしの三郎を、しかめっ面が似合う俳優・西村まさ彦さんがはまり役で演じています。

皆さんは苦手だけど風味だけは欲しい薬味はありますか?

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