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還暦おばさんチャレンジ トレイルランニング編その9 人間の限界

外圧がないと動けない無職の還暦おばさんです。

ウルトラトレランをやっていると、人眼の限界はどこにあるんだろうと考えることがあります。71.5kmのハセツネに出たときは、限界は感じませんでした。初めての時はゴール前のくだりで足が痛くて大変でしたが、2回目以降最後までしっかり走れるようになりました。

次に119kmのフランスでのレースに出たときは80kmを過ぎたあたりから下りがつらくなり、スピードが遅くなりながらもぎりぎりゴール。その次の100マイルレースでは120kmを超えるあたりから腰に力が入らなくなり走れなくなって、150kmでリタイアしました。次に100マイルレースに出たのは5年後でしたが、スピードが遅く完走できなかったものの、筋力、体力的には余裕があり、時間制限がなければ100マイル行けたと思っています。

これらのことから思うのは、体は以前の極限状態を覚えていて、次回はそれへの備えをしているんじゃないか。筋力や心肺機能はトレーニング状況に影響を受けるのはもちろんだが、脳が記憶をしていて普段使う必要のない能力をここぞというときに発揮するよう調整しているのではないか。そうでないと、普段そんな長距離長時間の練習はしていないのに、経験ある距離までは確実に進めるという事実が説明できないと思うのです。

そしてもう一つ、練習として100kmを超えるような行程は必要ないし、山なら50kmも必要ないかなということです。練習しないで100マイル完走できるのか心配になりますけど、レースで経験を積んでいけばたぶん大丈夫で、普段の練習はやりすぎるとかえって故障しちゃいますし、体力回復に時間がかかりますから。毎日できる程度の練習がいいんじゃないかと思っています。

では限界はどこにあるのか、これはもう脳が作っているとしか思えません。無理と思ったら確実に無理。いけると思ったら、いけるかもしれない。100マイル程度までは、平均的な体力の人間が意思をもってある程度練習しさえすればいけるのだと思います。

遅い選手は2晩寝ないで進むことになり、脳は誤作動しだすのか、幻覚を見るようになります。危機感は感じないので危険信号ではないかな。スタッフがそこに立っているように感じたり、建物が見えるように感じたり、応援の声や鳴り物が聞こえたりということは、よく聞くし経験あります。ずっと人里から離れた山の中にいると人に会いたい願望が自然と出るんでしょうね。植物の葉の模様が文字に見えて仕方なかったこともあります。この辺で休む必要が出てくると思いますので、休まず動ける限界かもしれません。




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