「未充足ニーズ」から新商品を妄想してみる①

以前、「よいベネフィット」は「未充足ニーズ(まだ満たされていない消費者のニーズ)」を満たす、という話をしました。

そこで、今回はそういった「未充足なニーズ」を見つけ、実際にこんな商品があったら良いのでは?というものを妄想してみようと思います。

やり方は下記です。①消費者(今回は自分自身)がやりたくないが、やっている行動を発見する②その根本にあるニーズを把握する③行動の問題を裏返す。これは「キーニーズ法」といって、強いニーズは行動に現れる、という考えを基にしています。

例えば、オフィスでお菓子を食べる、という行動に注目します。この時の行動とその大元のニーズは
① 行動:コンビニに行ってお菓子を買っている。
② ニーズ:仕事中、小腹を満たしたい。
になります。その一方で、「その行動」の問題を考えます。
③ 行動の問題:わざわざコンビニに行くのは面倒。
この問題を裏返し、大元のニーズとつなげると「コンビニに行くことなく、仕事中に小腹を満たしたい」という未充足ニーズが出てきます。それはそのまま「コンビニに出かけることなく、仕事中小腹が満たせる」というベネフィットになります。このベネフィットを提供しているのは、「オフィスグリコ」ですね。

…といった感じで、実際に妄想していきます。

その1:夏のお出かけ時に

もう季節は変わってしまいましたが、今年の夏は暑かったですね。コロナ禍も落ち着いたので、久々に旅行にも出かけました。そんな時に僕自身が感じた未充足のニーズです。

① 行動:外がとても暑く、でも屋内に入るとクーラーが効いていてとても寒い。だから外出する時も上着を持って出かける。

②ニーズ:外出先でカラダを冷やしたくない

③問題:わざわざ上着を持っていくのは面倒。荷物になるし、忘れる場合もある

未充足ニーズ: わざわざ上着を用意することなく、外出先の屋内のクーラーの冷えでカラダを冷やすのを防ぎたい。

妄想商品:リストバンド形式だが、必要に応じて伸ばすことができ、腕を覆ってくれる「簡易冷え対策衣料品」「クーラーガード」


その2:子供の食事のときに

僕には子供がいますが、その際の困りごとです。

① 行動:子供に野菜を食べてもらう際に、マヨネーズやドレッシングをかけたり、飾り切りをして工夫している。

②ニーズ:健康のために子供に野菜を食べてほしい

③問題:面倒。工夫をしても結局子供が野菜を食べてくれない。子供が食べてくれないとこちらもストレス。

未充足ニーズ:親がわざわざ工夫をしなくても、子供に喜んで野菜を食べてほしい

妄想商品:子供が美味しく野菜を食べられる、野菜が子供の好きな味になるドレッシング、調味料。「キッズべジ」

その3:PCでの仕事をしているときに

今はメールの他にもTeams、slack…など様々なコミュニケーションツールで
やり取りをしている人も多いと思いますが、その際の困りごとです。

① 行動:複数のコミュニケーションツールのうち、たまに見逃してしまうものがある。

②ニーズ:仕事の対応をきちんとしたい。状況の把握がしたい。

③問題:すべてのツールを常にチェックするのは面倒。

未充足ニーズ:すべてのツールを常にチェックしなくても、仕事の状況をきちんと把握したい

妄想商品:すべてのツールのお知らせを一括でまとめてくれ、必要に応じてアラートを出してくれるサービス「Always  In ONE」  

その4:コーヒーを飲んでいる時に

僕はカフェラテが好きで仕事中よく飲んでいますが、その際の自分の行動からです(「困った」と感じたことはほぼないですが、行動はしていました)

① 行動:カフェラテを飲んだあと、水やお茶を飲んでいる。

②ニーズ:カフェラテを飲んだあとの、口の中のねばつく感じを抑えたい

③問題:水やお茶を飲むのは面倒。

未充足ニーズ:カフェラテの後水やお茶を飲まなくても、口の中をスッキリさせたい

妄想商品:特殊抽出製法と、さらっとしたミルクを使っているから、あと口すっきりなカフェオレ。「ライト ラテ」

…と、とりあえず4コ程かいてみました。
いずれも妄想ですが、こんなものがあったらいいな…!というものです。
また機会があれば書いてみようと思います。

参考文献:
梅澤伸嘉著「ヒット商品を生む!消費者心理のしくみ」同文館出版


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