【36日】つくば公園前ファミリークリニックで行う先天性股関節脱臼の無料健診。『乳児股関節診察』について

こんばんは!

今日で今年度も終わりです。
前職を退職して1年が経ちました。早いようで長かったこの1年振り返ってみると、やはりクリニックの起ち上げに奔走した1年でした。

そのクリニックも今日が引き渡しの日!!!!!!!!

早速みなさまにご報告。

これからの1ヵ月は準備が大変でしょう。今日だけでもすでに購入していた物品を運び込むのにヘトヘトになってしまいました。


さて、今日は昨日の『あたまのかたち外来』に引き続き、当院で行う自由診療の1つ。『乳児股関節診療』についてのご紹介です。

乳児股関節診療って??

赤ちゃんの股関節の専門家として診療をしてきたため、これまで様々な記事を投稿してきました。

ですが、やはり記事を見て知識を得たとしても不安が残る人もいます。こちらとしても、大丈夫だと言い切れるのはやはり直接診た場合だけであり、そういった場をどこかで設ける必要性を感じていました。

股関節脱臼の多くは3−4ヵ月健診で見つかり、その後に整形外科を受診して治療が開始されます。しかし、その頃にはより脱臼が重症化していたり、簡単な装具の治療で改善されず、追加治療が必要となる可能性が高くなります。

より早く見つけ、専門的な治療を行うことを目的として、新潟市は2−4ヵ月の赤ちゃんを対象に、超音波検診を行っています(¥2,800かかるそうです)。同様の取組は島根県江津市でも行われています。

早期に治療が開始されることで、治療の成績が良くなることは以前から言われていますが、全例を調査しようとなると、日本の医療・健診システムの中ではどうしてもそこをカバー仕切れないのです。(費用面であったり、人的資源の不足があります)

そういった問題をどうにか解決できないかと始めるのが「乳児股関節診察」です。

超音波を用いないお手軽診察

新潟市や江津市で行われている健診では超音波を使用しています。これは超音波を用いることで、その後の股関節の発育予測が可能となるためです。

しかし、医療機器を用いた診察は、費用の面や、技術習得までの訓練が必要であるため人材が確保できないなどの問題が出てきます。

より多くの乳児を短時間で診察するためにはどうすれば良いかを考えていました。

「どうして股関節が脱臼するのか??」

その答えの1つが、股関節の動かし方の間違いです。


股関節を作り出している大腿骨頭は、自らの作り出す筋の力に引っ張られて脱臼する方向へ移動しているということが動物実験で示唆されています。

これは実際に股関節脱臼の治療を担当している立場からも納得の話です。そもそも外れる原因となっている力をどの様にコントロールしていくかが治療や、その前の予防に必要な考え方になるのです。

この様に考えると、外れる前に見つけるためには超音波だけではなく、どうやら動き方にヒントがありそうです。

そこで、動き方をたくさん観察し、これまでLINE相談窓口で様々な症例を見てきました。

その経験を活かし、新しいクリニックで股関節脱臼専門の外来を無料の自由診療という扱いでやろうとしています。これは筑波大学が1ヵ月健診のときに行っていましたが、いつの間にか人が足りなくなり止めてしまっています。

つくば市全体で1年間に約2000人の赤ちゃんが産まれています。週に2回、この様な外来を行えば、全員来たとしても1回20人なのでなんとかやっていけます。

っていうか、全員来ればなので、、、、、。


ぜひ、ご利用ください!!!!

中川将吾
小児整形外科専門ドクター

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?