『ときめきメモリアル40(forty) あれから20数年後…』もえろツインビー 紐緒博士を救え!
私、虹野 沙希(にじの さき)。
私立「きらめき高校」の卒業生で、努力・友情・勝利がモットーの熱血女子。
40才独身です。大丈夫、まだまだ行ける。元気があればなんでもできる!根性、根性、根性よ!
私は今、お弁当屋さんで働いています。
1日12時間は働いているのだけど、時給が安いので暮らしは厳しいです。
そんな時、きらめき高校の同級生「紐緒 結奈(ひもお ゆいな)」さんから、パーティの招待状が届きました。
紐緒さんは研究の末に、時空跳躍理論を完成させ、ノーベル賞を受賞することになったんです。
高校時代からマッドサイエンティストだったけど、Dr.ワイリーみたいにならなくてよかった~。
私はコロナでもらった給付金10万円を使って、パーティ用の衣装を買いそろえると、会場に向かいました。
虹野「ここね…?」
会場の入り口に、世界征服ロボと真・世界征服ロボが並んで立っていたので、すぐに分かりました。
会場に入ると、大勢の人が紐緒さんの周りに集まっていました。
中には見知った顔もちらほら…
あれ、あれって、秋穂…みのりちゃん?
あのバッテンの髪かざりみたいなの、まだつけてるんだ…!?もうすぐ40なのに…
片桐「Too long time、お久しぶりね!」
虹野「もしかして…いや、もしかしなくても、そのしゃべり方、片桐さんだよね?」
片桐「Yes I do! いかにも、片桐彩子その人よ!」
虹野「うわ~、片桐さん全然変わらないね~。痛々しい~!」
片桐「ユーも、全然変わってないじゃな~い」
虹野「とりあえず、乾杯しよ、乾杯!」
片桐「オッケーイ!ファーストドリンクは、バブリーなエクスプロージョンをがっつり決めるわよ~!フー!」
虹野「片桐さん、テンションおかしい~(笑)」
優美「ちょっとちょっと、先輩たち!優美も混ぜてくださいよ~」
虹野「えっ、もしかして優美ちゃん!?」
片桐「オー、早乙女君のブラザーの!?」
優美「ブラザーじゃないよ~!先輩ひどい!優美、女の子だモン!」
虹野「うわ~、一人称が下の名前の40女キツイわ~」
優美「なんか言った?」
片桐「もう、冗談はそれくらいにして、とにかく、乾杯しましょうよ~」
三人「カンパーイ!」
と、その時、会場に轟音が鳴り響き、立っていられないほどの衝撃が体を襲った。
虹野「なに、何なの!?」
優美「優美、死んじゃうよ~」
片桐「あっ、紐緒さんが…!」
見ると、会場に進入してきた空飛ぶ円盤が、紐緒さんをさらってどこかへ飛び去って行ってしまった。
虹野「大変よ!この会場が何者かの攻撃を受けたんだわ!」
片桐「相手が誰か分からないけど、みんなで紐緒さんをヘルプに行きましょう!」
優美「じゃあ、ツインビーとウインビーとグインビーに乗って、円盤の後を追いかけよう!」
虹野「え、優美ちゃん、そんなのどこにあるの…?」
優美「地下に決まってるじゃん!お兄ちゃんに聞いたことあるよ」
会場の地下に行ってみると、確かに3機の戦闘機が置いてあった。
虹野「これが、ツインビーとウインビーとグインビー…」
片桐「さっさと乗り込むわよ!私がウインビーね!」
優美「あ~先輩ずるい!ウインビーは国民的アイドルしか乗っちゃダメなんだよ!」
片桐「シャーラーップ!あんなの、結局ウインビーだかパステルだか良く分からないうちに、消え去ったじゃないの!」
虹野「コラー!お前が黙れ!」
結局、私がツインビー、片桐さんがウインビー、優美ちゃんがグインビーに乗り込んで、円盤の後を追うことになった。
しばらく飛んでいくと、何やら見たことのある光景が見えて来た。
虹野「え、なに、何だか聞いたことのある音楽が…」
片桐「矩形波倶楽部(くけいはくらぶ)っぽい音楽が流れてるわね?」
優美「え~、何あの触手みたいなの?キモ~イ!」
私たちはグラディウスの5面に迷い込んでしまったのだ。
虹野「3WAYだと攻撃が分散して、逆にキツイ!」
優美「優美、死んじゃうよ~」
片桐「ミーに任せなさーい!」
虹野「ちょっと、片桐さん、先行し過ぎよ!」
片桐「女子どもじゃあるまいし、触手ごときでビビると思ってんの!伊達に女を40年やってるんじゃないんだよ~!死ねよや~!」
片桐さんはウインビーの両手で触手をちぎっては投げ、ちぎっては投げ、次々にぶっ飛ばして行った。
虹野「片桐さん、凄かったね」
片桐「ざっと、こんなもんよ」
優美「ちょっと、前から何か飛んでくるよ!」
虹野「今度はチャイナっぽい音楽が…」
片桐「オーノー!なんなのよ、一体」
優美「あれ、ウーじゃない?」
虹野「え、ウーって、イー・アル・カンフーの5面の?」
片桐「とんでりゃ良いってもんでもないでしょ!」
優美「ここは優美に任せてよ」
虹野「ちょっと、優美ちゃん、どうするの?」
優美「プロレスだ、ウォー、ウォー!」
優美ちゃんは、ウーに突っ込んで行った。
優美「時は来た!それだけだ!」
優美ちゃんは、グインビーを巧みに操って、ウーに技を仕掛けて行く。
片桐「ドラゴン・スクリューをキメて、ウエスタン・ラリアットからの~、シャイニング・ウィザード!!ワンダフル!」
虹野「片桐さん、詳しいね…」
優美「ウィー!」
ウーを撃破した私たちは、円盤を追い続け、遠い銀河の果てで、ついに円盤に追い付いた。
虹野「とうとう追い詰めたわよ!紐緒さんを返しなさい!」
私の声が聞こえたのか、円盤の中から何者かが姿を現した。
詩織「他の人には任せてはおけない。私自らが出る!」
片桐「ふ、藤崎さん!?」
優美「やっぱり、お前がラスボスか!」
詩織「せっかく紐緒さんの『時空跳躍理論』を手に入れたのに、邪魔しないでほしいのよね~」
片桐「ユー、一体どういうつもり?」
詩織「この『時空跳躍理論』を使って、過去・現在・未来において、きらめき高校のアイドルであり続けようとする私の努力、分からないかな~」
優美「まさに外道!」
詩織「何とでも言いなさい。額に汗して働くのは下郎の仕事。選ばれし者は、その奉仕を受けるだけでいいの。さあ、死になさい!」
片桐「容赦なくデンジャラス!」
藤崎さんの攻撃は、容赦なく私たちの機体を痛めつけて行く。
片桐「まずい、このままじゃ…」
優美「優美、死んじゃうよ~」
やられる…そう思った時、ツインビーのモニターに紐緒さんからのメッセージが表示された。
時空跳躍理論。コードネームは「ハイパーオリンピック」
あとは分かるわね…?
虹野「そうか!二人とも、連射よ!」
片桐「ホワッツ!?」
優美「先輩が壊れた!」
虹野「とにかく連射するの!3人の力を合わせて、時空跳躍システムを暴走させるのよ!」
片桐「連射って、ハドソンのソフトじゃないんだから…あ、そうか!」
優美「ハドソンを暴走させて、コナミを破壊するんだね!」
虹野「そうだよ!」
片桐「そうと決まれば…」
優美「よーし、行くぞ~!」
今この瞬間、40才の体に鞭打って、全力の連射にかける!
三人「やらなきゃハドソン!」
虹野「ツインビーとウインビーの16連射+16連射で32連射!!
グインビーの2本の腕が加わり、32連射×2の64連射!!
そして、いつもの4倍のド根性を加えれば、64連射×4の…藤崎詩織!お前を打ち倒す256連射だーっ!!」
私たち3人の連射は、見事に藤崎詩織を時空の彼方に消し去っていた。
その後、無事に紐緒さんを助け出した私たちは、地球へと帰還した。
そして、紐緒さんはお礼として、時空跳躍理論を使って、私たちを好きな時代へ連れて行ってくれると言う。
私は、どの時代に行きたいだろう?
高校時代に戻りたいかな…?
それとも、もう少し未来に行ってみようかな?
色々考えたけど、やっぱり今、この時代がいいかな。
色んなことが沢山あって、泣いて笑って一生懸命生きて来た、これが私の人生だから。
虹野 沙希40才、今日も一日一生懸命がんばります!
元気があればなんでもできる!根性、根性、根性よ!
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